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第1話 スキルレベル4止まり冒険者は依頼される

 なろう初投稿なので勉強中です。誤字、脱字、漢字や日本語が変かもしれませんが読んでもらえたら嬉しく思います。修正や情報の追加をするかもしれません。

 ここは、ヤーマー王国南部。

 レイース辺境伯爵が治める領地の辺境城塞都市ブラッドス。

 その都市内にある冒険者ギルド、ブラッドス支部の酒場でジョッキを傾け、暇にしている俺。

 ガイス・トーラーと言う。

 黒髪、青い瞳の24歳で彼女無しのDランク冒険者だ。

 酒を飲んでる俺に近づく奴らが3人。

 貴族の青年をリーダーに男女の従者からなるパーティー『輝く剣』だ。

 金髪イケメン貴族が話かけてきた。


「やあやあ、Dランクのガイスくん。昼間からお酒とは良い御身分だね」

「自分の領地に帰ってください。お願いします」

「相変らずだね、君は。そう邪険にしないでくれないかい」

「無理! イケメン貴族よ滅びろ~」

「やれやれ、他の貴族なら君の態度は処刑ものだよ」

「問題ない!他の貴族とはかかわらないし」

「はぁ、まったく君は。日を改めるよ、僕のパーティーに入って欲しいんだけどね」

「はは、死んだってお断りしますよ。ルートス・フォン・カーリス様。DランクなんでCランク様方のパーティーに入れてもらっても迷惑をかけるだけですよ」

「君はまだ自分の実力を理解していないのかい!」

「実力? 理解していますとも、俺はDランクの冒険者。スキルレベル4止まりの才能無しの凡人ですよ!」

「くっ、分かった。君はそのまま停滞して居ればいい!」


 金髪イケメン貴族が身をひるがえし去っていくのを見送る。

 

「ダメなんだよ・・・・・・スキルレベル4止まりじゃ・・・・・・」


 Cランクになるには戦闘用スキルでレベル5以上のスキルを1つ以上所持していなければならない。

 このルールは絶対だ。

 いくら単身でCランクモンスターを倒せる実力が有っても、ギルドは認めない。

 それどころか、厳重注意で罰則をかされることもある。

 冒険者のランクはスキルレベルを保証する。

 依頼者はスキルレベルで冒険者を選ぶ。

 それがこの世界の常識、スキル至上主義だ。

 なぜなら、この世界では人と亜人の戦闘能力は種族差はあれど大差ない。

 どんなに体を鍛えようが、経験を積もうがドラゴンには、決して勝てない。

 ただし、神が授けた強力なスキルが有れば別だ。

 スキルレベル5以上から修得できる戦闘用スキルの必殺技はスキルレベル4以下で修得できる技とは比べ物にならない。

 神の力によって、種族の限界を超える一撃を放つことができる。

 だから、俺は人の、種族の限界を超えることができない凡人に過ぎないのだ。

 

