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光と闇 ―傷ついたものにだけわかるこの想い―

ピエロな私は、顔を歪めて笑った。

作者: 桐生桜嘉


――偽善者ぶってんじゃねーよ。



誰かがそう言った。


誰にも聞こえない、私にしか聞こえない大声(・・)で言った。




私は泣いた。


笑顔で泣いた。



誰にも見えない、自分にも見えない涙を流した。





独り、微笑む――――。




「ねぇ、あなた()は、だぁれ……?」










ねぇ、教えて。


勝手に涙が溢れてくるの。


“一人”になって、“独り”を感じて、笑みを浮かべたはずなのに、涙が出るの。



どうしてかな。


次々と涙が流れていくの。


視界が歪んで、世界が歪む。



おかしいな。


楽しいはずなのに、辛いの。


疲れてるのかな?


――わからない。



でも、人に会えば笑えるよ。



そう、笑える。……癖だから。笑える。




ピエロみたい――そう思った。



心から楽しいと、思ってるんだよ。



思ってるのに、どうしてかな。



一人になると、……独りになると、涙が溢れるんだ。




口に出してみた――「疲れちゃったよ」。



そしたら、壊れた。



壊れたピエロは、笑いながら、顔を歪めた。




私は言った――――「お前()なんか嫌いだ」。



そしたら、仮面が、外れた――――……


























「そんなこと、知ってるよ」


僕は、呟いた。




「君が泣き虫なの、僕は知ってる」




涙を拾った。




「君が君を嫌いでも、僕は君が好きだから」




――だから僕は、君の傍にいるんだよ。



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― 新着の感想 ―
[一言] 個人的にとても好きな作風で、「私」の気持ちを身近に感じながら読ませて頂きました。 気持ちを分かってくれる人がいて良かったなあ、と勝手に喜んでいます。 素敵なお話をありがとうございました!
2018/03/06 22:27 退会済み
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