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亡き心情の為のクレプスクルム

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。でも心情は純文学。

苦手な方はご注意下さい。


朝日が嫌いだ。眩しい白の光が嫌いだ。夜の私を滅ぼして、朝の私に作り替えるこの無遠慮な陽が大嫌いだ。お陰様で私の寝起きは何時だって最悪だ。一生薄明でいてくれ。

朝目覚めて、色々な夜の話の構想したのだ。背徳的で好色な話、禁忌で報われない恋の話、それらが陽の光によって砕かれて、亡き者になった。今はもう、何一つ覚えてない。

それでも往生際悪く、羽毛布団に顔を埋めて思い出す。享楽、快楽、悦楽、そんなもので全身が満たされれば万事解決。物語は自身の気持ちを鼓舞し、体の熱を上げて、空に押し上げる。あの快感に耽れば、満足するのだが。しかし無情にも、思い出す事は叶わなかった。

溜息を吐く。舌打ちをするのを堪え、近くに置いてあったスマホに手を伸ばす。それからイヤホン。耳に当てる。聞くのは同人サークルのクラシック。イタリア語で紡がれるオペラ。そうされると、殺風景なこの部屋に華が添えられた様な気分になる。やっぱり良いね、このサークルのクラシック。

「なんだ。もう起きていたのか」

部屋に入って来たのは同居人。私と同様に朝が苦手な様で、大抵寝起きは最悪。取り分け寝起きが最悪の時には、私の部屋に居座って共に同じ音を聴く。気の合う同胞である。

どうやらそんな日の様で、目尻を釣り上げながら隣に腰掛けた。顔を近付けて零れる音を拾おうとする。イヤホンを外して一言。

「聞こえんの? それ」

「少し」

ま、そうだろな。だから片方だけを耳から外して、もう片方を相手の耳に押し込んだ。すると片目を閉ざして脚を崩し、音を共有した。

「私、朝日って大嫌い。こんな事なら薄明に起きて、さっさと君ん処行けば良かった。狂った様に求めれば良かった」

「まぁでも高貴なクラシックも悪くないだろ」

「……一理ある」

それから精神が覚醒するまでそうしていた。脳は朝日に叩き起されたけど、精神は時間がかかる。

朝日によって亡き者にされた心情を満たす為の薄明です。

※クレプスクルムはラテン語で薄明という意味があるそうで。

まぁタイトルに捩じ込んだのは、もう一個意味がありますが。


日光浴びた瞬間に、思い描いていたネタが全部消し炭になりました。さいならー。

という訳で、見える世界が変わるレベルの音に頼る事にしました。


現実にある同人サークルのクラシックです。

著作権考えて、題名、歌詞は勿論の事、内容に至るまで徹底的に書いてません。書いているのは「その曲を聞いている事だけ」。

でもヒントは見えやすい場所に出てます。


乙女ゲーム好きな方なら一度は耳にした事があると思います。

サークル名はなくとも、主題歌として曲提供してるので。

私がクラシックにハマるきっかけとなったグループです。

中世に作られたと言われても、多分納得します。


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