神と地球と人間と
一週間に一回くらいは投稿したいと思っています。(願望)
ある日、地球では魔法が使える人間が現れた。
初めは、村人の少年が手から火を出したという。
魔法を使える人間は日を増すごとに増えていった。
やがて、魔法を使うのに長けている人間は
魔法使いと呼ばれるようになった。
「魔法は素晴らしいものだ。」
どこからか、そんな声が聞こえた。
確かに、魔法は人々の暮らしに大きく役立ち今ではなくてはならないものになっている。
しかし、魔法は人々に不幸を与えた。
いいや、魔法は悪くない。
これは、人間の責任だ。
原因は、才能の差だろう。
才能は平等じゃない。
もちろん魔法の扱い方にも差は出てくる。魔法の扱いに長けているものもいれば、ほとんど扱うことができないものもいる。
その差はまさに天と地と呼べるほど大きいものだった。
子供でも魔法の扱いに長けているのであれば、大人たちから持て囃された。
反対に大人でも魔法がほとんど使えないものには、子供であっても関係なく罵倒され罵られる。
そう、まさに魔法で全てが決まると言ってもいいだろう。
理由は簡単。反抗しようとしてもボコボコにされるからだ。
例えば、子供だが優秀な魔法使いとムキムキの男が戦ったとすると100%とは言わないが
ほとんどの確率で魔法使い(子供)の勝ちだ。
魔法使いとただの平民とではまるで扱いが違う。
格差社会が生まれてしまったのだ。
魔法使いは敬う存在。魔法を使えない平民は蔑むべき国の恥として根付いていまった。
魔法使いのほうがどちらかと言えば少ないが、さっきも言った通り、力では魔法使いのほうが圧倒的に上だ。
反乱などできるはずがなかった。
今の現状を受け入れる。それしかできなかったのだ。
こんな最中人間はついに自分たちで神を作り出した。
いつからか極めて優れた魔法使いは、
神とよばれるようになった。
そして、神は人間となった。
今まで信仰されていた神のことは
みんな忘れてしまった。
今までの宗教は、神を信じる者たちが集い、祈りを捧げるそのような場所だった。
しかし、今や極めて優れた魔法使い(神)を信仰する場になってしまった。
許せない
学校の教材には、魔法の実技が追加され、魔法を学ぶ学校もできた。
おいおい、魔法が使えない人は入れんのかよ?
否、もちろん無理だ。
平民には魔法の道に進むことなど無理に等しかった。
そう、この世界は魔法中心に回っている。
今では料理から何から魔法で解決ということだ。
魔法使いが特に集まる都会では魔法で料理を作る店ばかりとなった。
何もかも、魔法に頼るようになった。
昔の日本のことなどみんな忘れてしまった。
だが、日本にはまだアニメが残っている。この日本に降り立ったとき、この世界の勉強などを兼ねてアニメを見た。
面白かった。
すごく面白かった。俺はその日からアニメという泥沼にハマってしまったんだと思う。
そういえば、その頃から家から一切でなくなったような?人間と喋ったのも数えるほどしかなかったような。
もしかして、これが原因で……
ガガガッ
肩に何か、硬いものが当たった。
歩いている途中に人とぶつかったようだ。
本を手にいっぱい持ってる女性とぶつかったようだ。
これに関しては、考え事をしていて前を見ていなかった俺が悪い。
よし……拾おう。
「す、すすすす、すいまっせん」
自分でもよく謝れたと思う。
噛んだ。相手の方を見ると何だか生温かい目線を向けられている気がする。
なぜだか、恥ずかしい。
「いっいえ」
今更だが、この人間も俺と同じ制服を着ている。行き先は俺と同じだろう。粛々と本は拾い終わると、すぐに帰っていった。
「ありがとうございました」
大量に積まれた本とともに。
今にも落としそうなほど揺れているが、大丈夫だろうか……
あんな本を持って何をするのか少々気になるな。
