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#20 魔界に輝く光 中編 

文字数が多くなってしまい、スミマセン…。

辺りが眩い光に包まれ、徐々に移動しているのが分かった。

下に広がる幾つもの図形は、魔方陣の役割を果たし、まるで虹のように一直線の光に形を変えていた。


「やりましたね!マゼル様!」


「ああ、本当に…」


ヴァールの喜びの声に、マゼルが笑みを浮かべる。

その表情に、周りに集まっていた魔界人達も次々と歓喜の声を上げた。


(……まだ、葵は此処に来ていないじゃないか。…なんで、なんで、そんな笑顔を作れるんだ!!)


悲痛な面持ちのまま手をグッと握り締め、俯く悠磨の肩に手が置かれる。

顔を上げれば、平然とした表情のイオゼリクがいた。


「あいつ等に悪気は無い…それにアオイは必ず戻って来る。そう、言ったのだろう?」


だがそう言ったイオゼリクの平然とした表情の裏に、彼もまた葵が心配でたまらないという感情が見え、悠磨は静かに頷いた。


「…ああ、そう…言った」


“絶対に戻るよ!ユウ兄の所に!!”

そう言った葵の声が、悠磨の中で繰り返される。


(大丈夫だよな…戻って来てくるんだろ……あおいっ!)


自分の意志が通じるように、悠磨は葵がいるだろう上空を見つめた。

だが、そこで目にした光景に、悠磨の顔から血の気が引いていった。


「に…っ!逃げろ…葵っ…。」


「ユーマ?」


「逃げろおおお!!!」


そう、叫んだ瞬間。弾かれるように誰もが上空を見上げた。

そこでは、大きく広がった闇に成す統べなく、一瞬にして飲まれていく…“白い光”を見た。


「そ…んな…嘘だ……」


ドサッと崩れ落ちるように膝を地に着き、息をするのも忘れ、悠磨は呆然と上空で蠢く闇を見つめる。

煩いほど鳴り響く鼓動。

吐き気がし、目の前が真っ暗になる感覚が悠磨を襲う。


(どうして…守るって決めたのに…っ…こんな…。あの時、無理やりにでも俺が止めていれば葵は…――葵はッ!!!)


歯を食いしばり、上を睨みつけた悠磨は、バッと勢いよく黒き翼を背に出現させる。

その手には大きな剣が握られていた。


「お待ちなさい!」


今にも飛んでいきそうな悠磨の前に、黒いドレスを翻したセイリーンが立ちはだかった。


「葵を助けに行くんだ!退いてくれ…!!」


剣を握りなおした悠磨の目には、闇へ対しての強い憎しみがあった。

それを見抜いてか、セイリーンは首を横に振ると両腕を広げた。


「いいえ、退きません!貴方も分かるでしょう、あの闇に一度でも飲まれたら…もう……」


「っ…まだ、わからないだろ!?」


声を荒げる悠磨に、セイリーンは苦痛な表情を浮かべる。


「これ以上、犠牲者を出したくはないのです…っ」


「!!…それは、葵を見殺しにしろってことか?」


「違います!…私は…っ!」


「同じ事だろ?!今動かないって言うのはそう言うことなんだよ!

これが、魔界のやり方だって言うのは…俺は裏切り者でも魔界人だから知っているつもりだ。けれど、何一つ変わらないのか?

葵を助けようって動こうとは思わないのか!!?」


悠磨の言葉に、セイリーンの表情に困惑の色が浮かぶ。

彼女だけじゃない。其処にいる魔界人全員が困惑、苦痛な表情を浮かべていた。

それを見た悠磨は怒りに身を震わせ、剣をセイリーンに向ける。


「……葵は魔界のことを全然知りもしないのに、それでも困っているならと、自分の力が助けになるならって…危険な事を買って出てくれたんだ!

