第2話 チュートリアル(説明)
チュートリアル開始
「やっと目覚めたか」
頭の中に突然奇妙な声が流れてくる。
「誰だ?」
「うーん……神?いや、どっちかというとゲームマスターの方が正しいかな」
「ゲームマスター?」
「そう、ゲームマスター。僕は、死者をこの世界に転生させてその人が何を思い、どう行動するかを観察してるんだ」
「死者って……俺死んだの??」
「うん、死んだよ。ちなみに死因はショック死」
その言葉を聞いて全てを思い出した。
そして、自分の弱さに呆れた。
「大体は分かったけど1つ質問して良いか?」
「なに?」
「お前俺のこと全部分かってるんだよな?」
「そりゃもちろん」
「はぁ……じゃあ何で異世界転生なんていうファンタジーに満ち溢れたことをしたんだ!?おれがファンタジーを嫌いなことぐらい知ってるだろ!?」
「ああ……そのことなら問題ないから大丈夫」
「大丈夫ってなんだよ?」
「まあ落ち着いて今から全部説明するから」
そう言ってゲームマスターは咳払いをし説明を始めた。
「まず君にはこの世界で自由に生活してもらう。もちろん最初はある程度の物資を与えるよ。例えば水とか食料とか武器とか。まずここまではOK?」
「………うん」
「で、ここからが本題。まあ面倒だから一言で言わせてもらうと、この世界にファンタジーな要素なんて1つもない。魔法なんて存在しないし、とても平和と言えるような場所じゃない。下手すると死ぬかもね」
「し、死ぬ?死んだらどうなるんだ?」
「君の記憶や自我はなくなり完全に輪廻転生する」
情報の処理が追いつかず混乱した。
ただ、話の大枠は把握できた。
そう、簡単に言ってしまえばこの異世界転生は自分の思っているものとは違う。
まだ疑問は多く残っていたが、そのことを知っただけで俺は満足してしまった。
それよりも重要なことを聞く必要があったのにも関わらず…
「じゃ 支援物資は後ろの箱に入ってるから後はご自由に〜」
それから声は聞こえなくなった。
「とりあえず箱開けるか」
宝箱とは程遠いい質素な木箱を開けると、
「まず、食料と水と地図とバックと……え?これが武器?」
そこには俺がゲームで愛用していた大型のスナイパーライフルが入っていた。
「マジかよ。俺の力でこれ持ち上げられるか?」
とそのライフルに触れた瞬間…
「ハンデ:筋力アップ」という文字列が頭に流れてきた。
「もしかして…」
その予想は的中した。
片手だけでライフルを持ち上げられたのだ。
「ゲームマスターもわりと気がきくなw」
そんなことを言いながら俺は、全てのものをバックに詰め、ライフルを背負い
「とりあえず国を目指すか」
といって旅だったのだった。
読んでくれてありがとう!
まだチュートリアルは終わっていない……