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俺は猫×あたしは魔女  作者: 七師
親善試合<前編>
40/130

08

 パーティの後は平常通り午後の授業が行われた。中には身が入らなさそうな顔をしている学生もいたが、あたしにとっては授業がなくてもどうせやることには大差ないので特別苦にはならない。ただ、少しだけ授業中にヘータの耳をいじっている時間が長くなった気はするが。


 「マナ、どういうことなの?」


 授業が終わった後、あたしはミレイに人気のない所に引っ張って行かれて、詰問されていた。言いにくい事情があると察して放課後まで我慢して待っていたらしい。


 その場所とは礼拝堂で、さすがのカルネも罰当たりだと思うのかはたまた気を使うのか、ここまでは監視の目を光らせないので、学園内で誰にも聞かれたくない内緒話をするには最適な場所だ。もっとも、普通の人ならここまで気を使う必要なんて初めからないはずなんだけど。


 「何のこと?」

 「とぼけないでよ。カインリルさんのことよ」


 あたしは静かにため息をついた。こういう目をしているときのミレイはあたしがどれだけとぼけても絶対に退いてくれないことを経験上知っているのだ。


 「さあね。きっとあたしの実力を聞いてプライドが刺激されたとかそういうことじゃないの?」

 「僕は試合のことを聞いてるんじゃないよ。2年前の件のことを聞いてるの」


 ダメモトでとぼけてみたけれど、案の定話を戻されてしまった。仕方ない。


 「求婚されたのよ」

 「……球根?」

 「もうこの話は終わりにする?」

 「ああ、待って待って。2年前って君はまだ初等部の6年の時じゃない。それで求婚?」

 「そうよ」

 「ロリコンだ!」

 「そうかもね」


 あたしはそっけなくロリコン疑惑に同意しておいたが、あの時はカインリル自身も中等部2年だったのでその件についてはギリギリセーフなんじゃないだろうか。ま、中2で求婚しているという時点で他の面でいろいろアウトだとあたしは思うけど。


 「で?」

 「何?」

 「その後。どうしたの? 何て返事したの?」

 「断ったわよ。当然でしょ」

 「ええーっ、なんで、勿体ない。玉の輿じゃん」

 「あなた、今、ロリコンって言ったばっかじゃん」

 「だって公爵家の跡取り息子だよ。しかも容姿端麗文武両道。多少ロリコンでも全然問題ないよっ! それに、マナは発育いいほうだったし、多分軽度だよ、軽度」

 「やかましい!!」


 ミレイのあけすけな指摘に、思わずあたしは胸を腕で押さえる。しょっちゅうヘータにネタにされるこの胸だが、たしかに同学年の娘たちと比べてもちょっと大きい。思い出してみれば初等部の6年の時にはすでにブラを毎日着けていた記憶がある。


 「そんなことはどうでもいいの! 問題はそこじゃないでしょっ」

 「ロリコンじゃなかったら何が問題だったのさ」

 「だからっ、……、2年前だったのよ、それがあったのは」

 「あっ、……、そっか、2年前だったんだ。…………」


 あたしとミレイの間にしばしの沈黙が流れる。お互い、次の言葉を探そうとするがうまい言葉が見つからない。ヘータはそんなあたしたちに関心があるようなないような、少し離れた机の上に座ってあくびをしながらこっちを向いていた。


 「……、そっ、それだけじゃないのよ。あいつ、あたしにその時何て言ったと思う? 『クプーティマの優秀な血を公爵家に迎えたい』よ。あたしは遺伝子じゃないっての」

 「……、でも、もう2年も経ったんだよ?」

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