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1話

あと1月後には我が国ミューテン国にて『時祭り』が開催されます。


国民は他国からの人々をもてなすため、店先や家の前にカラフルな花々と共に各国の国旗をランダムで掲げ、歓迎の意を表す。


催事一週間目のラスト日は、開催国の王宮にて自国と他国との王侯貴族が集い年に1度の交流会をする。自国、他国ともに王族と公爵侯爵伯爵以外は参加自由である。


参加は自由だがよほどの欠席理由がない限りほとんどの貴族が参加している。(せっかくの出会いの場にもなり得る場をみすみす逃すことはしないのだ、、商談、縁談、繋がりを持つことは悪いことじゃない)



我が家も自領から持ってきた薬草を使った商品を売ろうと、王都のタウンハウスへ滞在しながら露店を整備しているプリム子爵家一同。


家紋の色であるビスケットカラーとアイスブルーのストライプのテント屋根がほんわかな存在感を出しています。


あと2週間後には始まるとのことで計画を立てながら陳列作業やら露店設置やら・・・使用人含め男性陣には頑張ってもらわねばなりませんね。


三女のリリベルは、自らの作品である刺繍したハンカチやテーブルクロス、手袋、エプロンや巾着、果てはブローチなどいつ作ったのか??と思う物を並べている。


本人は手慰みのつもりで作っていたものがいつの間にか一級品となり、上位貴族の方々も購入しているようでいつの間にかレア物へと格付けされているようです。


ええ、本人は知らないのですけどね。


商品を並べ終えて少し休憩をとるために、護衛のケイに付いてきてもらい、久しぶりの王都を散策しながら見つけた可愛らしい店構えのクレープ屋さん。


ベリーのクレープとケイにはサラダが巻かれたクレープを買って露店街広場の中心にある噴水前のベンチに腰かけて一息。


「あと二週間でお祭りだわ~たくさんの人が楽しみにしているし、わたしたちのお店も繁盛するといいなぁ~ふふっ」


「うちの領地のものは王都では入手できませんからね、絶対完売しますよ!お嬢様お手製の品も争奪戦必至ですよ(笑)コレ美味しいですね!みんなにも食べてもらいたいです~」


リリベルとケイは露店の成功に思いを馳せながらクレープを頬張る。


のんびりと辺りを見回していると、、どこか急いでる雰囲気の方がいますねぇ?


「どうしたのかしら??当日ではないけれどお店の準備の人で結構混んでいるし急いだら危ないわ、、、あっ」


ビュウゥゥゥーーー!と強い風が舞います。


「お嬢様!!掴まってください!」


「ケイ、ありがとう~あなたのおかげで飛ばされずに済んだわ」ニコリ


辺りの露店のテントもバサバサとなびいて一瞬でしたがすごかった。


リリベルは軽いのでこのような強い風が吹くと重心が流されてしまうので大変なのだ。


風に気を取られていると、



バッシャン!!!


「わっっ」


「ふわっっ??」


何??


噴水へ入ってる人を見てビックリしました。


「わ、私のクレープが~半分残ってたのに~」


「お嬢様、また買ってきましょうか?」


「ケイ、、いいえ、もう家族のところへ戻らないといけないし落ちたのは諦めるわ、片付けだけお願いしてもいい?」


「おまかせください!!服も靴も無事ですね。」


ケイはどこからか出した袋と紙で落ちたクレープを綺麗に片づけてくれた。


もぅっ楽しみにしてたのに。くぅ、、

音に驚いてクレープを落としてしまったわ。


ちらりと噴水のほうへ目をやると


大きな人だわ、、噴水なんて石作りだし痛いわよねぇ、どうしようかしら?


「お嬢様?片付けも済みましたし戻りましょうか、、?あっ」


片付けを終えてお嬢様の元へ戻り声をかけると同時に。


「あのーだいじょうぶですか??すごい勢いで突っ込んでましたよ?」


お嬢様が声をかけてしまった。


あーーー俺がついていながら。


リリベルは痛手を負っているかもしれない相手へ声をかけた。


あまり大きな声が出ないので聞き取れているか不安しかないけど。


噴水の中の人は少し放心してから気づいて水から出てきました。


自らの顔や体を少しでも拭こうとしたのか何か探してますねぇ~


だいじょぶでしょうか?


