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甘々姉と嫉妬妹に愛されすぎる同居生活♡ ~親の再婚で幼馴染姉妹と家族になったけど、どっちも愛が重くて寝かせてもらえないのだが~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第4章 愛とお仕置きと運命と

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第116話 姉妹でデレ攻防

 ガチャ!

 ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ――


 時刻は午前零時を回った頃、部屋のドアが開き誰かが入ってきた。

 まさか、これは久しぶりの……。


 そのまさかだ。これは姉妹の夜這いだな。

 足音は俺の枕元で止まり、誰かが顔を覗き込んでいる気配がする。


 どっちだ? シエルなのか? それともノエルねえ


「壮太ぁ♡」


 シエルだったぁああああ!

 もしかして、俺がノエルねえとイチャイチャしてたから、嫉妬して夜這いにきたのか?


「壮太、もう容赦しないよ。私の催眠とテクで堕としてみせる」


 こいつは何を言ってるんだ?

 告白までしたのに、まだ寝込みを襲ったり催眠しようとしてるのかよ。やっぱり変わった女だな。


 ゴソゴソゴソ――


 そのシエルだが、俺が寝たふりしているのも知らず、ベッドに入り抱きついてきたのだが。


「ふふっ♡ 壮太ぁ♡ しゅきしゅきぃ♡」


 グハッ! ししし、シエル? いきなり何をやってるんだ!


 そんな俺の動揺など知らないシエルは、ますます行為をエスカレートさせる。

 手足を絡め、俺の耳に口を押し付けて。


「壮太、好き♡ 大好き♡ んふぅ♡ しゅきしゅきぃ♡」


 シエルがぶっ壊れた!

 何だその甘々ぶっ壊れボイスは!?


「壮太はシエルと結婚したくなる♡ 壮太はシエルと結婚したくなる♡ 壮太はシエルと結婚したくなる♡」


 ぎゃあああああああああああ! 催眠がグレードアップされてる!


「よし、今夜は新婚さんプレイにしよう」


 何が新婚さんプレイだ!? ぶっ飛び過ぎだろ!

 俺の動揺を知らずに、シエルは新婚さんプレイを始めてしまう。ラブコメアニメでよくあるアレだ。


「あ、あなたぁ♡ ご飯にする? お風呂にする? それともぉ、わ・た・し♡ きゃあぁああぁ♡」


 お、おい、もうそろそろ止めた方が良いのか? これ以上シエルの傷を増やす前に。

 しかしシエルは止まらない。やはり深夜になると暴走する女なのか?


「そ、そうだ。やっぱり三択はこうじゃないよね。どの選択肢でもエッチするように仕向けるとか? きゃっ♡」


 は? 何のことだ?


