第2話 過去
3年前にまで遡る。
まだ、俺が学生だった頃の話だ。
「ハジメくーん。遅刻しちゃうぞ♡おっきろーー」
「おかんうるせえよ!!!!」
この幼馴染臭半端ないのが俺の母、アヤメである。
今日もうるさい。
学校の支度をしよう。
「今日提出するはずのプリントちゃんと持ってる?忘れ物なーい?歯磨い」
「もうわかってるよ!!!行ってきます!!」
俺は自転車に乗った。
でも、ペダルを漕ぐほどの力が湧いてこない。
それを説明するのには、語らねばならないことがある。
俺はいじめられている。
いじめられている原因はわかっている。
俺がロリコンだからだ。
なぜか、ちっちゃい子に好意を抱くと世間から弾圧される。
ストライクゾーンが低いだけなのに。
熟女に好意を抱くのは、世間的にはなにも言われない。
だが幼女に好意を抱けば、通報されること間違いなし。
たまたま興奮する対象が年齢の低い子というだけなのに。
人生が80年だとして、幼女である期間は10年かそれ以下なのだ。
一般的に、大人と言われる期間は少なく見積もっても30年はあるだろう。
だから、必然的に幼女好きは少なくなるのだ。
世間は普通が好きだ。
だから、この世界は嫌いだ。
しかし、俺は学校へ行かなければならない。
待ってる人がいる。
幼女だ。
クラスに幼女がいるのだ。
まあ、この幼女は俺の幼馴染なのだが。
幼女の力というものは、偉大なものだ。
俺は彼女の笑顔を見るためだけに、俺は学校へ行くのだ。
幼女、最高。
「おいロリコン。お前って小学生の靴舐めれるんだろ?さっさと舐めろよ。」
「持ってきてもらっても困る。だってその靴お前のじゃん。」
「ああ?正真正銘小学生の靴だ。さっさと舐めろ!!!」
嫌だ。
だってその靴にはおまえのションベンがかかってるじゃないか。
「さっさと舐めろやボケが!!!!!!」
痛い。
もうやめてくれよ。
これが始まってからもう半年になる。
もう、限界だ。
俺は逃げた。
もうこんな世界なんか無くなればいい!!
そう願った。
そして部屋に閉じこもった。
俺はロリコンじゃない。絶対ロリコンじゃない。
「ロリコンなんか嫌いだ!!!」
俺はそう願ってしまった。
だからこんな世界になってしまったのだ。
この、幼女しかいない世界に。
そう。この世界には、文字通り幼女しかいなかったのだ。
俺は男ではない。
幼女だ。
俺は幼女になってしまった。