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どんな日でも酒が飲める場所

作者: まなつ

初書きです。

「店長ぉ~…もう店閉めないっすか?」

答える声は聞こえてこない、無視すんな


都内のちょっとした規模の繁華街、雑居ビルにある小さなbar

本日も閑古鳥を鳴かせながら絶賛営業中である


「……客、来ないっすよぉ。てか、台風なのに営業する意味あります?」

「……」

「会話拒否。なるほど、いつも通り」


グラスを拭きながら店長が少しだけ息を吐く

相変わらずヤクザみたいな見た目だ。ほんとにヤクザなのかも

なんで、こんな店やる金があるんだおっさん


(まあ…本当は給料だしてくれて、時間が楽につぶせる仕事ならなんでもいいんだけど…さっ)


「……常連は、こういう日に来る」

店長は自販機みたいな大きな体格に似合わない小さな声でボソッと呟いた


「強ぇな。そんな奴、俺もなりたいですよ。

 台風だろうが、雷だろうが、飲みに行ける人生。逆に。」

「酒カスってやつっすね!!」


「………来るのは、家に帰れない奴だよ」


お前もだろ、暗にそういわれた気がした。

「……なんか、痛えな、それ」


「カウンター、拭いたか?」


「拭きましたよ。つか、今の会話なんすか。

 俺が滑ったみたいじゃねぇっすか!!」


「知らん」


思わず吹き出してしまった

(……マジで、知らんって言えば会話が終わると思ってんな)


ガン、ガン、ガンとビルの古ぼけた階段を上がる大きな足音が聞こえる

こりゃ客は男ひとりだな


「……お。来たかもしんないっすよ!

 家に帰れない常連さんってやつ」


俺が店長の方を振り向くと、店長はなぜか浮かせた腰をそっと椅子に降ろした


ドアが開く、さぁてバイト代くらいは軽く働くっすか


「ようこそ~!Bar"Chez toiシェ・トワ"へ」

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