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俺は猫×あたしは魔女  作者: 七師
サバイバル実習<後編>
110/130

11

 翌日は、再び例の洞窟の前まで来ていた。同行しているのはヘータとデミ。


 デミの証言の他に、カルネにトルニリキア学園の関係者全員にアリバイがあることを確認して、犯人がこの無人島に住み着いた学園関係者以外の誰かという裏を取ってある。


 今日はその誰かの残した生活痕を探すことを第1の目標にして、もし可能ならば犯人の捕獲までいきたいところだ。


 ちなみに、残りの4人はバドアスとカルネ、シシーとミレイのそれぞれでペアになって別のところを探索している。


 2人ずつペアにしたのは戦力の問題だ。相手は結構な魔法の使い手である可能性が高いので、ペアにすることでユニット単位の戦力を強化したのだ。


 あたしが洞窟に来たのは昨日感じた不思議な気配のことを確認しておきたかったからだ。あたしの勘ではあれは犯人だったに違いないと思う。


 「デミは、ここで待っていていいよ」

 「待って。あたしも行きます」


 昨日の醜態のことを考えて言ったのだが、デミは頑として拒否した。


 「昨日みたいなことにはならないです。もしなったら途中であたしを置いていってもいいですから」


 まあ、そこまで言われて断る程のことでもないので、あたしはデミと洞窟に潜ることにした。


 洞窟の中は相変わらずメニエ・コウモリが天井に所狭しと張り付いている。その下をあたしたちは例の松明で足元を照らしながら進んでいった。


 デミは顔色が若干冴えないものの、今日はちゃんと前を見て歩いているようだ。


 「昨日はこの辺でコウモリが騒ぎ始めたのよね」


 あたしは少し緊張して辺りを注意しながら進んだが、特に何も起きる様子はないようだ。


 さらに進んでいくと、コウモリも姿が疎らになり、やがて1羽もいなくなってしまった。


 「これ見て!」


 ふと視線を落とした先にあった奇妙なものを松明で照らして残りの1人と1匹を呼び寄せる。


 「これは、足あとか」

 「昨日はあたしたちはここまで来てないわ。だから、ここに足跡があるってことは、昨日、ここに誰かいたってことよ」

 「まあ、もしかしたら昨日より前の足あとかもしれないけど、どっちにしろ学園関係者の可能性は低いだろうな」


 あたしたちは初めての証拠らしい証拠に若干興奮気味で囁きあった。あまり大声を出すとコウモリを驚かせてしまうので、できるだけ興奮を表に出さないようにしながら。


 「何か、犯人の手がかりがないか、調べるわよ」


 足あとの形から見るに、どうやら裸足のようだ。そして、小さい。この足の大きさならやはりデミが言うように初等部の高学年くらいの年齢と言っても不思議ではない。


 それにしても、裸足。こんな洞窟の中で裸足で歩き回るなんて、野生児か何かなのかな?


 「あっ」


 付近を探していたデミが声をあげたので、あたしとヘータは急いでデミの周りに集まった。


 「これ」


 そう言ってデミが拾い上げたのは1枚の木の葉だった。

来週前半は夏休みをいただきますので、次回投稿は金曜になります。よろしくお願いします。

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