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甘々姉と嫉妬妹に愛されすぎる同居生活♡ ~親の再婚で幼馴染姉妹と家族になったけど、どっちも愛が重くて寝かせてもらえないのだが~  作者: みなもと十華@姉喰い勇者2発売中
第4章 愛とお仕置きと運命と

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第106話 斯くして修羅バトルは始まった

 夏休み真っただ中。窓の外は灼熱の季節。道路のアスファルトが溶けそうなくらいの蜃気楼しんきろう

 俺は自室から外の景色を眺めながら考えていた。


「うーん、どうしたものか。記憶が戻ったのをノエルねえにも説明しないとな」


 旅行から戻った俺だが、正直なところ環境の変化に戸惑っていた。

 あのクールで塩対応だったシエルが、俺と二人っきりになると甘えてくるのだから。


 コンコンコン!


 噂をすれば何とやらだ。部屋をノックするのはシエルだろう。


「壮太、入るよ」

「お、おう」


 ガチャ!


 ドアを開け入ってきたシエルだが、もう気持ちが昂っているのか上気した顔だ。

 そのまま俺へと歩みより、そっと胸の中に寄り添ってきた。


「ふふぅ~ん♡ 壮太成分補給♡」

「お、おい、抱きつくなよ」

「だぁーめ♡ 充電は一日五回♡」


 俺の胸で顔をスリスリするシエル。滅茶苦茶可愛い。


「おい、もうそろそろ……」

「壮太はシエルを好きになる……壮太はシエルを好きになる……壮太はシエルのことが大好き……」


 シエルが例の催眠をしてきた。俺の耳元に顔を寄せて。


「うわっ、それはヤバいって!」

「もうバレちゃったから関係ないもーん♡」

「こいつ、開き直りやがったぞ」

「あははっ♡」


 くっ、こんな甘えん坊になっちゃうなんて。俺はどうしたら良いんだ。


 そんなシエルだが、キスしそうなほと顔を近づけてきた。


「ねえ、壮太♡」

「え、えっと、何だ?」

「返事は?」

「えっ?」

「返事はいつ聞かせてくれるの?」

「な、何の話だ?」


 ズバシッ! ズバシッ!

 シエルが俺の腹にパンチを入れる。


「おい、シエル。腹パンするんじゃない」

「もうっ♡ 誤魔化そうとする壮太が悪い♡」

「うっ」

「高校生になったら返事するって言った」


 やっぱりアレだよな。子供の頃に約束した、結婚するってやつ。

 シエル……本当に子供の頃の……。


「もうちょっと待ってくれ……」


 そう言った俺に、シエルは鋭い女王顔で見つめてくる。

 だからそれ怖いんだよ。なまじ超美人なだけに、怖さも百倍だ。


「ふーん、そうなんだ。なら強引にでも」

「おい待てって」

「壮太、お座り♡」

「俺は犬じゃねー」


 嬉しそうな顔でドSっぽくなるシエルが怖い。満面の笑みだ。

 シエルに命令されると、本当にひざまずいて足を舐めそうで怖いんだよな。

そんなシエルは、ニッコニコで怖いことを言う。


「もうビシバシ躾けて言うこと聞かせようかな?」

「だからやめろって。シエルの女王様プレイは洒落にならん」

「うふふっ♡ 壮太のエッチ♡」


 マズい! 非常にマズい! シエルがその気になったら、俺は抗えそうにない。ただでさえ可愛くてたまらないのに、積極的に来られたら受け入れちゃうだろ。


 そんな時、階段の方から莉羅りらさんの声が聞こえてきた。


「壮太君、居るかしら?」

「はあーい、何ですか?」


 ガチャ!


 莉羅りらさんがドアを開けるのと、シエルが俺から離れるのが同時だった。

 素早く体を離したシエルは、しれっと何食わぬ顔して髪をいじる。


「壮太、ちゃんとして。じゃ」


 いつもの塩対応になってクールな声を出す。しかし、首まで真っ赤にしていて説得力は皆無だ。

 莉羅りらさんの視線を受けなら、シエルは自室へと戻っていった。


 シエルが居なくなってから、莉羅りらさんは俺の顔をマジマジと見る。


「壮太君、避妊しないと……」

「エッチしてません」

「そう……してないのね。だったらぁ♡」


 真面目な顔の莉羅りらさんが、とろんと蕩け顔になるのも一瞬だ。


「壮太君♡ リラちゃんならゴ○無しでもOKよん」

「冗談キツいですってリラちゃん」

「ああぁ~ん♡ 壮太君のイジワルぅ♡」


 今日も今日とて、莉羅りらさんは莉羅りらさんだった。




 気を取り直した俺は、ノエルねえの部屋に向かった。

 今から記憶の件を説明せねばならんのだ。


「よし、行くか」

 ガチャ!

