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「いいのです、姫様。私は大抵の問題は解決する自信がありますし、いざとなれば1人で生きていけるだけのスキルはありますから。」
「そうね、貴女は優秀だものね。」
にっこり笑って伝えれば姫様も微笑んでくれた。
姫様は優しくて思いやりがあるし、侍女仲間は皆優しくて、職場の雰囲気も良い。
お給料だって十分貰っている。
私はこの職場を心底気に入っているけれど、あと2年もしないうちに姫様は隣国に嫁いでしまう。
この上ない職場も、お給料も失ってしまう日が近いのだから、嫁ぎ先とまでは行かなくても、次の職場を早く探さないと。
そう、私は心の中で焦っていた。