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「ひぁっ」
ドスン
「何だっ!?」
「まさか、サーペント!!?」
「きゃーっ!!」
突然の出来事にデミは小さく悲鳴を上げて尻餅をついた。ビーチのあちこちでも、集まってきていた学生たちの間でざわめきが広がる。
「マナーーーー!!!」「マナさん!!!!」
何かに気づいたミレイとカルネが、回れ右をして一目散にあたしの方へ駆け戻ってきた。
「魔法の試し撃ちをする時は、みんなに予め警告してからにして。いきなりぶっ放しちゃダメっ」
「一応、海には誰も入ってないことは確認したんだけど……」
「あの規模だと、海の中だけじゃなくて、ビーチにいる人まで影響が出ちゃいますわっ」
「それはそうでした。ごめんなさい」
うう。軽い気持ちだったのに、ミレイとカルネの両方から怒られてちょっと凹んだ。
「皆さーん。ご迷惑をおかけしてまーす。今のはマナさんの魔法の試し撃ちでしたー。サーペントではありませーん」
向こうの方でシシーがビーチの学生たちに大声でアナウンスしている。申し訳ない。
「なんだ、女王様か」
「女王なら仕方ない」
「女王様だしね」
そして、それで納得する学生たち。一体、あたしのパプリックイメージはどういうことになっているんだろう?
とりあえず、吹き上げられて足元に落ちてきた魚介を晩御飯の材料にするべく道々拾い集めながら、デミとシシーの下へと歩いていった。
「ビーチバレーしませんか?」
それを言い出したのはデミだった。1時間ほど海の中で泳いだり、海の上を走ってみたり、ゴーレムに砂の城を作らせてみたりして遊んで一休みしている時のことだった。
すっかり水に濡れてしまったTシャツを脱いで魔法で乾かそうとしたら、「それを乾かすなんてもったいないです」とカルネに止められ、今は結局ビキニだけになって、ゴーレムに作らせた砂の城の中の日陰で涼んでいる。
ミレイはようやく本来の目的を果たすべく、さっきからシシーと2人で、波打ち際で水を掛け合ったり、砂浜に並んで座って語り合ったりと青春を謳歌しているようだ。
「いいですねっ。是非やりましょうっ」
「ビーチバレーってどんなルールだっけ?」
「1チーム2人でやるバレーということでいいと思います」
「1チーム2人か。じゃあ、ミレイたちも呼んだほうがいいね」
砂浜でいちゃいちゃしていたミレイとシシーに声をかけたら、すぐに駆け寄ってきた。




