47. 夏の終わり
もうすぐ鬼ヶ崎ラム15歳としての高1の夏休みが終わる。
既に別荘から駅前マンションに戻って宿題の残りを終わらせ、ジムに通いギターを弾き読書し、
といった通常の休日仕様に生活をシフトした。
イメージビデオはシズカがやはり上手いこと編集して非常に満足のいく仕上がりだった。さすマネ
既にアワチューブに公開済みで高評価らしい。
収益化がどうのとも言っていたが鬼ヶ崎ラムとしては今のところ経営者をやるつもりはないのであえて流している。
やはり経済活動っぽいワードには少しソワソワしてしまうのだった。
考えてみたら世間一般の娯楽に縁遠い生活を送ってきたなと今になって実感している。
テレビは時代劇や大河ドラマは好きだったが、元々は他の偉い人たちと共通の話題を持ちたいがために見始めたものだ。
プロ野球やゴルフ中継などは義務感で見ていたと言っていい。
ニュースも政治経済にしか興味はなかったしほぼ仕事のうちだったし。
なので今は自分の生活圏にテレビを置いてないのだ。
JKともなればアニメやドラマを見るものだと考えたこともあったがラムは人を寄せる体質らしく、
興味のないものを無理して仕入れる必要がないことを理解した。
アワチューブなどのネットメディアに関しては昔好きだったバンドなどの
見たこともないような動画が大量にあることを知ってからよく見ている。
しかし単なる一視聴者なので自分のバンドのチャンネルに関してはすべてお任せである。
人には適性というものがあってすべてをひとりでやろうとする人は大した仕事が出来ないことを知っているからだ。
偉い人の大雑把さというのもそれなりに理由がある。
そんなこんなで夏が終わる。秋にはいよいよ学園祭がある。
そう、バンドはそのために組んだのだ。忘れがちだけど。
肩慣らしのつもりの対バン1回で知れ渡るなんて聞いてないよー!




