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予感

初投稿です。お手柔らかにお願いします。

俺は大工仕事を終え、少し食べ物を盗りに街に向かった。平日の夕方。帰宅ラッシュの中、主婦たちが今日の晩御飯を決めかねて市場をうろうろしている。

今日も人ごみに紛れながら逃げ切れるな。

するすると人のあいだを抜け、いつもの八百屋付近で獲物を選ぶ。

今日もりんごでいいか。

重力操作で3つのりんごを違和感のない程度浮かせ、俺が走り出したのと同時にりんごの重力の中心を俺にする。

そうすると俺は逃げながら、俺に引寄せられたりんごを手にすることができる。

「よし、今日も大丈夫だな」

後ろからいつものそのガキ!止まれ!という怒号が響く。

どうやって俺にりんごを取られているのか気づいていないから、いつも盗られんだよ!

後はいつも道理魔法を使いながら走って逃げる。

はずだった。

ガクッ

「?!」

なんだ、いきなり右足が崩れた?!いや落ちたのか!

なぜ⁈

「君、重力魔法使ってるだろ」

「!?なんのことだ!」

目の前に、黒髪のはつらつとした表情の男が俺を見下している。

それと同時に落ちたと感じた右足の感覚が戻っていることに気づいた俺は、今までにない速度でその男を切り抜けようと足を動かした。

感覚的にわかる。この男に捕まったらヤバイ……!

全身から魔力が溢れているのを感じる!さっきの魔法も見きれなかったし、手の内が読めない。逃げれなければ最悪死……!

「あはは、ごめん警戒させるつもりはなかったんだ。ちょっとここは目立つから移動しよう」

どういうことだ。

俺は走り出したはずなのに、気が付けば男に首根っこをつかまれていた。


市場を抜け、人通りの少ない小道に連れてこられた。間違いなく俺は売られる……、もしくは魔法を酷使した戦力として軍人にでもされてしまう……。

「ふふ、君を売りさばいたりなんかしないよ」

「嘘をつけ……何笑ってやがる」

人をいきなり捕まえておきながら、この薄ら顔。不快が過ぎる。どうやってこいつから逃げ出し、家族のもとへ帰ろうか。

「嘘を付け。どこで俺の魔法に気づいたのか知らねえが俺には帰る場所がある」

「帰る場所?あのくそみたいな匂いがするボロ屋がか!」

「てめ……!家族に何をした!」

「あはは、ごめんごめん。カマかけただけだよ。君の家までは知らない。でも君が働いて、盗みまでしないと支えていけないような環境に住んでるんだろう?」

「……どこまで知ってる。何が目的か端的に言え」

「そんなに睨むなよ。俺は君たち兄弟を保護したいと考えている」

「……はぁ⁉」

ホゴ。そんな単語を口にする人間って実在したのか。

「ありえない。裏があるとしか考えられない」

「ふふ。そうだね。でもさ、考えてみてほしい。君にはかわいい弟がいるんだろ?彼らにはまともな教育を受けて、勉強して、何不自由なく生きてほしい。そして君は一人で母の世話を受け持ち、すべてを1人で受け入れようとしている」

「だから何なんだよてめぇは!!だからなんだ!俺がどうしようがお前は関係ない!それにお前に俺たち家族のことを言われる筋合いもない!」

今までにないほどの怒りが、全身から魔力となって漏れ出ていった。

ボコッバキッ

俺の足元の面が割れて歪み、それは奴の足元まで及んだ。

「……やり方しくったかな。君を怒らせるつもりはなかったんだけどな」

「二度と保護するなんて言うな。消えろ」

「……、君たちには外部からの援助が確実に必要だ。それに気づいたら、もしくは取り返しのつかないことが起こったらまた会いに行くよ。」

すまなかったね、そう言うと奴はひらり、とどこからともなく吹いた風と共に姿を消した。

なぜ俺たちのことについて知っているのか、関わろうとしてくるのか。

一切が不明すぎて、今はとにかく家族の無事を確認するしかない。

なんだか嫌な予感がする。早く帰らねば。


弟たちの顔を思い浮かべ、俺は自宅へと向かった。

ここまで読んでいただきありがとうございました!続きます!

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