そんな葵を…お前らは見捨てるのか。お前らのために葵が今ッ…!!」


「もう、いい…ユーマ」


悠磨からセイリーンを庇うようにイオゼリクが間に立った。

彼の背を頼もしく見つめるセイリーンと、彼の顔を絶望したように見つめる悠磨。


「イッくん…」


「アンタも、葵を見捨てるのか?」


「そんなことは一言も言っていない。」


イオゼリクは悠磨の剣先に近づくと、剣に手を触れた。

そしてそこから黒い光が剣を包むと、一瞬にして剣は消えた。


「な…!?」


手から剣が消えたことに驚く悠磨の隙をつき、イオゼリクは悠磨の背後に立つと首元に手刀で鋭い一撃をくらわした。


「ぐっ…」


「お前の言葉は正しい。だが、魔界人…いや全ての生き物には時間が必要だ。今までやってきたことをすぐに変えることは難しい…。

けれど、俺はお前と…アオイと共に変えていきたい、この魔界を。

だから……後は俺に任せてほしい」


崩れ落ちる悠磨をイオゼリクが支える。

その瞳には、キラキラと光る希望の色が宿っていた。

それを意識を手放す前に見た悠磨は、自分の

言葉が届いた人物がいた事に少し安堵した。


「…んだよ…良いとこ取りかよ…」


悠磨はフッと表情を和らげ、心の中で呟く。葵を頼む…と。


「セイリーン」


意識を失った悠磨を地面にそっと下ろし、イオゼリクはセイリーンに背を向け上空を見つめた。


「は、はい…」


その姿が、セイリーンにはある男と重なり、緊張したように返事をした。


「ユーマを頼んだ。」


「分かりました…ですが、何故──」


“悠磨を気絶させたのか”…と聞く前に、イオゼリクが答えた。


「ソイツはアオイをずっとあちらの世界で守ってきてくれた。だから今回は…俺がアオイを助ける。今まで守れなかった分を補いたい。

…それに、あそこに行って“飲み込まれる”のはアオイではなく…ユーマのほうだ。」


イオゼリクの言葉に、セイリーンも上空で蠢く闇の塊に目を向ける。

ゾッとする程おぞましい気配を漂わせたそれは、徐々に大きさを増しているように見えた。


「セイリーン様!もうすぐグランド・マリアの結界に接触します!」 


マゼルが結界外から視線を移し、声を張り上げる。

その声に反応するように、イオゼリクの手が光を帯びる。

その光は一直線に伸びると、剣の形に姿を変えた。


「必ず戻る。アオイを連れて…帰ってくる。……“二度も”失ってたまるか!」


───バサッ…!!


黒き翼は悪魔のようで、けれど神々しいまでに希望の光を携えた姿は天使のようだと…剣を持ち、空高く舞ったイオゼリクを、誰もが目を離すことなく見つめた。


「…っ!…ウェイズ…ッ」


ただ一人、セイリーンだけは涙を流し、イオゼリクに手を伸ばす。

その手を優しく取り、マゼルは首を振った。


「あれは…ウェイズ様ではありません。あの御方は……貴方のただ一人の血縁者、息子のイオゼリク様です。」


「分かっ…て、いるわ…けれど」


飛び立つイオゼリクの背中が、彼女の愛した者…彼女の夫であるウェイズの背中と重なって見えたのだ。

彼の…最後と同じ背中が。


「…イオゼリク、貴方はどうか…私の前からいなくならないで下さい…っ」


泣き崩れたセイリーンに、マゼルが寄り添い背をさする。


「大丈夫です。あの御方は…イオゼリク様は帰ってきます、アオナシエル様を連れて。絶対に!」


マゼルが見上げた時、結界に揺れが生じた。

それはグランド・マリアに無事接触できた事と、イオゼリクが結界の外に出たことを知らせたのだった。────




「此処って…やっぱり……闇の中なのかな?」


暗くどこまでも続く闇の中、私はポツンと一人立ち尽くす。


──ネクリスと共に闇に飲み込まれたと思った瞬間、フワリと体が浮き、ネクリスの温かさが離れていくのを感じ取った。

そして目の前が真っ暗になったと思った時には、今のように一人闇の中にいたのだった。


「ネクリス…。……どうしよう」


不安で押しつぶされそうな胸に手を当て、取りあえず足を踏み出してみると


──ピチャッ…


まるで水溜まりの上を歩いているような音が聞こえ、地面には波紋が広がる。


(………こ、これ…ホラー映画かなんかでみた!見たよ!?見ましたよ!!?)


