先生の一面〈後編〉
こんにちは!エステルです。今回は先生のちょっとした恋愛事情(?)について書きました。ちょっぴりクスッと楽しんでいただければと思います。
そこは少し大きなマンションで、わりと新しかった。
「先生って結構大きいマンションに住んでいるんですね。」
先生が笑う。
「そう?そう言ってくれると嬉しいけど。でも青田さんが住んでいるところよりかなり狭いと思うよ。」
「そうなんですか?」
「うん、一応一人暮らしで借りてるからさ。もちろん二人でも普通に過ごせると思うよ。あっ、ここだよ。」
気づくと先生の部屋の前にいた。
ガチャッ。
ドアが開いて中に入った。そしてリビングに行ってみた。
「…一人暮らしって言うわりには広くないですか?」
「…そ、そうかな~?多分たいしたことないと思うけど…」
私は先生の顔をジーっと見た。
「もしかして…彼氏…います?」
「いや、今はおらん…。」
「今は…?」
私は恋バナになるとしつこくなってしまう。
「いや…実は…その…3ヶ月前まで付き合ってた人がいて…」
「あっ、なるほどね-。」
恋バナ、私によるまさかの強制終了。知りたいことがわかるととたんに興味を無くす。だが言いたいことは忖択しなくてもいいことは、大抵のことは言う。
「でもちょっと意外でした。」
「えっ?」
「んーそのー先生って彼氏いない歴=年齢だとばかり思ってたので。」
「えー私だって恋愛ぐらいしたいし~」
「いや、そういうことじゃなくて、彼氏を作るチャンスがあんまりなかったんじゃないかなと思って。だって先生って中高は女子校だったでしょ?大学だって京大行っててたとえ彼氏できたとしてもそのうち遠距離だってあったはずだし。それに…」
「…その遠距離中に彼氏が浮気したから別れたんよ!!」
言おうとしたことを言われてしまった。ついでに先生がどうして彼氏と別れたのかさえ知ってしまった。あと…先生めっちゃ顔真っ赤。
「先生大丈夫ですか?もしかして熱が出たのかな?」
「違うわ!!あ~も~まさか生徒にそんなことを知られるなんて思いもしなかった…」
「大丈夫ですよ。クラスメイトには絶対に言いませんから。私こう見えてかなり口が固いんですよ?」
「ほんまに?」
「ええ、もちろん。」
これは決して嘘ではない。私の場合何か秘密の話をされても自己満足して他の人に言うことはないのだ。
「じゃあ約束よ?」
「はい!!」
「ゆーびきーりげんまー嘘ついたら…」
あのときの先生の真っ赤な顔はやっぱり忘れられない。