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第二十六話 決闘 2


 やがて馬車が着いたのは町はずれの何もない平原。

 周囲を近衛兵が誰も入ってこないように固めていた。


 「兵ノ持ッテルアレッテ……銃カ?」

 「そうだ」


 近衛兵のもっている細長い筒を見て驚くアルマに王は自慢げに頷いた。


 「俺ハアンナ物マダ開発デキテイナカッタハズダガ」

 「君が死んでから何年たったと思っている。科学も技術も飛躍的に発展したさ。街を見ただろう? 君たちの様子を逐一報告させたのは携帯零話という機械だし今は町中に霊力を巡らせる実験も開始しているのだよ」

 「グヌゥ……」


 なんだが自分の手柄を横取りされた様で良い気分はしなかった。

 しかも自分は彼の一存で殺されているのだ。

 素直にすごいとは言えない。


 「何はともあれ場は整った。始めようか」

 「うん」


 サルヴァとケルトは向かい合った。

 二人とも徒手空拳だが戦う準備は万端だ。


 「では我々は向こうでやりましょう!」 

 「ショウガネェナァ……」


 そしてアルマ達も場所を移して戦いの準備に入る。


 「そちらからどうぞ?」


 ケルトはアルマが自分たちのフィールドから離れたのを確認すると王を挑発した。


 「ではお言葉に甘えて」


 サルヴァはその手に霊力をためて光弾を打ち出した。

 どうやら霊力を放つ霊術師と呼ばれる類の者らしい。

 だがその攻撃はケルトの腕の一振りで簡単に消えてしまった。


 「ならばこれはどうだ」


 これは小手調べだと言わんばかりの大量の霊力を貯め始めたかと思うと先ほどの光弾を今度は数十、いや数百に届くかといった数を空に浮かべ始めた。


 「防ぎきれるものなら防いで見せろっ!」


 まるで星が降ってきているかのようなその光の嵐はすべて寸分たがうことなくケルトの体めがけて降り注ぐ。

 それがいったいどれほどの技量なのかどれほどの鍛錬を積んだのか。

 光弾と光弾がぶつかり合い、爆風を発生させて防ぎきれない弾幕を張って行く。


 「これでおしまい?」


 だが流星群が降り終わった時、そこには一歩も動いておらず傷一つないケルトの姿があった。

 眉一つ動かさずに首を傾けるケルト。

 どうやらすべての攻撃をうけきり力の差を見せつけるつもりらしい。


 「……さすがは神として祭られていただけのことはある……ならこれはどうだ?」


 それでもひるむことはなく王は奥の手を出す。

 

 「『悦び』とは人々の心の奥底から湧き上がる充足感、安心感、信頼。それらの感情は人々の上に立つ私にこそ最も多く向けられ、力として入ってくる」


 王は喋りながら自分の胸に手を当てた。


 「私が良い王たる所以は此処にある」


 そして両手を頭上に掲げた。

 するとそこに光の弾が一つ現れた。

 しかしそれは先ほどまでのとは比べ物にならない大きさ。

 まるで太陽が落ちてきたようだった。


 「どうだい? 仲間の力を借りた大技なんて物語の主人公の様だろう?」

 「うん。なんかどっかで見た事ある気がする」


 あまりのエネルギーの大きさにじりじりと地面を焼く音が聞こえてきそうな巨大な光の弾は維持するだけでも体力を使うのか王の額を汗が流れる。


 「人類の限界を超越した一撃、受けてみるといい」


 王は歯を食いしばり、思い切り両手を振り下ろした。

 


見た事あるぞ……。

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