「ナイ、、無いわ、、あたしのお気に入りのハンカチ!!どこよ!アレ気に入ってたのに!!!んもぅ~~~嫌になっちゃう!」


そう叫んで起き上がった人は、、とても綺麗な方ね、、困ってらっしゃるみたい?


わたしは家族の元へ戻ればハンカチなんて予備はいくらでもあるので、こちらの方へ渡すことにした。


「あのぉ、、ハンカチを無くされたんですか??よろしければこちら使ってください。要らなかったら捨ててくださいね」


おそるおそる伝えると


はたっと気づいたのかこちらへ振り向いた!と同時にびっくりされました。(どうしたんでしょう?)


とても背の高い女性ですわ!とても綺麗ですし、このような方が王都にはいらっしゃるのね~すごい!!


「あら?なっ、、、失礼、ごめんなさいねぇ~あたし突っ込んでしまって、ちょっとイライラして急いでたのよ~ハンカチよければいただくわ~、ありがとっっ」


良かった喜んでいただけた。


さてとわたしも早くみんなの元へ戻らないと いそいそ、、


「いえいえっわたしそろそろ行かなくてはいけないので、これで失礼しますね~ケイ行きましょう」


ケイを連れてその場を離れる。


余計なことは言わないでさっさと行かなきゃね。


「あ!あなたお名前~~~は、、行っちゃったわ、、聞けなかったじゃないのよ。ふぅそれにしても催事前にこんなにバタバタしちゃうなんてあたしの仕事増えてるじゃないのよまったく、、」






エリッシュ視点


あたしはエリッシュ。


エリッシュ・リドール ミューテン国第2騎士団副団長なんてものに付いてる。一応実家はリドール伯爵家であたしは次男なの。


話し方が変???おネェさんじゃないわよ?口調だけよ~色々とやりやすいのよ♪まぁちょーっと癖になってるのは否めないわ(笑)


女装してる時もあれば普通に男の恰好の時もあるけど、恋愛観は至ってノーマルよ!ここ重要。


それなりに忙しい立場なんだけど、、今日は二週間後に開催される『時祭り』であっちもこっちも大忙しなのよね。


バタバタしてるときに限って部下がやらかして、その後始末は上司であるあたしに回ってくるじゃないのよ!!んもぅ冗談じゃないわよ!!(キレ)


まぁ仕事だしぃ仕方ないからちゃんとやるけど、あたしこれからやっと休憩入れると思ってたのに、、この前見つけたクレープ屋さん閉まっちゃうじゃないのよー


あそこおやつの時間過ぎると閉まっちゃうのよねー


間に合うかしら、、、ここぞとばかりに騎士団で鍛えた脚力を発揮して爆走する。



「待ってて!あたしのクレープちゃん~~~♪」低音ボイス(笑)



あと少しよ、、、難なく走ってるいるとビュオ~と大き目の風が流れ込んできた。


すごい風??って気を取られてたら何かにつまづいて勢いよく水に落ちた、、、どーゆーことよ!もぅ厄日なのかしらぁ


ちょっと、、あたしのクレープちゃん今日は会えないってことかしら!?


はぁ、、もぅ嫌んなっちゃうわとりあえず起き上がりましょ。


そのあとはちょっと、、ちょっとーーー良いことあったじゃない!神はあたしを見放してなかったわ(大げさ(笑))



なんとかクレープちゃんとも会えたわ!!可愛い子が居すぎて選ぶの大変だったのよぉ?(クレープ可愛い子呼ばわり)


とりあえず、ベリー、チーズケーキ、パッションフルーツとクリーム 三種類のクレープを頼んだわ♪


テンション上がってるからちょっと少なめに注文したのよ!! それどころじゃなかったのよー


やだわぁあとで話すわね♡


今日は仕事も頑張ったしこのまま帰りましょ。


明日もまた仕事だしぃ残りは明日やればいいのよ♪



このまま通りすがりの出来事で終わると思ったのに、、








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