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俺は猫×あたしは魔女  作者: 七師
サバイバル実習<後編>
105/130

06

 今日の夜は実行委員主催の肝試しだ。あたしたちは早めの夕飯を食べた後、一度全員で海岸に集合することになっている。


 「そういえば、実行委員は昨日の怪現象については関与してないそうだよ」


 そう報告をしたのはシシーだった。


 「夕飯の前に、バドアスくんと2人で実行委員を何人か捕まえて聞いてみたんだけど、誰も知らないって言ってた」

 「あれー。絶対そうだと思ったんだけどな」


 シシーの報告に若干ミレイが残念そうな声を上げる。推理が外れたのが悔しいみたいだ。


 「だけど、まだ分かんないよね。シシーくんが聞いた時はとぼけてただけかもしれないし」

 「わたくしが今日一日、時間のある限りですが、監視した分には問題になりそうな言動はありませんでした。実行委員の関与はないものと考えていいと思いますわ」

 「カルネさんまでそういうなら間違いないのかー」


 まあ、ミレイには悪いけど、実行委員の仕業なら洞窟で仕掛けてきた時にあたしやヘータやカルネが気づかないわけがないよね。


 「みんな、そろそろ行かないと遅刻するよ」


 あたしはそう言っていつまでも終わらない会話に終止符を打って肝試しの会場へと向かった。



 海岸に出てみると人の集まりは7割ほどだった。あたしたちは適当に固まって雑談をして待つことにした。デミは元のグループの仲間を見つけてそっちに雑談に行った。


 「みんな、集まったー? じゃあ、一応点呼するよー」


 そう言って、実行委員の1人があたしたちの名前を順番に呼んでいき、呼ばれた人はめいめいのやり方で返事をする。


 これで点呼の代わりに、端から番号を呼ばせて返事をした人数が名簿の人数より1人多かったりすると、肝試しっぽくていいかもねと思わなくもない。ま、どうでもいいけど。


 「ねえ、ヘータ。肝試しの最中にも何かあると思う?」

 「犯人の目的が分からないから、なんとも。でも、何をするにも仕掛けやすいタイミングだとは思うけど」

 「そうだよね。問題は目的よね」


 いつの間にか点呼が終わったらしい。誰も欠員はいないようだ。


 「じゃあ、次に1人ずつ前に来てくじを一枚ずつ引いてって。くじに書いてある数字が同じ2人でペアになって肝試しをしてもらいます」


 「俺も引くのかな?」

 「あなたはいらないわよ」


 そもそも、猫は点呼すらされてないじゃない。


 肝試しのくじ引きはさまざまなドラマを生み出すらしい、というのはカルネの意見だ。そして、ミレイもそれに激しく同意していた。カルネは学園内の人間関係に精通しているだろうし、ミレイはシシーのことが気になってるだろうからな。


 でも、あたしはペアの相手にはあまり興味がない。まあ、ペアの相手にというか、肝試し自体にもだけど。だって、別にこの世に怖いものなんて大してあるわけもないし。タネの分かってるお化けのどこを怖がればいいのやら。


 そんなわけで個人的には特に盛り上がらないくじ引きの結果、あたしはデミとペアになった。

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