戦慄の第一楽章
夢を、希望を胸に、生きていこう!!!!
『少年よ…。そなたは…今幸せか…?』
「幸せ?笑わせんな。俺は幸せなんて知らねえよ」
『ほう…。ならば何故そなたは…戦う…?』
「そんなの、この馬鹿げた戦争を終わらせるためだ」
『何のために戦争を止める…?』
「大切な人を、幸せにする。自由に生きるためだ」
『しかし…。そなたの大切と言う人は…もう…』
誰だよ…これ…。何で殺されてんだよ…。
『ダイラ・ヴィゲナよ…。そなたは…まだ…』
「はぁはぁ……」
まただ。またこの夢だ。
「大丈夫か?また魘されてんの?」
「悪い。起こしちまった?ケリー?」
「いや、起きてっから聞いてんの」
「あ、あはは…」
朝から的確かつ冷静なツッコミありがとうございます。
「んで?どんな夢なの?」
「いつもと同じだ。誰かに話しかけられて、俺が答えて…そ、それから…」
いつもそうだ。これを言うときは口籠っちまう。
「そ、それから…、誰かが俺の目の前で惨殺されて、俺は動けずに、ただただ泣き喚いてる…」
最近毎日だ。この夢は何かの正夢か?
「ダイラはその惨殺された人に覚えはないの?」
「ああ…。そう、そこが問題なんだ」
その人に心当たりのある人物は俺の知る限りいない。
「そうか…。同期の訓練兵にいないか、今日は訓練も座学も休みだから見てみる?」
「うん。そうする」
ケリーこと、ケリー・ロドリゲスは俺と同期の109期生の訓練兵で寮の部屋も同じ奴で顔はフツメンだけど、性格はすごくは良く奴だ。
「ん。んじゃ、まだ3時だから俺はまだ寝るよ。ダイラも眠いだろ?」
「ああ、まあ」
「ん」
そう言うとケリーはまた、ベッドに潜り込んだ。
あれから何分くらい経ったんだろ。目、冴えて全然寝れねえ。隣のベッドからは寝息が聞こえる。
「なぁ、ケリー……?」
「…」
駄目だ。寝てる、確実に熟睡してる。
あ、そうだ。今のうちに言っとこ。俺達はメルディア王国の軍に入っている。なぜかというと…今、この世界は戦争をしているから。ただ、爆弾などの兵器を使うような、兵器がものいう戦争ではなく、『魔力』による戦争だ。今、世界の人口の半数が『魔力』を持つという超人だらけの社会。だけど、初めのうちは魔力を使って戦争などしなかった。魔力は最初、見世物にしか使われない程度だったのだが、ある日、かなりの攻撃性を持つ魔力を持った人間が誕生してしまい、その人間が見世物だけでは満足できず、国を跨いでの戦争を始めてしまった…。そしてこの魔力による戦争はもう100年あまり続いており、収束を見せない。
「…でもなぁ……」
魔力が宿るのは生まれた直後か、母親のお腹の中にいる時か、遅くても10歳になるまでなのだが…。
「何で11にあってから宿ったんだろう…?」
そう。俺が魔力を宿したのは11歳になってからなのだ。だが、俺は魔力を宿した時の前後の記憶が全く無い。だから、どういう状況で宿したのかもわからない。ただ、家族の顔はちゃーんと覚えている。名前も。父親が『ゲべイラ・ヴィゲナ』で母親が『オリビア・ヴィゲナ』。だから、本当に魔力を宿した時の記憶だけがすっぽり抜けているのだ。
「はあ…。母さんのご飯食べてぇな…」
初めまして。黒羽翔斗と言います。
この度は読んでいただいてありがとうございます。まだまだ、ヘタクソですが今後も読んでいただけると嬉しい限りです!
よろしくお願いします!




