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湖の底
湖に着くといつもの場所に座り込んだ。
平日の昼間だからか人が全くいない。
あの日もここで二人で話していた。
毎日ここに来ても会えるわけじゃないのに。
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気づいたら日が暮れ始めていた。
(そろそろ帰るか)
そう思って立ち上がると、水面にキラキラと輝く物が見えた。
あれは何だろう?大きな……魚?
気になってぎりぎりまで近づこうとした。
「えっ」
足を滑らせ湖に落ち、沈んでいくのが分かる。
(苦しい…息ができない…!)
何かに掴まろうと思い周りを見る。
(魚…の大群…?)
自分の周りに魚たちが集まってくる。
―もう息がもたない…
ふと、あの日の光景を思い出した。