「いやぁ~、若いってのはいいと思うときもあれば、残念に思うときもあるなぁ~」

「うっふぇい! いつから隣に座っているんですかギルドマスター!」

「ついさっきだよ」


 銀髪、黄金色の瞳を持った15歳くらいの美少年が酒のジョッキを2つ持って隣で笑っている。

 ちなみに15歳で成人なため酒は飲んでいても問題ない。

 ギルドマスターが昼間に酒を飲んでいいかは黙秘する。

 見た目は少年だが吸血鬼なので俺よりはるかに年上だ。

 なぜ、人の都市に吸血鬼が笑って酒を飲んでるかと言うと初代レイース辺境伯爵との盟約でこの都市を守護しているらしい。

 詳しく聞いた話では、元々この領地は、ギルドマスターが吸血鬼の王として支配していて、人を奴隷兼家畜として扱っていた。

 それを初代レイース辺境伯爵が吸血鬼の王を倒し人々を開放した。

 その時の決闘で、命を助ける代わりに領地を守る番犬として、初代レイース辺境伯爵に仕えることになったと言う話だ。

 本物の伝説が隣の少年吸血鬼ギルドマスターだ。

 王として君臨していたときは青年の見た目でイケメンだったと本人談。

 初代レイース辺境伯爵と戦ったときに牙を切り取られて吸血できないため縮んだとのこと。


「まぁ、飲みたまえ。ガイスくんは自分の実力をよく理解していると思うよ。スキルに関してはだがね」

「俺は人ですよ。スキルがだめなら凡人にすぎないですよ」


 俺はギルドマスターから新しく酒が注がれたジョッキを受け取る。


「私は、君のそういう冷静的な部分を評価している。だが、少々度が過ぎると思うのだよ」

「度が過ぎて当然です。一瞬の判断ミスで命がなくなるのが冒険者じゃないですか!」

「まぁ、そうだがね・・・・・・。冒険者なんだよ君は。私は君が冒険してくれることを望んでいるよ」

「・・・・・・」


 俺はジョッキに口をつける。

 冒険したくないわけがない。

 冒険者という危険が付き物で収入の保証などない職をわざわざ選んでいるのだから。

 もちろん、家庭的事情もあるにはある。

 ただ、冒険者になる奴らはほとんど、好奇心の塊かロマンチストのバカだ。

 俺もそのバカの1人である。

 一気に酒を飲みジョッキを空にする。


「さてと、酒を飲み干したところで君にやってもらいたい依頼があるのだよ」

「え、お断りは~?」

「できないに決まっているだろ。酒も飲んだし、ギルドマスターからの直接依頼だ」

「そこをなんとか、酒も飲んでいますし。酔いで依頼どころじゃないですよぉ!」

「ガイスくん。君は確かスキルレベル4以下の状態異常回復魔法が使えたはずだが?」

「はぁ、使えますよスキルレベル4以下なら何でもできますよ!」

「うむ、よろしい。依頼内容は都市に近い森林の調査だ。暖かくなるとモンスターも活発になる。ルートスくんのパーティー『輝く剣』にも遠征がてら都市の近くを調査してもらっていた」

「なら森林の調査もあいつらにやらせればいいじゃないですか!」

「この依頼はねぇ、どんな状況にも対応できる汎用的なスキルを持ち、冷静に対処できる1人に限られる。それは、君しかいないのだよガイスくん」

「はぁ、分かりました。依頼を受けますよ」

「そうか、悪いね。無理を言って」

「悪いと思うなら報酬は多くしてくださいよ!」

「うう、努力しよう。クローナにお願いしてみるよ」

 

 クローナとは、このギルドの副ギルドマスターであり、受付嬢でもありでもって金庫番でもある。


「ギルドマスターはクローナさんに弱いですよね。なんか弱みでも握られてるので?」

「いや~、クローナは私を監視するために教会から送り込まれた者でね。教会とはいい思い出がなくてさ」

「ああ、ギルドマスター、吸血鬼ですもんね。そりゃ~なんとも、自業自得で」

「まぁ、そうなんだよね~」


 ギルドマスターは遠い目をして虚空を見ている。


「で、調査とは具体的には?」

「そうだね。とりあえず高ランクモンスターの痕跡を探してみて欲しい」

「見つからない場合は?」

「見つからないならそれでよし。報酬は払うから心配無用」

「行き当たりばったりな依頼ですね。森林に数日とどまりますか?」

「いや、いいよ。君を長期で拘束すると都市住民に責められるし」

「はぁ、まぁいいですけど」

「君は自覚したほうがいい。君は愛されている都市住民の人々から」

「はぁ、酒場のオヤジと大工の頭領にですよね」

「それと鍛冶屋ギルドから服飾ギルド、商人ギルドまでが君を必要としている!」

「便利屋としてですよね」

「まぁ、冒険者としては複雑なのは分かるが、都市住民の依頼も重要だからね。主に私の給料に影響する」

「身も蓋もないですね。吸血鬼なのにお金が必要なんですか?」

「必要さ!15歳くらいの見た目を保つために沢山食べないと維持できないだよ!」

「そうですか。じゃあ、俺行ってきますんで支払い、お願いしますね」

「ちょ、ツッコミ無しでスルーして支払いを私に押し付けて、さらに私にツッコミさせるって君は悪魔かい?」

「いえ、凡人冒険者です。それでは!」


 残りのツマミを口に入れ走って逃げる俺。


「・・・・・・まぁ。これぐらいならいいけどさ。ツマミは残しておいて欲しかったなぁ」




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