忘れないで。
「ただいま~疲れたぁ」
「おかえり、今日もお疲れ様」
「ありがとう~、着替えてご飯食べるね。」
「うん!」
…
「ねぇ、今日何の日か分かる?」自分でも分かってた、望んだ答えなんて返ってこない、期待はしちゃいけない。って
「ん〜なんだっけ?俺忘れっぽいからさぁ。わかんないや」
「分かるよー、考えてみて…?」でも、もしかしたら思い出してくれるかもなんて思って
「わかんないよ、疲れてんの忘れるからカレンダーにでも書いといて」書いてあるよ。私の誕生日、付き合いたての頃は言わなくたって覚えててくれてたのに。
「もういい」
「え、、」とっ散らかった言葉をぶつけて逃げるように寝室に来てしまった。
「ねぇ、開けていい?」彼がドアを開けた。
「泣いてるの?誕生日だよね、ごめん。今度お祝いしよう」分かってた。けど、何でこんなに涙が出るんだろう。それでも、
「ねぇねぇ、あのね、好き…だよ。」
「うん」かえってくる返事が分かっていても彼の口から聞きたかった。
けど聞けなかった。
「俺はずっと好きでいるよ。そばにいるよ。」忘れっぽい彼はそんなことを言ったのも、きっと忘れちゃったんだ。
忘れっぽい彼の短所も短所じゃなかった時毎日が楽しかった。
あと何回忘れちゃうのかな…