最終話 いつもの青い空
のんびりやっていくゼヨベイベー
「よし、いこうスピカ」
「ピューイ!」
寄り添っているスピカに手をかけてゆっくりと立ち上がる。
息が乱れてる、深呼吸して落ち着いて。
「ピュイ?」
スピカが僕のしかめっ面を見て心配そうに声をあげる。
「大丈夫、いつも通りだよ 今日もあの月をめざそうか」
「ピューイ!」
スピカに付けてある鞍に足をかけてバランスを崩さないように
しっかり力を入れてスピカの上まで登る。
「ピュイ」
スピカが翼をめいっぱい広げる、相変わらず空のように青い綺麗な翼だ。
スピカがバサバサと音を立てて羽ばたいた、落とされないように
手綱を力いっぱい握りしめる。
「ピューイ!!」
僕を乗せたままスピカは空に舞い上がった。
グングンと高度を上げて白夜に浮かぶ満月へまっすぐ飛んでいく。
「ハハハ、見ろよスピカ ポメランが必死に走って追いかけてきてる」
「ぴゅいぴゅい」
あぁ、良い風だ でも少し冷える。
それでも満足だ「なぁ、スピカもそう思うよな?」
「ピュイ!」
ポメランとの距離が離れていく。
目線を戻すと、いつもの青空だ。
「ありがとうな、スピカ、ポメランも」
「ピュ~イ!!」
今こうして空に居るのはみんなのおかげだ
直接言わないと伝わらないのだろうけどそれでも
心の中で届くようにとあの月に祈ってみる。
みんな ありがとう
遠くなるポメランの声とスピカの声に包まれながら
僕はそっと、目を閉じた。
一か月に一回更新したらマシ程度に思っていてください。