表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/130

魔法学101 その3

あたし「みなさま、お待ちかねの「魔法学101 第3回」の授業です」

俺「パチパチパチ」

あたし「話別のアクセス数を見ると、魔法学101のところだけ凹んでいるという事実なんかには負け……、負けないんだからぁっ(泣」

俺「負けてるじゃん」

あたし「今回は趣向を変えて、トルニリキア魔法学園のことを少し説明しようかなと思います」

俺「それって魔法学なのか?」

あたし「細かいこと気にしてるとハゲるよ」

俺「…………」

あたし「トルニリキア魔法学園は、クプーティマ王国が誇る魔法学研究の最高権威で、かつ、0歳児からのエリート魔法使い養成教育機関です」

俺「0歳!?」

あたし「そうよ。特に、あたしもそうだけど、寮生の半数以上は0歳から親元を離れて学園に預けられてるのよ」

俺「なんでまた?」

あたし「魔法教育における早期教育の重要性ってのも理由の一つだけど、実は一番重要なのはそこじゃないわ。本当に重要なのは、魔法使いの能力は遺伝に依存する部分が多いっていうことなの」

俺「よくわからないけど、それが何か関係するのか?」

あたし「カインリルがあたしのことを優秀な魔法使いの血とかなんとか言ってたけど、実際、魔法使いの人数と能力は国力に大きく影響するの。でも、優秀な魔法使いほど激務に晒されていてじっくり子育てをする時間が取れないっていう問題もあるのね」

俺「だから、そういう魔法使いの親から子どもを預かって代わりに育てるのか。それは、また極端な」

あたし「でも、いずれにしても、トルニリキア学園に通学するにはトルン市に住まなきゃいけないけど、それが現実的じゃない親の方が大半なのよ。それに、魔法教育は少なくとも初等部入学時点からは初めないと遅いとされてるから」

俺「なるほどね」

あたし「もちろん、小さい頃に親元から離すことに抵抗のある親もいて、初等部入学時点から寮に入る生徒や、トルン市に引っ越してくる家族もいるわ。それは親の考え方次第よ」

俺「寮に入った後はどうなるんだ? 時々里帰りとかするのか?」

あたし「トルニリキア魔法学園の場合、寮に入った時点で親子の縁は切れるの」

俺「ええっ」

あたし「魔法使いは兵士になっている人もいるわ。その中には殉職する人も。だから、寮生には少なからず孤児がいるの。でも、寮に入ったら寮が家になって親のことは口にしないってことにしてるのよ。それに、親の地位や財力を傘に着る生徒が出てこないようにっていうのもあるみたい」

俺「そういうのは一般的なのか?」

あたし「いや、多分、そこはむしろトルニリキア魔法学園のほうが特殊で、他の学校だと寮に入っても親の援助を受けるのが普通みたいだけど」

俺「そうか。って、じゃあ、もしかしてマナは自分の親のことは」

あたし「知らないわ」

俺「へー」

あたし「ヘータだって親のことなんて知らないんでしょ」

俺「俺は猫だからな」

あたし「猫だって普通は親に育てられるのよ」

俺「そうなのか?」

あたし「さて、寮の話はここまで。次は学校生活の話ね。1学年は2学期制になっていて、1月から6月が春学期、7月から12月が秋学期です。学期の変わり目にはそれぞれ1ヶ月の長期休みがあって、冬休みは12月16日から1月15日、夏休みは6月16日から7月15日になります」

俺「ちなみに暦は太陽の動きに連動してて、1月1日が冬至で、4月1日が春分、7月1日が夏至、10月1日が秋分ってことになってるからな」

あたし「後、春分と秋分を挟む1週間はトルン市のお祭りで、授業はお休みです。でも、その期間中は学園でも学園祭が行われてるから、みんな普段よりもっと忙しいんだけどね」

俺「ま、その辺はどうせ作者が手の込んだお話を書くだろうからその時にまた説明するだろうさ」

あたし「最後は、授業のコース分けの話です。大雑把に魔法教育は戦士職、生産職、情報職、医療職の4つのコースで構成されていて、高等部入学の時点でコース分けが確定します」

俺「戦士職って言えば、マナにバドアスにシシーだろ? 生産職がミレイで、情報職がカルネ。医療職って誰かいたっけ?」

あたし「まだ誰も登場してないわ。今後のお楽しみね」

俺「あ、でも、ミレイって精神安定魔法とか使ってたけど、あれは医療系の魔法じゃないのか?」

あたし「医療系よ。でも、医療系の魔法を使うのに必ずしも医療職コースを取る必要はないのよ」

俺「そんなものなのか」

あたし「後、中等部の段階では、まだコースは4つに分かれていません。代わりに、魔法コースと物理コースの2つが設けられています」

俺「物理って、魔法使いなのに?」

あたし「魔法ってのは最終的には物理的な現象を引き起こすんだから、物理の知識も大事なのよ。特に、時間や空間的に距離を空けて魔法を発動させたり継続魔法を多用したりする生産職や情報職には必須の知識なのよ」

俺「あー、そういうこと」

あたし「もちろん、魔法コースでも物理は必須の科目だけど、魔法コースは魔法の実技に重点を置いていて、物理コースは物理の基礎理論の習得に力点があるのが違いね」

俺「今の話からすると、生産職と情報職志望の生徒が物理コースを取って、戦士職と医療職志望の生徒が魔法コースを取るのか」

あたし「ま、基本的にはそうね。ただ、中等部3年の半ばくらいまではまだ志望が決まってない生徒も多いから、そういう人は大抵魔法コースを取ってるわ」

俺「魔法使いだからな」

あたし「というわけで、第3回はトルニリキア魔法学園についてお送りいたしました。次回は魔法の種類についてです」

俺「あれ、次回があるんだ」

あたし「うん。なんかあるらしいよ」

俺「きっと設定が複雑すぎて本編で回収し切れてないんだな」

あたし「ではまた次回。バイバイッ」

次話は今日の夜中に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