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俺は猫×あたしは魔女  作者: 七師
サバイバル実習<後編>
109/130

10

 デミだってまだ中等部2年なんだからまだ子どもの部類だけど、そのデミが子どもっていうからにはまだ初等部でもおかしくないような体格だったってこと?


 「初等部の実習は別のところに行ってると思ったけど」

 「あ、だから、ちょっとそんな気がしたかなーってくらいで、そんな、あんまり自信はないんだけど。すぐに気絶しちゃったし……」


 デミが慌てて自分の言葉を否定したけれど、あたしはやっぱり子どもというところが引っかかっていた。本当に子どもだったのか、それとも子どもと見間違えるような理由があったのか。


 「マナッ!」


 その時、離れたところからミレイの声がした。見るとミレイとカルネがこちらに向かって走ってきている。よく見るとヘータも一緒だ。


 「どうしたの?」

 「また起きたのよ、例の怪現象」


 そう言って、あたしはミレイとカルネにテントの中を見せた。


 バドアスとシシーも遅れてやってきた。バドアスがもう出発した後だったので、シシーが実行委員に断りを入れてからゴールに先回りしてバドアスを連れてきたのだ。


 彼らにはさすがに荒らされた女子テントの中を見せるわけにはいかないので、事情を簡単に説明して男子テントの方を確認してもらったが、そっちに異常はなかったようだ。


 女子テントの方も、引っ掻き回されてはいるものの、紛失したものは何もないようだ。ということは、下着泥棒ではなかったのか? ますます謎は深まる。


 「目当てのものが見つからなかったってことか」


 あたしの肩の上に飛び乗ったヘータが耳元で呟いた。


 「目当てのものって?」

 「わからん」


 あたしは思わず胸元の魔力結晶を触っていた。


 これが目的だったという可能性はある。荒らされたテントだけを見たら至極もっともらしい答えだ。でも、なら他の怪現象はどう説明する?


 逆に、これが他の一連の怪現象の一貫だとすれば、ただ人が慌てる様子を見て面白がっているだけの愉快犯の可能性も十分にある。だけど、ただの愉快犯というのはどうにもしっくりと腑に落ちない。


 なんていうか、これまでの一連の怪現象と今回の事件とは何かが違うような気がするのだ。


 「まあ、いいわ。明日は山狩りね」


 とにかく、動機はよくわからないが、犯人が学生の他にいるらしいことは間違いない。なら、細かいことは捕まえてから尋問すればいいだけだ。

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