「よしっ! あなたぁ♡ 同級生妻にする? 義姉嫁にする? それともぉ、シ・エ・ル♡」

「それ全部シエルだろ!」


 しまった。シエルがおもしれー女すぎて、つい声ありでツッコんでしまった。

 俺が眠っていると思っていたシエルが、恥ずかしさで悶えているぞ。


「うくぅ♡ そ、壮太に騙された。寝たふりして私を嵌めるとか最悪」

「お前が勝手にやったんだろ。『シ・エ・ル♡』って」

「うくぅううぅ♡」


 両手で顔を押さえたシエルが、体をモジモジさせて恥ずかしがる。

 さっきから柔らかな体がムギュムギュ当たってヤバいのだが。やめろ、それ以上は。


「たく、相変わらずシエルは面白いな。新婚さんプレイ……凄かったぜ」

「もうやめてぇ~!」

「特に『同級生妻にする?』とか」

「わぁああああぁああっ!」


 遂にシエルがブチギレた。

 ちょっとからかい過ぎたようだ。


「もうっ! 壮太のバカっ! もう知らない!」


 布団を飛び出たシエルが、顔を手で押さえて逃げ出した。

 俺はシエルの背中に声をかけるのだが。


「おい、もう催眠はしないんじゃなかったのかよ?」


 俺の問いに、シエルは振り向きキョトンとした顔をする。


「ん? するに決まってるでしょ。壮太が私と結婚するまで」

「結婚しないと催眠やめないのかよ!」

「当然」


 ええええ……。当然と言われましても。

 もしかして、俺がシエルを選ばないと、ずっと甘々攻撃で寝かせてもらえないのか? こんなのエッチ過ぎて耐えられねえぞ。


「シエル、さっきも言ったけどな、俺たちは義理の姉弟だし一つ屋根の下に住んでるから、やはり節度ある付き合いをだな……」


 お決まりの文句を言ってみたが、シエルはジト目で俺をにらむばかりだ。


「おねえとはイチャイチャしてるのに」

「ぐっ」


 痛いところを突かれた。確かにノエルねえとはイチャイチャしている。


「あ、あれは……ノエルねえマジックと言いますか、ついプロレスごっこしたくなると言いますか……」

「おねえばかりズルい。私にもプロレスごっこプリーズ」

「プリーズとか言われてもな」


 試しにシエルの頭にチョップを入れてみようとする。

 で、できない……。面と向かってやろうとすると、シエルの高貴な女王オーラや鋭い雰囲気の美人顔で躊躇ちゅうちょしてしまう。

 ノエルねえ莉羅りらさんならポコポコ叩けるのに。


「くっ、クレオパトラは、その美貌でカエサルとアントニウスを虜にし、楊貴妃は玄宗皇帝が寵愛し過ぎて傾国の美女と呼ばれ、ヘレネは美貌で戦争を引き起こしたという……」

「は? 何のこと?」


 突拍子もない俺の話で、シエルがキョトンとする。


「つまりだな、シエルは傾国の美女に匹敵する――」

「ちょ、ば、バカなの? ふざけてる?」

「ふざけてないぞ。シエルはクレオパトラ、楊貴妃、ヘレネと並び世界四大美女に――」

「も、もうっ♡ ばかばかぁ♡ そんなこと言っても誤魔化されないから♡」


 トタトタトタ、バタンッ!


 恥ずかしさが限界に達したのか、シエルは逃げ出してしまった。やっぱりオコチャマだぜ。


「って、待てよ。俺も超恥ずかしいことを言ったような? くっ、シエルが超美人なのは周知の事実だと思ってたけど、本人に自覚は無いのか?」


 恥ずかしくてシエルと顔を合わせづらい気もするが、朝になれば忘れているのを願って寝ることにした。


「ふぅ……シエルは俺の嫁…………」


 独占欲丸出しの俺は、問題発言しながら眠りの世界に落ちていった。



 ◆ ◇ ◆



「んっ……朝か……」


 天国のように心地いい匂いと感触で目を覚ました俺は、体の上に乗っている抱き枕を引き寄せる。


 ぎゅっ!

「ふぁあぁ♡ そうちゃぁん♡」

「って、抱き枕じゃねえ!」


 俺が抱いていたのはノエルねえだった。

 また寂しがり屋おねえの夜這いだったか。


「こ、こら、スケベねえ、朝だぞ。起きろ」

「んんっ……そうちゃん♡ もっとぉ♡」


 ノエルねえの口から色っぽい寝言が漏れる。


「こら、何の夢を見てるんだ? エッチかよ」

「あふぅん♡ エッチじゃないもん」

「起きろ、スケベねえ


 ポコポコポコ!


 ノエルねえの頭にチョップを入れてやった。お仕置きされたそうな顔しやがって。


「やぁん♡ そ、そうちゃんダメぇ」

「起きたか? ノエルねえ

「も、もうっ、そうちゃん。女の子の頭を叩いちゃダメなんだよ。メッだよ」


 さっきまで甘えん坊だったのに、起きたら年上ぶるノエルねえだ。


「メッなのはノエルねえだろ。また夜這いして」

「よ、夜這いはしょうがないんだよ♡ だって、夜中はシエルちゃんとイチャイチャしてたでしょ」

「聞かれてたのかぁ……」


 三大美女だか四大美女の話をした記憶があるが、つい声も大きくなっていたのだろう。


「シエルちゃんばかりずるいよぉ♡」


 ノエルねえがシエルと同じことを言う。

 お互いに相手のイチャイチャで嫉妬しているようだ。

 どうしたものか。

 これ、どんどんエスカレートしそうな気がするぞ。


「ねえ、夜中もシエルちゃんとキスしたの?」


 俺の上に乗ったノエルねえが、グイッと顔を寄せる。柔らかなのがムギュッと当たって全く動けない。


「し、してないよ……」

「そうなの?」


 ノエルねえの顔が、ホッとしたような嫉妬のようなもの欲しそうな感じになる。


「そうちゃん♡ 私もキスしたいな♡」

「えっ、あ、あの、ノエルねえ?」

「だって、結局お風呂でも部屋でもキスしてくれなかったでしょ」


 そうだった。お風呂ではシエルの乱入で、部屋では恥ずかしくて俺が止めたんだった。


「ねえ、キス……お願い♡」


 ノエルねえの顔が迫る。S級美少女でありながら、どことなく愛嬌がある顔が。



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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
ブレイブ文庫 第2巻
COMICノヴァ

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