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短編集

頼れる強面の人

登場人物紹介


・橋野 未来 (はしの みらい)

高校2年生で成績は中の上、得意科目は化学で英語古典もできるので教室では時折先生より質問されることがある。

彼本人は華奢な体をしばしば女性と間違えられることをコンプレックスと思っているが、幼なじみがギャル過ぎて口調やその陽気な性格が移っている。幼少期からの付き合いなので休日はふたりでキャピキャピしていることが多い。


木下きのした ごう

身長187cmでジムに行っており見せ筋ではなく腕相撲大会外国での記録は2位。かなりの実力派であり今の仕事も成績トップで商談を取ってくる。

しかし、その強面が故に最初は警戒されがちである。

誠実な対応と親身なヒアリングによって徐々に評価を得て最終的に契約を取ってくるので時間はかかるが確実に取ってくる契約数が多くアフター対応、リピート対応も完璧である。

ただ顔が真顔だとこわい。

 細道の角を勢い良く曲がり、走り続ける。後ろからは3人ほど男が追いかけてくる。

「待てよ嬢ちゃーん、おれたちといいことしようや~」

「だから俺っち男だしー! きもいんですけどー!」

 走りながら叫ぶ。やがて細道から大道りに出る。歩行者がひしめき合いとても走って逃げれるような状態ではない。

「ま、じ、かぁ…あ!」

 唐突に体格のいい男性にくっつき、

「やっほー兄ちゃん! こんなとこで会うなんてマジ偶然すぎー!」

「あ? なんだてめ…」

 言い終わる前に先ほどの三人衆がやってくる。そいつらは男性だと証言されてなお鼻息を荒くしているが、大柄の男に気が付き若干怒りの姿勢を見せた。

「オイゴラ! そいつは俺らが見つけた上モンなんだわ。さっさと引き渡せや!」

 状況を察した大男はゆっくり振り返る。190はあろう身長と、そのあまりにも強面な顔に三人衆はすくみ上る。

「ったく、うちの弟に何の用だ? まさかとは思うが嫌がる様な…もっと大人しとして恥ずべきことをしようとしたんじゃねぇだろうな?」

「ひ、ひぃぃごめんなさいいぃ!!」

 男たちは脱兎のごとく逃げてゆく。二人は安どのため息をついた。

「お兄さんマジ感謝。あの場で咄嗟に言い返す感じやっぱ慣れてるっしょ?」

「なわけねぇよ、今日が初めてだわ。びっくりして新手の詐欺かと思ったわ」

「あはは! 詐欺とかウケるんですけど~…ところでお礼したいからそこのカフェ入らん?」

 少年? が指を刺した先にはちょうど静かそうなカフェがある。

「俺っちカフェ巡り趣味でさー、そこ入ろうとしてあのキモキモ集団に襲われたんよーお兄さん時間あるならお茶しよっ!」

「まぁ時間はあるが…お前声高いな、制服はズボンだが女子と間違われなくもないぞ」

「そうなんよー俺っちマジ声コンプレックスでー…多分変声期過ぎちゃったからもう下がらんのよあ、ここここ! すいませーン。2人で」

「空いてる席へどうぞー」

 マスターが一人で経営する小さなカフェ、そのカウンターに二人は座る。小柄で華奢な少年と背高のっぽの二人は共通のバトロワゲーの話で盛り上がる。丁度ランチの終わり際で人もおらずマスターは静かにたたずんでいる。

「ふーん、じゃあ大会とか出てんのか?」

「俺っちが集めたチームでね! この前高校生大会3位」

「ほー…俺は大会に出たことはねぇけどスナイパーだけでマッチ一位とかはやったことある」

「まじ!?やばすぎ! …あーあ、お兄さんくらい身長と筋肉があればなー」

 少年はカフェラテを飲みながら言う。腕は細く、男が握ったら折れてしまいそうだ。男は話しているうちに彼に興味がわいた。変な意味ではなく、好奇心をくすぐられたとでもいうべきか。

「…俺が通ってるジムがあるんだけどよ、そこ高校生OKで、予定が合えば俺も教えられるんだが一回体験してみないか?」

 少年の目が輝く。

「マジ!? お兄さん神スギ! 行く行く! 今日は予定ないし、予定あっても6時には終わる!」

「6時ね、それだったら6時から8時半で枠があるはずだからそこに入れるわ」

 そう言ってスマホを取り出し、電話をかける。

「トレーナーお疲れ、今日ちょっと高校生の体験者連れて行くから6時の枠一個開けといて、おう、じゃ」

「マスターさんお会計よろー」

「ここは俺が出すよ」

「いやいや助けてもらったお礼だって!」

「体験にも参加費が必要だからそこで払ってくれ、現地でないって言われる方が俺は困る」

「…どこまで行っても神すぎん? わかった取っておく」

 お会計を済ませ友人となった二人の身長差コンビはジムに向かって歩き出す。夕暮れが大柄な背中を照らし、大きな影が出来ていた。

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