「あっ」


 俺がドアノブに手を掛けようとした時、勝手にドアが開きノエルねえが顔を出した。


「そうちゃん♡ 何か用かな?」

「あっ、ノエルねえが用事ならまた後で」

「良いよ♡ そうちゃんなら大歓迎だよぉ♡」

「ちょい待て! 服を着ろぉ!」


 最初はドアから顔だけで気付かなかったが、全身を出したノエルねえはズボラ夏仕様だった。

 上はヨレヨレのTシャツ。下はパンツ一丁。エッチ過ぎて直視できない。


「きゃっ♡ 見ちゃダメぇ」


 必至にTシャツの裾を押さえて恥ずかしがるノエルねえ。エッチなベビードールは恥ずかしくないのに、それは恥ずかしいんだ。



「もう大丈夫だよぉ」


 下にジャージを穿かせて一段落させた。俺がプレゼントした微妙にダサいやつを。

 バッチリ似合っているぞ。


「って、何か臭いそうな気がする」

「臭わないよぉ~!」


 俺が洗濯してなさそうなジャージを指摘すると、ノエルねえはムキになって言い返してきた。


「ノエルねえ、これ洗濯したのいつ?」

「えっと、ええっとぉ……」


 こりゃ、洗濯してないな。

 夏場で汗を吸いまくっている気がする。


「もう洗濯はいいや。それより部屋が更に散らかってるじゃないか」

「えっと、えっとぉ……」


 ノエルねえの目が泳ぐ。

 やっぱりズボラねえだった。


「もうっ、妹のシエルは料理も勉強しているのに、ノエルねえは食べる専門で、しかも部屋は散らかり放題だと」

「わぁ~ん! ごめんなさぁい」


 ぽこんっ! ぽこんっ!


 ノエルねえの頭にチョップを入れてやった。


「こらぁ! ノエルねえと結婚する旦那さんは大変だな。料理も掃除も全部しなきゃならんのかぁああ!」

「え~ん♡ そうちゃんお願い♡」

「俺がする前提かぁああ!」


 って、ちょっと待て! 俺が旦那の設定なのかよ!

 もう照れ隠しでお仕置きだぜ!


 ペチン! ペチン! ペチン!


 今度はケツを叩いてやった。むっちりデカいノエルねえのケツをお仕置きだ。

 ビーチでは遠慮していたが、二人っきりなら容赦しないぜ。


 ペチン! ペチン! ペチン!


「きゃぁああっ♡ そうちゃん許してぇ♡ あぁ~ん♡」

「くっそぉ、お仕置きされたそうなケツしやがって」

「ふえぇ~ん♡」


 しまった。ついテンションが上がってやり過ぎた。女子のケツを叩くとかセクハラ案件だぞ。

 しかも、お仕置きされているノエルねえが嬉しそうなのが、余計に熱が入ってしまうと言いますか。


「どうだ! 反省したか?」

「あっ♡ そうちゃん♡ もっとぉ♡」

「ぐはぁ! ノエルねえがドM(ねえ)にっ!」


 蕩けた表情のノエルねえが、上半身を俺に預けたままケツを高く上げおねだりした。

 こんなスケベねえは、俺の理性がもたないぞ。


「コホンッ! えっと、今日は話があって来たんだ」


 軽く咳払いして襟を正す。このままだと本当にエッチな展開になりそうだから。

 ただ、ノエルねえは少し残念そうな顔をしている。


「もうっ、途中で止めるなんてイジワルだよぉ♡」

「えっ、何か言った?」

「な、何でもなぁい♡」


 四つん這いになっていたノエルねえが、体を起こした。


「えっと……大切な話なんだけど」

「やっぱり旅行の時からだよね?」


 ノエルねえの一言でハッとする。気づいてたのか?

 いつもボーっとしてるようでいて、意外と鋭いな。


「ノエルねえ、気づいてたの?」

「何となく。旅行で怪我をしてから、ずっとそうちゃん考え込んでたし」


 そんなに顔に出てたのか?


「それでさ、俺、記憶が戻ったんだ」

「そうちゃん……良かった。良かったね」


 ノエルねえの柔らかい体に包まれる。抱きしめられたんだ。

 こういうところは母娘そっくりだな。


「もうシエルちゃんには言ったんだよね?」

「うん」

「安心した。シエルちゃん、ずっと気にしてたんだよ」

「うん」


 ぎゅ~っ!

 ノエルねえの腕に力が入った。むっちむちなGカップを押し付けるように。


「これで遠慮は要らないよね。そうちゃんの記憶が戻って、シエルちゃんとフェアになったから」

「えっ、何のこと?」


 背中に回したノエルねえの手が、俺を求めるようにまさぐっている。まるで愛しい人を求めるように。

 潤んだ瞳で俺を真っ直ぐに見つめながら、ピンク色のくちびるを半開きにした。


「そうちゃん、好き♡」


 えっ? えええっ!? ええええええええええええええええええええええ!?



 第4部開始です。

 ついに姉妹が本気出したぞ!

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姉喰い勇者と貞操逆転帝国のお姉ちゃん!

書籍情報
ブレイブ文庫 第1巻
ブレイブ文庫 第2巻
COMICノヴァ

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