第十三話 束の間の平穏 2
説明も含めたほのぼのパートやっと終わり。
終わりだよ。
「ケルト、その荷物はこっちに置いて」
「うぃー」
スケルトンが村で暮らし始めて4日が経っていた。
ケルトと言うのはスケルトンの新しい名前だ。
と言うのも「ケント」と呼ばれていたのだがさすがにその名はもう自分じゃない気がしていたのでやめるよう言ったところ語呂が似ているしスケルトンだから「ケルト」にしようと誰かが言ったのだ。
「ふぅ……」
ケルトは農具が一杯にはいった箱を棚に積み上げると一息ついた。
この4日間で村人の個性も見えてきていた。
双子のリリとロロは対照的な性格だ。
リリは活発的でロロは物静かな印象だった。
しかしお転婆なのは同じようで小屋の下にトンネルを掘っていたのは彼女たちらしい。
サミアは面倒見の良いお姉ちゃんと言った感じで自由奔放なリリロロのお目付け役だ。
そして子供たちの中では一番年長であり、一人だけ男の子のカナンは下が女の子しかいないせいか皆を守るという気概が強く、スケルトンと初めて対峙した際も先頭に立っていた。
みんな良い子たちばかりであった。
「ありがとうねケルトさん」
「いえいえ」
中年の女性に言われた礼に手を振って答える。
初めは警戒していた村人も子どもが積極的に関わろうとする姿から徐々に慣れてきて今では子守りを任せられる程になっていた。
「それじゃあ私はちょっと練習に……」
「えー遊ぼーよー」
「後でねー」
ケルトは袖を引っ張る子どもたちを適当に受け流して「練習」の為の森へ向かった。
「腐食!」
その練習とはアンデッドスキルの練習だった。
アンデッドスキルの練習に森という生命の溢れている場所は最適であった。
そんな練習のかいあって今では触れてなくても地面を伝って狙ったものを腐食させることが出きるまでになっていた。
「オ、マタ精度上ガッタンジャネェカ?」
「でしょー」
数メートル離れた場所に生えていた小さな赤い果物を腐らせたケルトは服の中から出てきた人形に自慢した。
時間が経てば霊力は回復するらしく、最近では結構自由に動いている。
「他ノスキルハマダダメカ?」
「それがこう、なんかできそうなんだけどなにかが足りないみたいなんだよねぇ」
「何カッテ何ダヨ」
「これがわからない」
スキルというのは個人が魂のレベルで決められている先天的なもの。
だからどんなスキルを所持しているかは完全に個人が自分で色々試して確認するしかなかった。
ケルトはその真っ最中といったところだ。
「……っと。もうすぐ日が暮れるか……帰ろう」
しばらく練習をしていたら日が落ち始めていた。
「オ前モ律儀ダナ。寝ル必要ハナイノニ」
「遊ぶ約束しちゃったしな」
「アンマリ入レ込ミスギンナヨ。ドウセスグ別レル」
「わかってるって」
ケルトは赤く染まり始めた森から村へと戻り始めた。
これから起こる惨劇も知らずに――。
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「こちらが件の村ですか……」
時を同じくして村へと続く一本道で一人の女性が目の前に広がる村を見て呟いた。
彼女たちは蒸し暑いというのに肌が見えないほどの黒い衣装を身にまとっていた。
「あぁなんて悲しい日なのでしょう……」
彼女たちは唐突に嗚咽を漏らし始めた。
「神よ……我らが悲しき大罪に救いを……」
いったい何に対して涙を流しているのか。
彼女たちの流す涙は夕日に照らされて赤く染まっていた。
盛り上がってまいりました。