顔面蒼白。とまではいかなくとも青くなっているだろう顔を手で覆い、そのままの体制で恐怖に体が固まり、動くに動けなくなってしまった。


「私…こういうのダメなんだよ?…お願い…ネクリス…ユウ兄……一人にしないでっ…!」


感情が溢れ、ハラハラと涙が頬を伝う。

耐えきれずしゃがみ込むと、涙が地面に落ちる。


──ピチャン…


するとまたも波紋が広がった。


『────…は間違っています!』


(…え?この声……アリルさん!?)


顔を上げ、目を開けば、自分の流した涙が作りだした波紋と共に声が広がる。


『グランド・マリアの人たちは、私達天界人と同じようにマリアの加護を受けた者達です!ですから、攻め入ろうなどと考えるのはやめて下さい!!』


大きな波紋からは、声を荒げるアリルさんの姿がスクリーンのように映った。


『何を今更…これはグランツェル様も認めて下さったこと。貴女には関係のないことだ』


『関係なくありません!私は天界の王の娘、そしてグランド・マリアを見守る者です。貴方の考えは、私達に力を与えて下さった創造主を…滅ぼそうとしているのと同じ事なのですよ!?』


白い大理石で出来た廊下のような場所で、二つの影が向かい合っていた。


『戯れ言を…。奴らはその“力”を使い、天界を襲おうと考えているのだ。

それが何故分からない!マリアノエル!!』


『…っ!!』


アリルさんと話をしている人物の姿は、靄がかかったようにスクリーンには映らなかった。

けれどアリルさんの肩を掴み、荒げた声には聞き覚えがあった。


(この声…前に夢で見た、炎の中にいた人の声だ!)


そう、結論付けた途端、アリルさんと話していた人物の姿が露わになった。

金色の髪を後ろで結び、赤色の瞳が印象的な、綺麗な男の人がそこにはいた。


『やられる前に手を打つことが、天界にとって有益だと…グランツェル様も了承したのだ。

貴女が姫であろうと、天界を統べているのは貴女の父君であるグランツェル様。

その意見に反対するのであれば……たとえ姫とて容赦はできない』


『………。』


黙り込んだアリルさんの肩から手を離すと、彼は憎らしげに言った。


『それとも、これもあの闇の者の差し金ですか?』


『…!』


闇の者と言われ、たぶんアリルさんの心には“イオさん”の姿が浮かんだのだろう。

その一瞬の変化に気付いた彼は、近くの壁にアリルさんを押し付けた。


『なに…を!』


『あの男が、貴女を唆しているのでしょう?所詮は魔界人、闇に支配された残忍な者と関わるのはやめろ!!』


ギリッと強く手首を掴まれ、アリルさんは顔を曇らせる。

けれど、彼と視線を合わせるとはっきりとこう言った。


『あの人は…違います!あの人は、魔界人であっても…敵ではない!!

