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第九話 存在理由

少し長くなった主人公の詳細はこれで終わり。


 無気力になったスケルトンに構うことなく人形は話しを続けた。


 「俺ハ、アルマ·アルタール。元藤崎健人ダ」

 「どういうこと……?」

 「藤崎健人ガ火事デ死ニ、コノ世界でアルマト言ウ女の子トシテ産マレ、再ビ死ンダ」

 「……」

 「ツマリソノ体ハアルマノ、私ノ物ダ」


 通りで若干背が低いと思ったわけだ。

 足の裏の肉がなくなって背が縮んだだけではないらしい。


 「ソシテ、俺ハオ前ニ元ノ体カラ追イ出サレテ、コウシテミズボラシイ人形に、身ヲヤツシテイルワケダ」


 それは悪いとは思っている。

 しかしだからといってこの体を返せる宛はなかった。


 「オ前、本当ニ何モ知ラナイミタイダガ、何カ覚エテイルコトハナイノカ? 化ケテ出テキタンダカラ未練クライアルダロ?」

 「……それが何もないんだ。なんで今まで気づかなかったのか不思議なくらい」

 「ソウカ……」


 便りとなるものがなにもない。

 産まれたばかりのようにまっさらだ。


 「……未練ガナク、縛ラレルモノガナニモナイオ前ハ、消エテシマウカモシレナイナ」

 「消える……」


 確かに未練のない幽霊など消えてしまうのが自然の摂理かもしれない。

 しかし、自分が何者かも分からずに消えてしまうのは酷く寂しく、とても怖かった。

 

 「ソコデ、ダ」


 静かに落ち込むスケルトンに人形は一つ提案をした。


 「俺ニ、申シ訳ナイト思ッテイルノナラ、俺ノタメニ生キテミナイカ?」

 「どういうこと?」

 「例エ、オ前ガ消エタトコロデ、俺ガソノ元ノ体ニ戻レル保証ハ、ナイ。ソレナラバ、俺ニ仕エ、オ前ガ代ワリニ、俺ノ未練ヲ晴ラシテクレ」

 「それを僕がいきる理由に――?」

 「ソウダ」


 自分のために生きられないのなら誰かのために生きる。

 それも悪くないかもしれない。


 「ソレガ、オ前ノ存在理由ダ」


 なんだかちっぽけな人形が頼りがいがあるように見えるような気がした。


 「努力してみる」


 なにも分からずに消えて行くよりせめて贖罪をしてから消えた方が気分は晴れるだろう。

 人形と話したことでショックは大きかったが自分がどういう存在なのか知ることで視界が開けた。

 ここからが新しい人生の始まりだ。


 「サテ、話ガマトマッタトコロデ、オ客サンダ」

 「え……?」


 そう言う人形の視線の先。

 そこには床板が持ち上がっていてその隙間から覗き込む4対の目があった。

 その目はスケルトンが隙間に気づいたと見るや否や引っ込んだ。


 「どうしたらいいと思う?」

 「ソレジャア、飼イ主トシテ最初ノ命令ダ。驚カシテヤレ」

 「イエッサー」


 スケルトンは命令を遂行するため、床板に手をかけた。


次は新キャラ出して週末までに盛り上げていく。

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