表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
近代革命魔法少女レース=ノワエ  作者: 八島唯
第1章 聖アリギエーリ高等女学校
17/52

判決

 すざくは身動きが取れなかった。あまりに突然の出来事。眼の前の光景がゆっくりと動き、そして真っ黒い闇へと変わる。すでにその刀身は、自らの身体を真っ二つに両断しているはずで――あった。

 まばゆよりばかりの青い光。激しく、そして雷のようにうなる。

「大丈夫か」

 唯依ゆよりの遠くから響く声。そして唯依ゆよりの振り向いた顔がすざくの目の中に、飛び込んでくる。

「......!」

 検事やさかはまるで空中に浮くような状態で、太刀を振り下ろしていた。それを右手――素手で『つかんで』いた。

 すざくはあまりのことに目を見張る。

 素手で刀をつかんでいるのだ。

 青い光がさらに、輝きを増す。軽く唯依ゆよりは右の手のひらを返す。するとまるでなにかに弾かれたように、太刀ごと後ろに検事やさかが吹っ飛ぶ。

 右手をすっと下ろす唯依ゆより。そこから流れ出る青い光は、まるで滴り落ちる水のように床に広がっていく。

「みなさま、見ましたか」

 立ち上がりながら季代としよが大声でそう叫ぶ。

「あれは――魔法少女の使う魔法の一つ。防御魔法ですわ。『青き光を持ちて、大手の軍勢これを退ける』とも古典にも記されています」

 検事やさかは太刀を杖によろよろと立ち上がる。にやっと笑みを浮かべながら。

(罠だったの......?唯依ゆよりの正体を暴くために......)

「馬脚を現したな!生徒唯依ゆより!もう、言い訳は聞かんぞ!」

 検事やさかがそう苦しそうに喘ぎながらいい放つ。

「検事、任務ご苦労ですわ。これにて真実は明らかになりました。魔法少女は生徒唯依ゆより。以上の真実を持って、判決を下します」

 扇子をすっと首の横にスライドさせる季代としよ。その表情は今まで見たこともないくらいに禍々しく、怒りと喜びに満ちているように見えた。

「死刑!古の有職故実に基づき、国家に仇なす魔法少女はその場で討ち果たされるが必定!」

 その声を合図に、一斉に響き渡る金属音。この裁判を見ていたヴィヴォンヌ集会の生徒たちが手に拳銃を構えていた。

 四方から囲まれる唯依ゆより。すざくが唯依ゆよりに抱きつく。

「如何に魔法少女とはいえども、四方からの一斉射撃を防御魔法で防ぐことができますかね?古の習わしであれば、斬首が適当ですがこれも時代の流れ。死んだ後にその首を落として差し上げますわ......!」

 高笑いとともに、季代としよがそう叫ぶ。

 唯依ゆよりはたじろぎもしない。

 後ろにいる伊集中佐はただ、この状況をじっと見つめているだけだった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