表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

深淵の元勇者

「どうして私の実家に来る、自分の家に帰れ」

「勇者仲間だろ!助けてくれよ!」

40を前にした私の実家に、完全にオジサンな真眼の勇者がやってきた。勇者のコスプレで、しかも勇者の大剣を背負って。

困惑した老いた両親からの緊急の連絡、寿命が縮んだらどうしてくれる。警察に突き出してやろうか。

「自分の家に行ったよ、無くなってた。高校もなくて駐車場だわ、光輪の勇者の家は空き家で売り出されてた。浄化の勇者由来の場所なんか行きたくもねえ!あの淫乱メギツネが!」

「なら異世界に帰れ」

この馬鹿を客間に座らせて、私は両親と共に向かい合った。

「……そうだけどさあ……俺、光輪の勇者と帰りたいんだよね……」

「は?」

一瞬真眼の勇者が何を言ったのか分からなかったが、どうやら光輪の勇者は私と同じく戻っていたらしい。

「藍ちゃん、行方不明になってた子なの?大丈夫?警察呼ぶ?」

「お母さん、俺は怪しいものではありません。深淵の、とは10年勇者パーティを組んでいた仲です」

「勝手に母親と呼ぶな、馴れ馴れしい。お前たちと関わる気はない。出ていけ、そして自力でなんとかしろ」

「なんとかできないから助けてください!」

「まあまあ、真眼の勇者だったかしら?ご飯は食べた?藍と同い年くらいよね。お腹すいてたら言ってね」

「お気遣いなく」

この野郎……図々しくも母の手料理を食ってやがる。どうしてくれようこいつ……しかし両親の手前、追い出すわけにもいかない。

なぜこいつはこんなに図々しいのか。


10年行方不明になるわ、友人いない、恋人いない、人付き合い苦手な40前の一人娘に男の友人?が訪ねてきたのが両親はよほど嬉しかったようで、馬鹿は実家に居座っている。

仕方なく、光輪の勇者探しを手伝うことにした。さっさと見つけて異世界に送り返そう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