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甘々姉と嫉妬妹に愛されすぎる同居生活♡ ~親の再婚で幼馴染姉妹と家族になったけど、どっちも愛が重くて寝かせてもらえないのだが~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第3章 甘々な日常

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第78話 姫川姉妹の悶々1

 好きな女発言で異常テンション(sideシエル)



 私は姫川ひめかわ詩愛瑠しえる、ちょっと人見知りなオタク系女子だよ。

 人は私のことをクールとか冷たいとか言うけど違うの。本当は緊張して上手く話せないだけ。

 壮太とだって、もっと仲良くしたいのに。


 壮太――――


「きゃああああぁああぁあっ♡ 好きな女だって! それって私のことだよね? うっきゃああぁああぁん♡ ゲホッ、ゲホゲホッ! む、むせた……」


 しまった。変なテンションになって大きな声を……。壮太に聞かれたらマズいよね。

 普段は大きい声を出さないので、急に出そうとすると上手くいかない。コミュ障あるあるかな。


「しかし壮太め、私があんなに頑張って催眠しているのに、ぜっんぜん堕ちないんだから。ホントはもっと私にデレデレになるはずでしょ」


 そんなことを言いながらも、少しだけ前進した感覚もあった。


「デート帰りの公園とか、部屋で二人っきりの時とか……良い感じなった気がしたのにな」


 鏡を見ながら自分のくちびるに指を当てる。


「キス……しそうになったのに」


 その鏡には、氷の女王などと噂される自分の姿が写っている。

 人は私を美人だとか可愛いと言うけど、自分ではそんな実感は無い。

 だって壮太の好みかどうかが重要であって、他の男子にどう思われようが関係ないからだ。


「でも、壮太……たまに可愛いって言ってくれるし♡ あれ、冗談じゃないよね」


 かぁああああぁ――


 急速に自分の顔が熱くなるのを感じる。

 いつもそうだ。壮太のことを考えると、自分でも制御できないくらいドキドキしてしまう。

 この衝動は止められない。

 だって大好きだから。


「壮太ぁ♡ 好き♡ 大好き♡」


 鏡には真っ赤になった自分が写っている。完全に恋する乙女だ。


「バカ壮太♡ 私をこんなにさせて♡」


 私が壮太を意識し始めたのは、まだ幼い子供の頃だ。

 あの頃の私は、いつも泣いていた気がする。

 髪や瞳の色が人と違う私は周囲から浮いていて。それで悪ガキたちの標的にされていたんだ。


 でも、壮太と出会ってから、私の世界は一変した。


『シエルは俺が守る!』


 いつも壮太は私を助けてくれたね。

 私がピンチの時は、すぐに駆け付けてくれるヒーロー。そんな壮太を、私は……。


「うくぅ♡ 恥ずかしい♡」


 自分の顔が上気した女の顔になっていて、鏡を見ていられない。


「いけないいけない。こんな顔してたら壮太と顔を合わせられない。引き締めないと」


 そこで私は思い出す。壮太が『俺の女』発言をした時に、蜷川にながわさんも一緒だったことを。


「えっ、待って! あれって私に言ったんだよね? 蜷川にながわさんじゃないよね?」


 蜷川にながわさんに告白したのは昔の話で、今は何でもないと壮太は言った。

 でも、気になってしまう。今でも好きなのかと。


「うああぁ、壮太め。私の心を振り回してばかりで。嬬恋つまごいさんとも仲が良いし。何なのよ、もうっ!」


 考えれば考えるほど不安になってしまう。

 だって、私は口下手だし、壮太にもキツく当たってしまうし。


「そ、そうだ、コスプレして落ち着こう」


 クローゼットを開け衣装を取り出す。

 こうして、たまにコスプレするのが私の趣味だ。

 本当はイベントでしてみたいけど、壮太以外の男子に見られるのは恥ずかしいし。


 シュル、シュルル――


 服を脱ぎ下着姿に。そこに水着のような赤いタイツを装着してゆく。

 今日のコスは超創生歴ドルバンゲインの戦闘着バトルスーツにしよう。二号機パイロットのナツミ専用だ。


「ちょっとこれは胸やお尻が出まくって恥ずかしいな。原作に忠実だとピチピチのボディスーツだから」


 鏡の前でポーズを決めてみる。


「やっぱりエッチ過ぎるかな? 壮太が見たら我慢できなくなっちゃったりして」


 そんなことを考えてからかぶりを振る。


 き、キスまでなら良いけど、それ以上はダメだよ。怖いし。恥ずかしいし。

 でも…………壮太がしたいなら……。


 コンコン!