本の題名を見たが魔法の本ばかりだった。勉強熱心なのかもしれない。
なにはともあれ、人間と喋ることができたのだ。これを続けていけばきっと噛まずに喋れるようになる。
ふと、隣でものすごく喋っているカップルを盗み見る。
なぜか、見てるだけで恥ずかしい。
これが、カップルか。
俺にとって話すのは難しい。正直、なぜあのカップルはそこまで会話が弾むのかが分からない。
こんな事を考えながらも歩みを進めていく。
その足取りは鉛のように重い。こんなことをするくらいなら家でアニメが見たい。
今、いいとこなのに。
ちょうど主人公が魔王を倒しそうなところに誰かよくわかんないキャラが出てきて、あなた誰ですか?見たいなところで終わったんだよなー。
いろいろな想定をしていたが、このルートは考えていなかった。3話にしてはクライマックスすぎると少し思うが、面白いものは面白いのだ。
「あっ」
着いてしまった。
学校に。ここは言わゆる元高校だ。
しかし、高校はたくさん人がいると聞いていたが、ここまでとは。
いや、今は高校ではなく、神聖魔法科学院というらしい。
スーパーエリートばかりが集まるエリート校だ。と、聞いている。
あと、異世界ですか?っていうくらい華やかだ。
魔法が使えるようになったことで作業が捗ったのではないだろうか。
神聖魔法科学院は一番最初に創立された魔法科の高校であり、優秀な人間しか入ることができない。試験に合格したことで俺も無事に入学できたのだ。
「おっはよー」
挨拶だろうか。至るところから聞こえてくる。誰かに話しかけようとも思ったが、
「やめよう」
入学式とは知らない人間が多く、中々話せないものだと思っていた。が、思ったより話している人が多いように感じる。
友達というやつだろうか。
短期間でここまで仲良くなることは難しいはずだ。きっと昔からの友達なのだろう。
友達、か。
い、いや。友達を作る必要なんて一切ないのだ。
魔法を学びにここに来たわけではないし、友達を作りに来たわけでもない。
俺には俺の目的があるのだ。
「キャー。シーラ様よ」
「カルン様もおられるぞ」
「おおー天才姉妹のラミア様とリズ様まで」
学校中が一気に湧き上がった。
そう、あいつらこそが人間の神だ。今現在、選ばれている神は四名。
見ての通り、この学校には神が全員集結している。
入学希望者が異常に多かったと聞いたが、神が入るという噂を聞きつけたからかもしれない。
中には絶対15歳じゃない中年のおじさんが入ろうとした。なんて話も
しかも、全員美人ときた。それは、人気が出るよな。
「おはよう」
4人いる神のうちの1人から声をかけられた。ような気がする。
周りのみんなに向けて言ったのか?
それとも……
「カルン様が俺に挨拶をしてくださったぞ」
俺の考えを遮るように真横からこんな声が聞こえてきた。
「なに?あれは俺に向けてだ」
「いいや、俺だな」
挨拶一つで喧嘩が勃発したみたいだ。
逃げよう。
判断が早くて巻き込まれずに済んだらしい。びっくりしたぁ。
しばらく、人混みが減るまで木陰で待つことにした。
「帰りたい」
一人になって気が抜けていたからかついそんな言葉が口からこぼれ落ちてしまった。
もちろん、学校へ行きたくない。というのも本音で正直すごーーーーーい憂鬱だ。
しかし、俺にはそれ以上に憂鬱なことが二つある。
神を殺せ。
これが、俺の任務。俺たち神の座を取り戻すために、殺さなければならない。本物の神は俺たちなのだから。これが、一つ目の憂鬱なことだ。
そしてもう一つ。
この学校に入れたんだからなんだかんだ優秀なんでしょ?
否、俺は魔法がほとんど使えない。
じゃあ、どうやって神を殺すの?
うん、どうしよう。
スミマセン。少し編集しました。
舞台は日本です。名前が日本っぽくないのはお気にせず