霊銀の入手!
パスワード思い出したので投稿。
さてと、ようやく落ち着いたエイスさんと別れて、エルファくんと昼食を取ることになった。
俗に言う酒場、と言う場所のようだが、これまた人はいない。時間も実は昼時を過ぎていたようだ。三時くらいか?
で、問題は出てきた料理だよ!
コレがよくあるサンドイッチなわけで? しかもマヨネーズっぽいの入ってたわけで?
俺の計画が早くも潰れたわけだ!!
いや、可笑しいだろ? なんだこの異世界は人の計画をいちいち潰しやがって! ……はぁ。
「あ、そういえば、トシノリ殿はなぜ霊銀が必要なのです? 武具でしたら、こちらでも用意できますが」
あ? あー。そうね。霊銀ね。貰うんだったね。お兄さん忘れてたよ。
「何か霊銀器?ってのが欲しいからさ」
「え?」
エルファくん目が点。
「いや、だから霊銀器が欲しいからさ」
「トトットト、トシノリ殿は霊銀器を持っていないのですかっ?!」
エルファくん驚く。ほーん。なかなか可愛いじゃん。あ、いかんいかん。変な性癖に目覚めそう。
「あー、いやさ。家庭の事情でさ、手に入る機会が無かったんだよ」
「おかしいですよ!? 幾らなんでも、だって霊銀器ですよ? 持ってないなら、どうやって今まで……えぇ?!」
ソンナニカヨ。
この世界じゃどうやらよっぽど大切な物らしいな霊銀器。ついでだし、適当なこと言って情報掴んどいた方がよさげだな。これは。
「驚かれたって事実だからさ」
「……トシノリ殿は、もしかして違う世界からいらしたのですか?」
「え?」
「前に一度、ミヤ様に本を貸していただいたときに、読みました。異世界から来た人間は、霊銀器を持たなくとも呼吸ができると……」
「呼吸?」
エルファくんは頷く。
「産まれた赤子は霊銀に触ることで、呼吸を知るんです。だからこそ、この世界の人間は霊銀器をみんな持っている。でも異世界の住人はーー」
ガシッと手を握られた。うん?
「異世界人は霊銀器を持っていない! そして、太古からこの世界に現れた彼らは、英雄的伝説と共に語り継がれてきた! トシノリ殿は……いえ! トシノリ様はまさに彼等と同じく、英雄になるためにこの世界に招来されたのですねっ!」
「え、いやそれは……そうか? やっぱりそうか!」
「そーですそーですよ! 間違いないです!」
そんなに目を輝かせるなよエルファくんよ! いやぁ~、一時はどうなるかと思ってたがそういうことか。
この異世界はハズレかな~って思ってたが、ホント、疑った俺はバカでした。
「で、では、早速霊銀を貰いに行きましょう!」
勿論だとも。善は急げと言うしな!
と、言うことで加治屋に向かう。
その間にエルファから霊銀と霊銀器について色々と教えてもらった。
1、霊銀はこの世界には普遍的にある石ころみたいな存在だと言うこと。ただし、普段は見えないらしく、人間が生まれると、手のひらに現れて霊銀器になって、同時に呼吸ができるようになる。
2、霊銀器は1人一つまでで、成長ともに形が変わる。エルファくんのは、ブレスレットみたいなものだった。
3、能力は弱い。ミヤのゴミみたいなスキルはどうやらありふれた物らしい。エルファくんのもちょっと冷たくなるというものだそうだ。
4、死んだ人間の霊銀器は消える(見えない。触れない)か、霊銀(見える。触れる)に戻る。で、戻った霊銀は武具なんかに作り替えられているらしい。
5、異世界人は霊銀に触ることで霊銀器を産み出せる(らしい。本の知識だから、今まで確認できなかった)。
大まかにはこれぐらい。
よーわからん不思議物質だ。
そうこうしているうちに、加治屋に着いた。
「では、ちょっと待っててください」
「うん? 俺も着いていった方が良くない?」
「いえいえ。成人した人が霊銀器を作ったら、お店の人失神しちゃいますよ」
エルファくんに耳打ちされて、成る程ね! まあ、俺的にはそれでもOKだが、うむ。迷惑をかけるのは良くないな。
外で待っていると、2、3分でエルファくんは戻ってきた。
手には銀色のコインみたいなものを持って!
どうやら、コレが霊銀らしいな。
「ででで、では!」
「うむ」
霊銀を受けとる。何か普通の金属みたいだな。冷たいし、ちょっと重い。
握ってみると……おお? 光った!
「うわ! これが……」