人物紹介と次回予告
俺「酒だ。酒持ってこーい」
あたし「何、昼間っから酒飲んでんのよ。大体、あなた子猫じゃなかったの?」
俺「なんか、作者にニャ○コ先生のマネをしてくれって、今さっき一升瓶を渡されたんだよ」
あたし「何やってんだか」
俺「後、なんか赤いスカーフも渡されたんだけど」
あたし「無視しときなさい。そんな事より始めるわよ」
俺「お、もうそんな時間か」
あたし「今日のゲストは3人です」
俺「パチパチパチパチ」
あたし「1人目のゲストは、……、カインリルだと思った? 残念。学園長先生でした」
学園長「学園長のニーシャ=トルン=ヴィッツィーです。初代アーリン=トルン=ヴィッツィー公より5代目の学園長であり、現ヴィッツィー公爵家当主です」
俺「うぉ、お前も公爵だったのか。公爵多いな」
学園長「初代のことをトルン公って呼んでたのに気づかなかったの?」
俺「そういえばそんな記憶も」
学園長「ちなみにトルン市の名前はトルン公から取ったもので、トルンというミドルネームは公爵家が認めたものしか使えないことに決まってるのよ」
あたし「学園長は公爵家の当主がなると決まってるんですか?」
学園長「決まってるわけじゃないけど、そういう慣例になってるわね。ま、こんな面倒な仕事、他にやりたい人がいるわけでもなし」
あたし「面倒なんですか?」
学園長「面倒よー。学園長ってのは学園の業務全般が円滑に進むように管理監督する仕事だから、校庭の草むしりまで究極的には私の管轄なのよー」
あたし「でも、研究とか教育とかの内容を決める権力も持ってるんでしょ」
学園長「あー、無理無理。教育内容なら多少は口を挟めるけど、研究なんてみんな勝手にやってるだけだから、私の言うことなんて聞いてくれるわけないじゃん。私のところに回ってくるのは、問題が起きた後の尻拭いだけなんだからっ」
あたし「苦労してるんですね……」
俺「それはそうと、公爵家の当主ってのはそんなに若くてもなれるもんなのか?」
学園長「ふふふ。私、何歳くらいに見えるのかしら?」
俺「え? せいぜい20代半ばだろ。20歳って言ってもそうかなって思うくらいで」
学園長「私の研究テーマは不老長命の魔法なのよ」
俺「何っ!」
学園長「あ、今度、ニーシャ・ラーマの新作化粧品が出るからよろしくね」
俺・あたし「おいっっ」
あたし「気を取り直して、次はお待ちかねのカインリルの野郎です。けっ」
カインリル「やあ、待たせたね、マナ、僕の麗しのあなた」
あたし「さっさと自己紹介しないと次章に出演できない体にするよ」
カインリル「僕はカインリル=アズレント。ハンセタール王国アズレント公爵家の次男で次期公爵家当主だ。今は高校1年生で王立プレミュール校に通っている。そして、マナの未来の夫……、げふぅっ」
あたし「真面目にやらないと本気で殺るからね」
カインリル「僕はいつも真面目……、分かりました。すみませんっ」
俺「ところでさ、なんで次男なのに次期当主なんだ?」
カインリル「僕の兄は魔法があまり得意ではないんだ」
俺「よく分からないな」
カインリル「クプーティマ王国の、しかも猫には分からないことかも知れないけど」
俺「殺すぞ」
カインリル「ハンセタール王国の貴族は魔法が使えることが最も重要な条件なんだよ。たとえ優れた人柄でも実務能力がどれだけ高くても、魔法が使えなければ後継者からは自動的に外されるんだ」
あたし「そんなに厳しいの?」
カインリル「そうだよ。これは公爵家だけの問題じゃなくて、国として優秀な魔法使いを優遇して集めることで国力を強化するという意味があるからね。貴族の範となる公爵家がそれを率先して破るなんてことはありえないよ」
あたし「ハンセタールの魔法使い至上主義もそこまで徹底してると呆れるわね」
カインリル「だけど、魔法使いは国にとって貴重な資源なんだ。何らかの方法で囲い込もうとするのは当然じゃないか」
あたし「はいはい。次っ」
俺「……。ノルフレド先生、出番ですよ。ノルフレド先生」
ノルフレド「……、あ、申し訳ない。ちょっと考え事をしていたもので」
俺「大丈夫っすか。顔色悪いですよ」
ノルフレド「いや、大丈夫です。ありがとう。わたしはノルフレド=ウォンビー、ハンセタール王国王立プレミュール校の教師で今回の学生交流使節の引率をやっています」
あたし「質問なんですが、学生交流というのはどうしてやっているんですか?」
ノルフレド「王立プレミュール校とトルニリキア学園はそれぞれの国で最も優秀な魔法使いが通う学校で、その卒業生たちはやがて国を率いていく立場に立つわけです。そんな子どもたちが狭い視野に陥ってしまうことのないよう、特に優秀な生徒を選抜して国の外を実際に体験させることで広い視野を獲得させようという狙いです」
あたし「むむむ。つっこみようのないガチな理由をありがとうございます」
ノルフレド「学生交流は訪問する生徒は当然ですが、受け入れる側にも刺激になります。学生交流をきっかけに他国のことをより深く勉強し始めるということもあるんです」
あたし「まあ、それはありそうな話ですよね」
俺「ところでノルフレド先生も貴族なんですか?」
ノルフレド「ええ。一応、貴族の末席につかせていただいています。爵位を頂いているわけではありませんが、王を主と頂かせていただいております」
あたし「ありがとうございました。本日のゲストは学園長先生、カインリル、ノルフレド先生の3人でした。3人に拍手」
俺「わー。パチパチパチパチ」
あたし「すごい。今回は驚異的にスムーズに終わったよー。おつかれさまー」
俺「マナ、マナ、まだ次回予告が終わってないから」
あたし「しまった! 今のなし、今のなし」
俺「無理だよ。生放送なんだから」
あたし「うがー」
俺「次章は「親善試合<後編>」です。とうとうマナとカインリルの試合が始まりますが、そこで起きる事件、うごめく陰謀、生き残るのは誰だ、みたいな感じでお送りします」
あたし「そっかー、ヘータ死んじゃうんだ」
俺「えっ? うそっ、死なないよっ……、いや……、そう思うけど……、死なないよね……、作者?」
あたし「ヘータの最後の勇姿を楽しみにしてください」
俺「作者ーーー」
あたし「次回投稿は1、2週間後になるそうです。お楽しみにっ」
今のところ9話くらいまで書けていて、例によって一旦最後まで書き上げてから校正しつつ投稿していきます。