私は……あの人を信じているから!』


アリルさんの蒼い瞳には、イオさんへの想いが輝いて見えた。


『ならば……大人しくグランド・マリアとあの男が滅ぶ所を見ているがいい!!!』

 

男が怒りを露わに、アリルさんへ呪文を唱える。


『な…っ…』


すると力を失ったようにアリルさんは、ずるずると座り込み、意識を手放した。

その彼女を抱え上げると、男は憎しみを宿した瞳で、遠くを見つめる。


『お前などに……マリアノエルは、渡しはしない。…すぐに片付けてやる、待っていろ…イオゼリク!!!』


そこで、波紋が消えた。


「…今の…なに?」


私が呆然と波紋が消えた場所を見つめていると、すぐ隣でまた波紋が広がった。


『アリルッ!!!』


必死に叫ぶその声は、もう聞き慣れてしまったイオゼリクさんのものだった。

そして波紋の中に映った彼の目線の先には、炎が燃え盛る部屋の中で、今にも炎の塊に当たりそうになっているアリルさんがいた。


『!!…イオッ!?』


イオゼリクさんは驚きを隠せない表情を浮かべた彼女を抱きかかえ、炎が当たる寸前で横に飛び退く。

彼らの後ろで、炎が爆発した。


『どうして…此処に…ッ!ケホッ、ケホッ!!』


『アリル!?…くっ!!』


腕の中で激しく咳き込むアリルさんを抱えたまま、イオゼリクさんは炎を投げかけた男を睨み付けた。


『また…お前か───アルクス!!!』


イオゼリクさんの叫びに、アルクスと呼ばれた男は不適な笑みを浮かべた。

その男の姿は先程の波紋が見せた映像の中の人物だった。


『ああ、イオゼリク…お前の方から我が元に来てくれるとは!!』


狂乱したような瞳には、イオゼリクさんとアリルさんの姿が映る。

アルクスは長い金髪を揺らし、笑みを浮かべ手を広げる。


『に、げて!…アルクスの狙いは、アナタなのよっ!イ、オ……』


部屋の中で燃え盛る炎の熱さと煙により、アリルさんの体力は限界のように見えた。

それでもイオゼリクさんの服を震える手で握りしめ、危険だと訴えかけた。


『くっ…そぉ!!』


煮えたぎる怒りを抑え、イオゼリクさんはアリルさんを抱えたまま、魔法を発動させた。


それは転移の魔法だったのか、黒い光が彼らを包んだかと思った瞬間、彼らの姿は光と共にその場から消えたのだった。───


そこで波紋も共に消え、それからは波紋が広がろうとも映像は映し出されることはなかった。


「今の…話、前にどこかで見た気がするのは…どうしてだろう?」


《それは貴女様が天界にいたからです。》


「っ!?」


私の呟きに、返事とも取れる声が闇から聞こえたと思った瞬間、目の前に一筋の光が差す。

そのスポットライトのような光の柱からは、天使のように白い翼の生えた人物が舞い降りた。

その翼は、天界人の象徴。


「お久しぶりで…あ、いえ。もうお会いしましたね…アオナシエル様」


その人物は恭しく頭を下げる。

けれど私はその人物を見て、後ずさる。

何故なら、目の前にいるのは先程見た金髪の男性…アルクスという人だったから。


「おや、何やら顔色がお悪いようですが…大丈夫ですか?」


「さ、触らないでっ!」


スッと顔に伸ばされた手を弾こうとするも、その手は空を切り、何も叩くことはなかった。

その事に驚き、目を見開く私を見て、アルクスはやれやれと肩をすくめる。


「どうやら嫌われているようですね…。けれど、私はアナタ様を助けに来たのですよ?」


「…助けに?」


その言葉に、警戒以外の感情は抱かなかった。

それが解ったのか、アルクスはゆっくりと口を開く。


「警戒しないで頂きたい。そもそも、先程の映像が真実とは限らないでしょう?」


「………。」


目の前の浅く笑う男の言うことを、信じるつもりもなかった。

けれど、私の耳は嫌でも彼の声を拾う。


「あれは…アナタ様を“誘拐”した者の魔法なのですから。」


「ゆう、かい…?」 


「その記憶も無くしてしまったのですね…可哀想に…。あの男共に消されてしまったものは取り戻せませんが、私が無くした部分の話をして…」


「待って!!」


私は、次から次へと入ってくる彼の声と言葉を止めたくて、自分でも驚くほど大きな声を上げてしまった。


「どうしたのですか…アオナシエル様?」


「誘拐とか、あの男達って…ユウ兄やイオゼリクさんのことを言ってるの?

