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魔法学101 その2

あたし「次は魔法生物です」

俺「あ、俺、興味ねぇ」

あたし「興味の問題じゃないです」

俺「だって、あいつら弱いんだもん」

あたし「これは授業なんだから、ちゃんと聞いてください。魔法生物というのは体内に魔力を有している生物のことです」

俺「ちなみに、生物ってことは動物および植物ってことな」

あたし「魔法生物というのは魔力の有無だけで決まるので、それが魔法的現象として発現するかどうかは無関係です。だから、ただ魔力を持っているというだけの生物もいます」

俺「質問ー。魔力を持っているのは生物だけですかー」

あたし「少ないですが、無生物で魔力を持つものもあります。魔力を持つ鉱石は魔石と呼んだりします。後、厳密に言えばすべての物質は魔力を持っているので、魔法生物や魔石とそれ以外のものの違いは濃度の差と言うこともできます」

俺「質問ー。魔法生物はなんであんなに弱いんですかー」

あたし「そう思ってるのはヘータだけです」

俺「じゃあ、魔法生物はなんで魔法を使えないんですかー」

あたし「理力がないからに決まってます」

俺「ですよねー」

あたし「厳密に言うと、体内の魔力を遺伝的に獲得した方法で行使する程度の理力は持っていて、それが種固有の特殊技能になるんです」

俺「つまり、オロンのやつはバカだからせっかく魔力を持ってるのにバカの一つ覚えでブレスを吐くことしか魔力を使う方法を知らないってバカってことでOK?」

あたし「そんなバカの一つ覚えみたいにバカばかり連発してると本当のバカに見えてきますよ」

俺「だめだ。バカがゲシュタルト崩壊した」

あたし「バカ……」

俺「……」

あたし「じゃあ、そんなおバカさんに質問です。人間は魔法生物ですか?」

俺「ライフライン使います。50:50フィフティ・フィフティで」

あたし「意味ないし」

俺「No!」

あたし「正解。人間は体内に魔力を持っていないので魔法生物ではありません」

俺「代わりに人間は理力を持っていて、自然界に普遍的にある魔力に働きかけて魔法を行使すると、ずばり言いたいんだな」

あたし「そんな勝ち誇ったように言われても。合ってますけど。そんなわけで、研究者の中には人間のことを理力生物と呼ぶ人もいますけど、まあ、あんまり一般的ではないです」

俺「ちなみに、俺も人間と同じで魔力はない代わりに理力で魔法を使う口なのだ」

あたし「猫が魔法を使うなんて聞いた事ないけどね」

俺「ふっふっふ。それだけ俺が特別な存在だってことだ。だから、本来ならもっと丁重に扱われてもいいはずなんだぞ。主にご飯のこととか」

あたし「やっぱり不思議だから、もうちょっと調べさせてもらいましょう」

俺「え、あ、ちょ、ちょっと」

あたし「うわー、暖かくて柔らかくて気持ちいー」

俺「こ、こら、何する、やめ、どこ触って、きゃう」

あたし「この先端のとことか可愛いよね。なんかこりこりしてるし、変な動きするし」

俺「やぁ、しっぽ……」

あたし「じゅる。あ、よだれ垂れちゃった」

俺「やめんかゴルァッ!!」

あたし「ひうっ」

俺「教師が生徒に手を出すとか、何を考えてるんだお前は」

あたし「えー、ただ、あたしは子猫ちゃんとスキンシップを図ってただけなのにぃ」

俺「一分前と言ってることが違うじゃないかっ」

あたし「あ、間違えた。健全な学術調査なんだよ。学術調査」

俺「嘘つきやがれこのやろう」

あたし「あー、そんなことしてたらもうそろそろ時間終わっちゃうじゃない。まだ、魔法陣のこととか説明してないのに」

俺「大丈夫。頑張れば3行で説明できる」

あたし「1行は何文字までですか?」

俺「もう1行使ったぞ」

あたし「しまったぁ」

俺「2行」

あたし「ま、魔法を行使するには主に結印か魔法陣を使いますが、結印はリアルタイムで魔法を構築して起動するのに使って、魔法陣は時間を掛けて複雑な魔法を構築して起動するのに使います」

俺「ぎり3行だったな」

あたし「さらに詳しい話は次回の魔法学101のお時間で」

俺「続くのかよ」

あたし「作者さんの気分次第です」

これで本当に今年の更新は終わりです。……のつもりです。


閑話で書ききれなかった小ネタに、「ヘータ」の由来というのがありまして、別に日本語の「平太」とかいうオチではなく、古代ギリシャ文字にそういう文字があったのでした。


ところで、2章では食べ物の名前とか現実世界のものをばんばん出しましたが、世界観と矛盾しなければ現実世界の普通名詞は普通に使っていくと思います。逆に、固有名詞や魔法生物の名前は、現実世界にありそうでなさそうなものを考え出そうとしています。


例えば、マナ=プラー=クジョーは日本語を想起させる名前に、プラハを想起させるミドルネームを入れて作りました。

ミレイ=リュフ=ヤンはいかにも中国っぽい感じ、カルネ=エンヴォ=ニョークは名前はスペイン系な雰囲気に、バドアス=ディグ=ラマーツァは名前は英語っぽいですが苗字はインドのようなイタリアのような。シシー=エンヴォ=リッリはシシーはSassyという玩具メーカーからでリッリは小惑星の名前で由来はフィンランドの人名です。


個人的な名前のお気に入りはカルネです。響きが好きです。


では、ほんとのほんとにまた来年、よろしくお願いします。

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