「シエル、ちょっと良いか?」

「きゃわああっ!」


 突然、ノックの音と壮太の声がして飛び上がった。


「どうした、シエル!? 開けるぞ」

「あっ、あわわっ!」


 ガチャ!


「あっ…………」


 見られた。エッチなコスプレを見られた。


 ギィィィィ――

「ちょっと待って!」

「で、ですよね」


 そっ閉じしようとする壮太を、私は無理やり部屋に引き入れた。




 ズゥウウウウウウーン!


 恥ずかしそうに目を逸らした壮太が正座している。

 その前で私は仁王立ちだ。


「壮太、また覗いた」

「す、すまん。悲鳴が聞こえたから」


 まあそうなんだけど。私がビックリしちゃったんだけど。前の断罪天使マジカルメアリーの時も同じだよね。


「ば、バカなの?」

「それナツミっぽい」

「今のは私!」

「そうなんだ」


 困った顔の壮太がモジモジしている。

 時おり視線が胸の辺りに向くのを見逃さない。


「壮太、どこ見てるの?」

「えっと、ごめん」

「壮太のエッチ」

「待て、それ以上こっちに来るな。体のラインが出まくってるんだよ!」


 かぁああああぁ――


 壮太の声と視線で私の全身が熱くなる。まるで裸を見られているみたいに感じてしまう。


「こ、これはコスプレだから。変な目で見ない」

「それは分かってるけど。シエルの体が綺麗だから」


 きゅん♡ きゅん♡


 くぅ♡ 壮太めぇ♡ そんなこと言われたら嬉しくなっちゃうでしょ。きゅん死させるつもりかぁ♡ 壮太のくせに♡


 そ、そうだ、ちょっと困らせてやろっ!


「ふふんっ!」


 私はベッドに腰かけて脚を組んだ。正座している壮太の眼前に足を向けるように。


「壮太、罰として足をマッサージしなさい。お姉ちゃん命令だよ」

「くっそ、調子に乗りやがって」


 文句を言いながらも壮太は手を伸ばす。私の足を優しく掴んだ。


 モミモミモミモミモミ――


「ほら、これで良いのか?」

「それで良いっ……くっ♡」


 何これ! 壮太の手が、私の足裏を! 気持ち良いっ! ダメッ! 変になっちゃう♡


「この足つぼを押すとだな」

「うくっ♡ ひっ♡」

「こっちは疲れが取れるツボで」

「ひぐぅ♡ だ、ダメぇええ!」


 ガシッ!


 あっ、蹴っちゃった。壮太の顔を蹴っちゃった。


「おい、シエル……何だこの足は?」

「ううっ、そ、壮太が悪い。手つきがいやらしい」


 全部壮太が悪いんだよ。そんなエッチな手つきで。何だかマッサージ慣れしている気がするし。


「お前が揉めって言ったんだろ。たく、ノエルねえといい莉羅りらさんといい、何で俺にマッサージさせたがるんだよ」


 ぶっちぃーん!


「はあ? はああああ!? 壮太、おねえにもマッサージしてるの? お、お母さんにも!?」

「だって、しろって言うから」

「信じられない! 壮太のエッチ、スケベ、ヘンタイ!」


 こんなエッチなの、おねえやお母さんにしてるなんてダメだよ! 絶対好きになっちゃうじゃん!


「ば、罰として私にもマッサージを義務付ける」

「へいへい、シエル女王様」

「は?」

「シエルお姉ちゃん」

「むふっ♡ よろしい」


 壮太の手が私の体に触れるたび、幸せな気持ちが広がってゆく。

 ダメッ♡ 我慢できなくなっちゃうよぉ♡


「シエル……リラックスしているとこと悪いが、そろそろ着替えてくれないか? 目のやり場に困る」


 真っ赤な顔で目を逸らしている壮太がつぶやいた。

 可愛いやつめ。


「ダメ、これはお仕置き」

「シエルは恥ずかしくないのかよ。ほら、色々と」


 壮太の指さす方に目をやると、私の体のラインがクッキリ出ている双丘が……。


「って、バカバカバカぁああああ!」

「だから蹴るなって」

「き、着替える!出てけぇ!」


 出てけとか言いながらも、私の手は壮太を掴んで離さない。

 壮太と触れ合うたびに、壮太とふざけ合うたびに、もっともっと好きになっちゃう。

 この時間が、ずっと続けば良いのに。



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
ブレイブ文庫 第2巻
COMICノヴァ

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i903249
― 新着の感想 ―
主人公と姉妹の絡みがめっちゃ好き。主人公が鈍感なのも相まってめっちゃ好き。更新楽しみにして待ちます。
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