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第58話 声我慢で添い寝催眠

 俺の手がノエルねえの敏感な部分に伸びる。

 誤解しないでくれ。

 敏感と言っても、わきや背中や足裏のことだぞ。変な意味じゃないからな。


「そうら、コチョコチョコチョコチョコチョ!」

「きゃああああぁん♡ くすぐったいよぉ♡」

「どうだポンコツねえ、もう毎日お仕置きだぞ!」

「ああぁああぁん♡ そうちゃん許してぇ♡ あっ♡ んぁ♡」


 腋を責めた後は足裏を。ここもノエルねえの弱点だ。もう、おねえの弱いところは学習済みよ。


 ぷしゅぅぅぅぅーっ!


 一通りくすぐりまくった後は、乱れた浴衣のノエルねえが転がっているだけだ。露出した肌が上気し、ほんのりピンク色に染まっているのが色っぽい。

 息も絶え絶えで、顔はだらしなく緩んでいる。

 ちょっとやり過ぎたかな?


「もうっ! そうちゃむとノエル先輩って、いつも家でこんなコトやってるの!?」


 星奈せいなが気色ばむ。

 そして蜷川にながわさんはヤンデレ目になっているのだが。


「えっ……これ問題だよね……。二人は一緒の家に住んでるのに。このままじゃ負けちゃう。私も本気出さないと……」


 あああ、蜷川にながわさんの目が更に怖いことに! ハイライト無し目が凄みを増してるような?


「壮太! またおねえとイチャイチャしてる! ドントタッチおねえだよ!」


 シエルのカタカナ英語が、ついに日本語混じりになったぞ。もう英語にする気が無いだろ。

 しかしどうしたものか。


「これはしくじったな。つい、いつもの調子でやり過ぎたか」

「「「いつもの!?」」」


 皆の語気が強まった。

 ヤバい、俺とノエルねえの日常は普通じゃなかった。ついノエルねえが色々許してくれるから調子に乗ってたのか。

 完全に失言だ。


「何だか空気がピリついてないか?」

「誰のせいだしぃ!」


 ギャルにツッコまれた。

 これゲームだよね?

 皆の顔が真剣に……。


 くっ、それもこれもノエルねえがお仕置きされたそうな体してるのが悪いんだ(ちょっと理不尽)。

 もうあれ完全に誘ってるよな。

 だって、こうも毎日毎日ムチムチ気持ち良いノエル姉に密着されてるんだぞ。そりゃこうなるって。


 よし、家に帰ったらお仕置きしてやる。って待て! これもノエルねえの術中にハマってる気がするぞ。


 シエルは催眠で俺を昂らせ、ノエルねえは甘々密着で俺を昂らせるだと!

 完全に姉妹揃って魔性の女じゃないか!



 こうして多少のトラブルはありながらもゲームは進む。【王様が指名した人の尻を叩く】でノエルねえがペンペンされたり、【王様がビリの人を馬にする】でノエルねえが馬になったり。


「どうして私ばっかりぃ……」


 涙目のノエルねえが肩を落とす。

 やっぱりノエルねえはお仕置きされる体質なのだろう。


「もうっ! アタシがそうちゃむにペンペンされたかったのにぃ」


 自分からドMな命令を書いたのをバラす星奈せいなだ。おあずけになったけど。

 代わりに全部ノエルねえがとばっちりを受けたのだが。


 そんなこんなで――――

 結局、ゲームはシエルの勝利となった。

 珍しくテンション高めで飛び跳ねている。


「やった! 私の勝ち!」

「勝利に水を差すようで悪いが、そんなにシエルは俺と添い寝したかったのか?」


 ついポロっと余計なことを口走ってしまった。


「うっ♡ うくぅ♡ そ、それは……ごにょごにょ」


 やっぱりシエルが口ごもった。いつも積極的になったかと思うと、急に恥ずかしがってフニャフニャになるんだよな。


 一方、星奈せいなは不満顔で声を荒げている。


「もぉおおおおっ! そうちゃむのバカぁ! 他の子とのイチャイチャを見せつけられて、欲求不満が溜まっただけだし!」


 そんなに星奈せいなは責められたかったのか?