ユウ兄が…ううん。自分の妹をわざわざ誘拐する兄なんかいるわけないじゃない。…それにイオゼリクさんだって、私を助けてくれた。悪い人なんかじゃ…!」


「本気でそう思っているのですか?」


彼の言葉にビクッと、体が揺れる。


「妹…と先程仰いましたが、アナタ様に兄弟はいません。」


(……え?)


「アナタは“地球”で生まれたと?馬鹿言わないでください。あの男達、ユーマ、マサキはアナタを誘拐した張本人です。そして、それを指示したのが…イオゼリク・ナイトアモン」


(…うそ、だよね…?)


混乱する頭に浮かんだのは、優しく笑いかけてくれるユウ兄と政稀兄さんの顔。

あの笑顔は嘘だった?

そして、何度も私の悲しい気持ちを払ってくれた…イオゼリクさんも?

そんなはず無いのに、私の中には不安だけが広がっていく。


「信じられませんか…。ならば、これはどうです?アナタ様の…“両親”について。」


「っ!!」


両親。その言葉に私はある疑問が浮かんだ。


“俺達は人間じゃない”確かにそう言ったユウ兄達。

だったら、妹である私も人間じゃないのでは?…そう思ったから、魔法の存在を少し理解する事が出来た。

だけど…


(なら、私達を産んで育ててくれた…お父さんとお母さんは?…人間じゃないの?)


不安と困惑。

私の心は引き裂かれそうに、痛む。

だけど…私は一つ深呼吸をして、アルクスを真っ直ぐに見つめた。


「両親について…。私はそれ以上先を聞くことはしません。」


「なに…?」


ピクッとアルクスの眉が動く。


「たとえ、誘拐されたり、記憶を消されていたりしていたとしても…私が見てきた、出会ったあの人達に…嘘は無いと信じます。」


(真実かどうかは、私自身がユウ兄達に確かめればいい。)


心に広がる不安を、私は自分で振り払う。

この世界にきてから、私は泣いてばかりだった。

だけど、イオゼリクさんが一人で抱え込むなと教えるように、何度も助けてくれた。


けれど頼ってばかりはいられない。

私自身が、強くならないといけないのかもしれない。そう、思った。


次の瞬間、先程叩くことの出来なかった手が、私の首を掴み、締め上げた。


「く…あぅ!!?」


「アナタ様も…アイツを信じるだと?…奴は闇の王にして、悪しか持たぬ残忍な魔者だ。それを…お前までっ!」

 

ギリギリと強さを増す手に、私のもがく手はすり抜け、掴むことが出来ない。

アルクスの瞳に、最早理性は無かった。


(くる、しい…ユウ兄…───イオさんっ!!)


足が地を離れ、目の前は霞み始めた。抵抗しようとする体から、力が抜け落ちそうになる。


───アオイッッ!!!


その時、強く名を呼ばれた気がした。

そして一筋の線が、私とアルクスの間に描かれる。


その瞬間、苦しさから解放され、体が崩れ落ちる。

けれど逞しく、温かな腕が私を抱き留めてくれた。


「イオさん…」


見なくても分かった。

ギュッと抱き締めてくれているこの温かさを、間違えるはずはない。


(本当に…呼んだら来てくれるって……凄いですね、イオ…さん)


私に名を呼ばれ、安堵の息を吐くと、イオさんから凄まじい殺気が放たれる。


「…アルクスッ!!!」


暗闇の中、イオさんの剣が輝く。

それは彼の瞳と同じ…優しい銀の光だった。








此処まで読んで下さり、ありがとうございます!


「魔界に輝く光」は、前・中・後でいこうと思っております。

えっと、なので次回は後編です!


是非読んでみて下さい!

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