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プロローグ

一応、プロのライターなのですが、処々あって現在リハビリ中です。

文章のリハビリに書き殴った物ですが、よろしければ読んでやって下さい。

 いい加減疲れた仕事の帰り道、いつもの弁当屋とコンビニに寄って、遅い晩飯と酒を調達する。

 アラサーのサラリーマン、技術職。テクニカルライターをやっているのが自分だ。

 テクニカルライターと言う仕事は世間では馴染みがないだろうが、要するに説明書、マニュアルを書く仕事の事である。

 世の中には「説明書の作成」と言うのを専門にしている会社が何社もある。実際の説明書を作るためには、その製品の仕様、使い方を完全に把握し、解りやすい説明にして、イラスト、体裁を整えて編集すると言う結構な手間がかかる。

 その中でもテクニカルライターは、その製品の仕様や使い方、注意点などを把握して文章を書かなければならない。電子機器や電気機器、コンピュータ関連品、機械関連品、薬品等それぞれに専門知識が求められる難しい仕事だったりする。

 ただ、技術職な上に専門職なので、なり手は少なく、待遇はかなり良い。アラサーなのに年収は600万を超えている。

 特にマルチに多方面が書ける人間は業界でも十指で数えられるほどしかいないので、当然待遇が良くなるが、お蔭でデスマーチが発生すると言う、環境はあまりよろしくない職場だったりする。

 しかも書くだけが仕事ではない。イラストの詳細を社内のイラスト部門に発注したり、ディレクターさん達やクライアントとの打ち合わせ、社内会議への参加等ライターとは関係ないような仕事も発生する。特に自分の会社の場合は校正校閲部門が無いので、社内全員での作業となるのだが、書いた本人に佼成をさせるってどうよ? ましてや校閲何かできないよ。ありゃ専門職だ。

 クライアントが大手の場合は、そちらに佼成校閲部が有ったりするので楽なのだが、中には「間違いがあるからやり直し」とだけ言ってくる会社もあったりする。某有名電機メーカーの子会社だ。

 見つけた間違いを個別に指摘すれば良い物を「間違いがある」とだけしか言ってこないと言う、嫌がらせとしか思えない会社である。

 「世の中に誤植のない書籍は存在しない」と言う常識を知らないらしい。実はこれ、千年以上前から広く出版されている聖書やコーランでも同様に誤植はあるし、現代でも同様だったりする。

 これの代表が某有名電機メーカーの子会社、役に立たなそうなオフィス用の複合機を作っていたメーカーだった。

 正直、オフィス用の複合機は二大トップメーカーの寡占状態で割って入れる市場ではないのは素人でも解る状態なのに、そこに性能の悪い機械で割り込もうとする馬鹿なメーカーだった。ちなみに複合機と言うのはコンピュータ用のプリンタ、FAX、コピー機が一つになった機械だ。

 営業さんが取ってきた仕事なので、普通に引き受けたらクライアントが完全なキ〇ガイだった。当然その事を上には報告したのだが、信用されないので受付窓口を上役に丸投げしてみた。結果、上役は胃を壊して入院してしまったりと、個人的には面白い状況になったが、お蔭で仕事量は増えてしまった。痛し痒しである。

 その後、業界の懇親会の折に、質問されたので全部正直に答えてみた。当然自社ではその会社の仕事は一切受けないし、現状では他社も受けるところが無くなって困っているらしい。知ったこっちゃねぇw