 しょうがないドMギャルだぜ。


「わああああああぁああぁん! 壮太君がぁ! わぁああああ~ん!」


 まるで悲劇のヒロインみたいにくずおれた蜷川にながわさん。浴衣が乱れて胸が見えそうで気が気ではない。

 ちょっと元気づけておくか。


「あの、蜷川にながわさん、男性恐怖症を克服しようとするのは偉いけど、もっとゆっくりやれば良いからね」

「もうっ! やっぱり壮太君って分かってない。もう知らない!」


 プイッとそっぽを向く蜷川にながわさんだが、急に慌てて俺にすがり付く。


「ごめん、ごめんなさい。言い過ぎました。嫌いにならないで」

「嫌いにならないから大丈夫だよ」

「わた、私、壮太君がいないと生きられないから」


 重い。蜷川にながわさんが重い。どうしよう? 何か益々俺に対する依存度が高まってるような気がする。



 ◆ ◇ ◆



 アニメのような火山を見に行ったり、出そうな旅館だったり、混浴でピンチになったり、王様ゲームなんて漫画みたいなイベントやったりと、盛りだくさんの一日が終わろうとしていた。


 そういえば蜷川にながわさんの毒々しい団子も食べたな。あっ、ケーキだったか。

 あれから状態異常デバフになっていないので、毒ではなかったようだが。

 実際、見た目はアレだけど美味しかった。


 そして今俺は、シエルと同じ布団で寝ているのだった。


 待て待て待て待て待て! こんな状況で寝られるかよ! 女子と同じ部屋ってだけで緊張しているのに、それが超可愛いシエルと同じ布団だなんて!


 左を向くと、穏やかな寝息をたてているシエルが見える。

 まつ毛、長いな。

 くちびるも柔らかそうで。

 頬は染み一つなく綺麗で、触ったらスベスベしていそう。

 ああ、凄い美人だぞ。

 ヤバい、キスしたい。


 ぐっ、やっぱりシエルの催眠効果が出てるじゃないか。


 更に、俺の両隣にも女子が寝ているのだ。

 右を向くと蜷川にながわさんだ。俺の方に体を向けているので距離が近い。

 寝息が届きそうなくらいに。


 左側の布団にはギャルだ。星奈せいなは寝相が悪いのか、布団がはだけている。

 浴衣も乱れて目のやり場に困るのだが。


 更にその隣には、最下位で部屋の隅になってしまったノエルねえ。いじけてふて寝している。


「すぅ……すぅ……」


 俺の肩にシエルの寝息がかかる。

 ああ、何て心地よくてくすぐったいんだ。

 今すぐ抱きしめて俺のものにしたい。


 ダメだ。眠れない……。



 それから何時間経っただろうか?

 全員が寝静まったはずの丑三つ時(うしみつどき)。って、丑三つ時が何時か知らないけど。

 ついにあの女が動いた。


「壮太ぁ♡」


 やっぱり来た! シエルの催眠が。

 もしかしたら寝たふりしてたのか? まあ、俺も寝たふりしているのだが。


「ふふっ、壮太♡」


 おいマジかよ! 周囲に皆が居るのにやるのかよ!?


「壮太ぁ♡ ふふっ♡ 壮太♡ 寝ちゃったね♡」


 くすぐったい。シエルは俺の耳に口を付けたままゼロ距離で話している。

 周囲に声が漏れないようにしているのだろう。


 ゴソゴソ――


 更に布団をかぶって音漏れを防いでいる。なんて周到さだ。


「壮太♡ 一緒にお風呂、入っちゃったね♡」


 やめろぉ! 甘々な声でささやくなぁ!

 皆にバレたらどうするんだよ!


「壮太♡ 今夜は寝かさないぞ♡」


 アホかぁ! もう寝てる設定だろ!

 起きてるけど。


 ここからシエルは信じられないような行為に出る。

 とんでもない一夜が始まろうとしていた。



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

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ブレイブ文庫 第1巻
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