第十二話 束の間の平穏
まーだ平穏パートだよ……長くない?(嵐の前の静けさ)
「……しばらくとはどの程度でしょうか?」
「七日ほど」
「七日ですか……」
スケルトンが具体的な日数を提示すると、村長は髭を触りながら考え始めた。
一週間もあれば情報の整理も終わるだろうし今後の方針も立てられる。
何より子供たちと遊べる。
せめて仲良くなった人たちと思い残すことがない別れにしたかった。
(それに外は危なさそうだしなぁ……)
加えて少しは戦える力を獲得しておきたいという理由もあった。
いくら死にそうにないとは言っても自らの力くらい把握してから旅立ちたい。
話が長引くかとも思ったが、意外なことに村長はゆっくりと首を縦に振った。
「良いでしょう」
「村長!」
その村長の決定に異を唱えたのはオードウィンだった。
「情報を教えたら出て行くように言うんじゃなかったのかよ!」
「私たちの村の掟を忘れたか。誰にでも親切にだ」
「だけど相手はアンデッド――!」
「アンデッドだろうがかわりゃあせん」
村長は強い口調でオードウィンを黙らせるとスケルトンに手を差し伸べてきた。
「ようこそ。我が村へ」
「どうも」
どういった意図でスケルトンの滞在を許したのか解らなかったが、ひとまず腰を落ち着かせられる場所を見つけられたスケルトンは安堵する。
そして同じくらい細いそのしわくちゃの手を取った。
「一緒に暮らせるの!?」
「あっおいロロ! 静かに! あっ……」
そこにロロとカナンの声が割り込んできた。
何事かとスケルトンが後ろを振り返ると地下への扉が少し空いており、隙間から子どもたちが覗いていた。
どうやら気になってずっと見ていたのだろう。
もちろんそれはオードウィン達にも見つかった。
「なっ………お前たち! 何してる!」
「ひぃ……」
こうして一週間という短い間、人とスケルトンの奇妙な共同生活が始まった。
もうすぐ平穏パート終り……。