 で、そんな帰り道、弁当やらつまみと酒やら、自分のカバンやらを手に自宅に向かう途中、横断歩道を渡ろうとすると、無視するような勢いのトラック。

 しかも、その予想邂逅地点に小学校低学年くらいの女の子。

 脳内で「ヤベッ!」っと警報が。考える前に体が動いてしまった。悪い癖である。

 両手に持っていた荷物を捨てて走り出す。女の子を突き飛ばした瞬間、意識が暗転した。


 何秒か、何分か、何時間か何日かは解らないが意識が戻った。目の前には「見知らぬ天井」では無く白い靄が広がっている。

 そして近場から女性の声が聞こえる。

 「ようこそ、勇者よ…」と。

 短いフレーズの意味、自分の状況と意識、知識から最適解を絞り出す。職業病かもしれない。

 「チッ、トラドンかよ…」と小さく呟いた。

 「あら? 良くご存じで…」

 声の方に目を向けると、可愛いと言うか綺麗と言うか美人と言うか…

 もう絶世の美女とか、傾国の美女とか、人間の形容詞では表現しきれない程美しい女性が立っていた。

 「さすが女神…」

 言いながら居住まいを正して正座する。

 「あら? 貴方は私を直視しても大丈夫なの?」

 「へっ?」

 我ながら間抜けな声が出た。

 「だって私を見ると気が狂ったり、精神が崩壊したりする人が多いのよ?」

 解る気はする。クトゥルー神話系のゲームにあるSUN値がゴリゴリ削られる状態だ。0になると発狂するのだろう。

 「あ、いえ…生涯で見た物の中で、一番美しい物の100倍は美しかったのでびっくりしてしまって…」

 チラチラと観ながら正直に答えてみる。

 「まぁ、褒めても何も出ませんよw それにしても精神力が強い方なのですねぇ」

 女神がにこやかに言う。笑った顔は更に綺麗だ。もう、出来るなら写メを撮って世界中に公開したい位だったりする。やったらアイドルの9割以上が廃業に追い込まれそうだが。

 「それで、説明なんですが…」

 女神は、ほんの少しの期待を込めた目でこちらを見ている。可愛い!

 「自分はトラドンで死んだ、転生させてやるから希望を言え、何ならチート能力をやる、みたいな話なのでしょうか?」

 言った途端、女神の顔がにこやかに、と言うか安堵の顔になる。

 「色々とご存知のようで、助かります。希望はありますか?」

 晴れやかな笑顔で先を促す女神。

 思い切りベタな話らしい。もうこうなると最近の流行とかラノベ作者同士に密約でもあるとしか思えない。

 「あ、でも質問が一点。あの娘、助かったの?」

 すかさず返答がある。

 「ハイ! 多少の擦り傷が出来てしまいましたが無事でした。貴方のおかげです。ご両親も大喜びされていますよ」

 正直良かった。あのタイミングで助かったなら僥倖だろう。別に感謝が欲しいわけではないし、ご両親が喜んでくれているなら命を張ったかいがある。

 ひとつの命でひとつの命を何とかする。まぁ、無駄な人生ではなかったようだ。とても嬉しい。

 「まぁ、本当に良い人なのですね。今まで見た人間の中で、一番人が良い方なのかも…」

 女神の言葉にちょっとカチンと来て言ってみる。

 「あのね、人が良いは褒め言葉じゃないから…」

 困惑の表情を浮かべる女神。この人、マジで天然だ。余計可愛く見えてしまう。

 「あ、え~と、こちらの希望ですよね?」

 話を本題に戻してみる。

 「あ、えぇはい!」

 本当に綺麗で可愛い。嫁にならないかな?

 「基本は僕がいた世界の15~16世紀位のテクノロジーがあって平和な世界。欲しいスキルは絵を描くスキルと発明のスキル。どうでしょう?」

 とりあえず希望を言ってみる。

 「それだけで良いのでしょうか?」

 意外な答えが返って来た。

 しばし考えてから「全部チャラで良いので貴女が僕の嫁さんになる等と言うのは…」

 言った瞬間、女神が赤面した。満更でもないらしい。

 「それは、流石に…」

 断られたか。でも、脈が無いわけではないみたいw

 「もう一つチートスキルが付けられますが?」

 との言葉に「では戦闘」と速攻で答えた。

 「では、その世界の平和を護ってください。頑張って、私も貴方が好きです…」

 再び意識が暗転する前に「良かった~」と正直思った。

 

余りにも長くなりすぎたので、連載とさせていただきます。

つか、こんなに長いの書いたの初めてかもw

1週間以内に続きは発表しますのであしからず。

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