第5話 討議
「ん?……眩っっ!電球がある?今度は空じゃなくて知らない天井…何が起きたんだっけ?」
どうやら俺は運ばれている途中で疲れのあまり眠ってしまったようだ。
そこはベットとイスがあるだけの質素な個室だった。
「起きたようだな」
「あっ……今さっきの美女」
「ふふっ 美女とは嬉しい限りだな。まあ、とりあえずついてこい」
俺は言われるままその個室を後にした。
→→→→→→→→
「ここだ。入れ」
そこは少し大きめの会議室だった。
そして、そこには顔を隠した5人の上層部の人間がいた。
「これってもしかして俺の処分をどうするかの会議?」
「察しがいいな。そうだぞ」
(死刑とかになったらどうしよう…)
「まあそう案ずるな。私は個人的に貴様に興味がある。だから上手いこと話を進めてやるさ」
(え、なんか照れる。って浮かれてる場合じゃねーだろ)
国王「コホン では討議を始める。まず、お主にいくつか質問を…」
東の将校「国王! こいつはきっと敵軍の仲間です。即刻死刑にすべきです」
(出たー1人はいるであろうすぐに殺そうとする奴〜)
国王「少しは落ち着かんかこの心配性。質問してから決めても遅くないだろう。まあ、気を取り直して質問を始めるぞ」
Q.お主は敵軍の関係者か?
A.違います。
Q.お主は味方か?
A.いいえ。味方でも敵でもありません。
Q.お主は何者だ?
A.砂川 速人です。
国王「それ以外のことも答えよ。うーんそうじゃな……では門地は?」
「それは……日本です……」
将校たち「ニホンって聞いたことないよな?怪しいな。ざわざわ…」
東の将校「怪しい。やはり即刻死刑に…」
美女「ちょっと待ちなさい」
東の将校「何を言っているんだ指揮官よ。どう見ても怪しいじゃないか!」
美女「だからちょっと待ちなさいって言ってるでしょ。国王、まだ報告していないことがあります」
国王「なんだ?」
美女「この者は姫を救いました」
国王「それは今さっき聞いたはずだが?」
美女「はい、言いました。そこで付け加えがあります。この者は1人で敵兵5人を倒しました」
国王たち「なんじゃと!? 嘘だろ?」
美女「いいえ、紛れも無い事実です。この者の功績はとても大きいと言っていいでしょう。ですが、確かに身元不明というのは怪しいです。そこで1つ提案があります。この者を私の直属の部下兼相方にしてはいただけないでしょうか?無論、何か騒動が起きた場合は私が責任を取ります」
国王「そういうことなら……いいだろう。
許す。」
そして、なんとか討議は終わった。
「ありがとうございます」
「気にしなくていい。生憎、今の私たちには速人のような人材が必要なんだ。後、敬語は使わなくていい」
「必要ってどういうこと?」
「その話は後だ。それよりもまずは自己紹介だ。私はマリル=ライト、気安くライトと呼んでくれ。よろしくな速人。とりあえずお前の部屋に案内しよう」
ありがとうございました