表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/130

魔法学101 その1

俺「あれ、まだ閑話続くの? さっき良いお年をとか言っちゃったよ」

あたし「大丈夫。それを言ったのはミレイとシシーだけだから。作者さんから魔法学101というのをやれって言われてたの思い出した」

俺「な……。101って何?」

あたし「よく分かんないけど、入門講座って意味なんだって」

俺「へー」

あたし「ってわけだから、あたしが先生であなたが生徒ね」

俺「なんで俺がお前に教わんなきゃいけないんだよっ」

あたし「なんでって、可愛い女子中学生が先生のほうが絵的に美味しいからでしょ」

俺「いや、子猫先生にも根強い需要があると思うけどな」

あたし「はあ~い、それでは、魔法学101の授業を始めたいと思いまあ~す」

俺「へいへい」

あたし「じゃ、そこの子猫ちゃん。質問です。魔法を構成する2大要素は何でしょうか?」

俺「マナとヘータだ」

あたし「……」

俺「……」

あたし「…………」

俺「…………」

あたし「正解!」

俺「ミリオネアかっ」

あたし「現在、最も有力な学説によると、魔法は魔力マナ理力ヘータの相互作用で引き起こされると考えられています。それによると、魔力は魔法的現象を引き起こすエネルギー源とされ、理力は現象の発現を制御する因子だとされています」

俺「つまり、マナは力だけがありあまってるバカですぐに暴走するから、俺がちゃんと監督して指示してやって初めてまともな仕事ができるってわけだ」

あたし「勝手なことを言うな」

俺「イテッ」

あたし「では、次の質問です。魔法の属性は何種類あるでしょうか?」

俺「分かりません」

あたし「正解です。ついでに解説もお願い」

俺「お前、先生じゃないのかよ」

あたし「ちょっと、喉乾いた」

俺「ったく。魔法の属性は一般的には火・水・風・木・土の5属性があるとされてるけど、これは体系化された今の主流の魔法学がこれを採用しているというだけで、この分類に当てはまらない魔法があることも知られてるんだよ。これでいいか」

あたし「はい、よくできました。ちなみに魔法戦の場合、防御魔法の仕組み上、この5属性以外の魔法を使うメリットはありません。防御魔法は速度重視なので、発現に手間のかかる体系外魔法は向かないのです。また、攻撃魔法は防御魔法と属性が一致しないと簡単に防がれてしまうので、防御魔法が5属性に限定されている以上、攻撃魔法も5属性以外を使う意味がありません」

俺「せんせー、質問ー」

あたし「なんですか、子猫ちゃん」

俺「どうして攻撃魔法と防御魔法の属性が一致しないと攻撃が防がれてしまうんですか?」

あたし「答えを知ってるだけあって、いい質問です。それは魔法の属性間の相互作用のためです。そもそも魔法の属性とはどうやって決まるのか知っていますか?」

俺「理力が決めるに決まってるじゃないか」

あたし「そうです。魔力にはもともと属性はなく、それを魔法的現象として発現させる過程で属性が決まります。そして、その属性を決定しているのが理力による制御なのです」

俺「とすると?」

あたし「2種類の魔法がぶつかった時、お互いの属性が違うと理力による制御が干渉しあって魔力が制御できなくなり、魔法的現象が消滅するのです」

俺「つまり、俺の理力が火になれって命令してるのに、マナの理力が水になれって命令すると、間に挟まれた魔力は火になったらいいのか水になったらいいのか分からなくなって、結局全部諦めちゃうってことだな。根性なしだな」

あたし「いやいや、根性関係ないし」

俺「待て待て。俺は水属性の魔法で身体強化してるから、風呂に入ると魔法のコントロールが利かなくなるって設定だけど」

あたし「設定言うな」

俺「じゃあ、そういうキャラになってるんだけど、それはどういう理屈で説明されるわけ?」

あたし「ぎく。え、えっとねー。せ、先生だってなんでも答えられるわけじゃないんですよっ」

俺「(ジト目)」

あたし「わ、分かんないんだもん、仕方ないじゃない」

俺「ま、最新の研究でも結論が出てないんだから仕方ないか」

あたし「何よ、偉そうに」

俺「一応、有力な仮説だと、あらゆる物質はその状態を『合理的に』保つように理力による強制力が常にかかっていると考えられて、その理力と干渉するんじゃないかって言われてるんだ。この場合、属性は同じだから消滅するのではなく制御できなくなるってことだな。問題はその仮説を証明する手段がなくてまだ仮説のままってところなんだよ」

あたし「へー。ヘータって、妙に物知りだね」

俺「ま、伊達に子猫やってないからな」

あたし「いやいや、子猫関係ないし」

俺「じゃ、次どうぞ」

あたし「その前に、CMどうぞっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