45. 音楽合宿1日目(オマケ)
ラムは夜中に目が覚めて喉の渇きを覚えたので2階にある寝室から1階のリビングダイニングに降りてきた。
電灯をつけないままコップに水を汲んで流しの前でそのまま飲んでからフト背後に違和感が…
「うわっ!ビックリしたー、シズカちゃんか。真っ暗なままそこに座ってたの?」
「ラム様、私、お役に立ててますでしょうか?」
「え、何言ってんの?もう皆んなが認めるキャンファになくてはならない存在だよ」
「そうでなくて私はラム様のお役に立ててますか?
バンドのマネージャーなど他に出来る方もいるでしょう。私はなんなのでしょうか」
「またメンドくさいこと考えてるね。他に出来る方って具体的に誰?
誰がシズカちゃんみたいに気が回って、キッチリ仕切れて、あらゆるフォローが出来るっていうのさ?
そんな人いないよ?普通じゃないんだよ。特別なんだよ。凄いことなんだ。
ホテル王のお父さんがあんなに喜んでたのはそれを知ったからだよ。
学校の成績なんかよりよっぽど社会で求められる才能なんだ。才能のある人は誇りを持つべきなんだよ。
シズカちゃんが私に憧れを持ってるのは知ってる。私は私に誇りを持ってやってきたしこれからもそうする。
シズカちゃんはシズカちゃんにしか出来ないことに誇りを持つべきだ。
それが私の友だちに求めることだよ。対等に付き合って高めあいたいんだ」
「私、こんな見た目でちんちくりんで。
エリカとかすごく羨ましくて、あの娘ならどんなことをするだろうとか、
それに対する周りの反応とかいろんな想像してそれが楽しくて。
でもラム様に出会って、そんな想像もリアルで全部超えちゃって、少しでも近づきたくて頑張ったんです。
私ってラム様が言うような特別な人に成れるのでしょうか?」
「成るんでしょう。特別になるために頑張るんだよ。自分に投資する。そして回収してまた投資するんだ。
どんどん特別になっていくよ。シズカちゃんは可愛いんだから。
憧れてるだけじゃもったいないよ。もう色んなもの持ってるじゃん。人が羨むくらい持ってるんだよ。
それを自覚するだけで世界は変わる。よく見てみようよ。他人の目を通してじゃなくて自分の目で見て」
「ラム様は教祖さまですか?私、信じます」
「メシアくんの刷り込みがこんなところで!そんなオチかクソが」




