我が研究の成果その一 【■とは】
テーマは「世界の見え方」。
……ええ、中二くさいテーマですみませんでしたね。
一つの芸術作品を見るのだって色々な解釈があるんですから、雪だるま式に世界が色々な解釈の中あったっていいじゃないですか。
ただ、その解釈を全部積み込んでも、その芸術作品を理解できるわけじゃないし、それに――むしろ、こっちがおかしくなっちゃいませんか?
秩序とは混沌を均す為に生まれた新たなる混沌である。
いわば基準である。
液体が混ざった中で、赤色が正義で青色が悪であると説いたような物である。
だが世界は混沌に満ちている。
この世界は何一つ自由無き世界である。
人が人を殺すのもある意味の秩序の結果であり、人が罪を犯すのも混沌の故である。
人は死ねば混沌に還る。生まれた際に秩序を持って生まれてくる。人という殻を以って生まれてくる。
しかし世界は自由無き世界である。
混沌である。
正義も悪も天使も悪魔も邪神も善神も外なる神も地底都市もはるか空高くも海の底までもリボンや化粧は勿論の事眼球も舌も脳みそも脊髄も感覚も瞬間も永遠も空も地も宇宙も原子も、全て原初たる混沌から秩序という殻をえて生まれている。
しかし殻は世界が作り出すものでは無い。
世界は混沌だから見るものによって姿を変える。
波動関数は観測者によって変貌する。
それが「普通」と思えば「普通」になるし、「異常」と思えば「異常」になる。
神がいると信じたから神は現れ、神は存在しないとしたから神は消えうせる。
あの少女は自分が好きと思えば好きになるし、嫌いであるとすれば嫌いなのだ。
宇宙の外には新たな世界があるとすればあるのだろう。無いとすれば無いのだろう。
秩序を作らなければ混沌から独立した存在は腐ってしまう。
だから無条件に全ての存在に秩序を作る。
貴女が好きな恋人も、時計も、ゲームも、デジカメも、犬も、猫も、鳥も、貴女自身でさえ全て貴女が作りだした秩序である。
だから争いが無いのが私の望みだから少なくとも私の周りには争いは少ない。
私がそう思って生まれてきたから世界に争いは少ない。否、見えない。
私が見る世界は全て清く美しく争いなき世界であるとされる。
でも貴女は如何だ。いや貴女ではない。私が観測し得ない貴女である。
つまり混沌に私は語りかけている。私が秩序づくってしまった貴女でなく混沌に沈む貴女に言っているのだ。
この声は届かないだろう。何故ならこの「言葉」という情報伝達方法がそもそも貴女の見る世界にあるかも判らないからだ。
貴女の見る世界は人が空を下にして、地に張り付く世界かもしれない。畜生は巨大化して怪獣となっている世界かもしれない。貴女はそれをヒーローとなって救う世界かもしれない。
それならまだいい。人間という概念が無くて貴女はプラズマなのかもしれない。星かもしれない。或いは私が認識できないような存在……ダークマターやダークエネルギーと言った存在かもしれない。私が使う「言葉」という概念そのものかもしれない。
その世界では人殺しが美徳で人助けが邪悪であり、女子高生は自分の手首に穴を開けてそこにビー玉の様なものをつけるのがファッションになるのかもしれない。一日一回転ぶのが人間の常で、全ての人間は薄っぺらい紙の様な物かもしれない。寧ろ宇宙という概念が存在せず、神の目線でこの世界を見ているのやも知れない。宇宙そのものかもしれない。私と貴女は同一なのかもしれない。
全て貴女にならなければ判らないことだ。でも決して私は貴女にはなれない。なる事は出来ない。
何故なら、私は確固たる世界の秩序を持ってして生まれているからだ。貴方のその混沌を見ることは、この眼鏡を掛けている以上見ることはできない。貴女の席に座るだけでは何も変わらない。
秩序とは混沌を均す為に生まれた新たなる混沌である。
私という存在と貴女という存在は混沌に渦巻いている。
果たして何時まで私は私で貴女は貴女だったのかは知らない。
私自身この瞬間に貴女と変わっているのかもしれない。
それでも私はそれを気づかない。何故ならその様に秩序を作ったからです。
私は何秒何分何時間何日何週間何ヶ月何年経とうとも私です。体の細胞は直ぐにとり変わりますがわたしです。私という意思は連続体であると考えるのが私の秩序です。私の世界は全ての人間がそう思い、そう動いています。
貴女の世界はどうでしょう。一日毎に貴女の人格は変わるのが普通の世界なのでしょうか。人格変更なんて整形と変わらない様に普通でしょうか。
どの道私が理解できる範囲の中には貴女の世界は形容しきれない位大きいのでしょう。多分それは変わりません。私自身が変わらないのですから、秩序が変化しないのなら、私という存在が混沌に呑まれる事が無いと秩序を齎されているのですから、私が理解できるわけは無いのです。
私は私でありながら私で無いのかもしれない。貴女は常に貴女です。何故なら貴女は私が観測できない存在だからです。観測できない以上波動関数は収縮せず拡散したままであります。よって全ての事象・存在に枝分かれした存在であるのです。それが貴女なのですから、私がこの秩序を破らぬ限り貴女は貴女であり続ける。拡散したままの貴女なのです。
結局私は何を言いたいのでしょう。私にもわかりません。
いえいいたいことなどないのでしょう。わたしはこんとんにそまったそんざいなのですから、いかにちつじょをもとうとて、けっきょくはこんとんのなかにあるえのぐのひとつなのです。
つまりおまえは屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑うんちっちだ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だももも屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だぽおおぽおおおおおおおおおおおおおおぽおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑かるかるかるかえるかるかるかるかるかるのだ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だあああああ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑わたしかわいいのだ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だっヴぁはははははあああはあああああああははははっははははははああああああああいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあくとぅるううううううううううううううううううううううううううううううあうううううううふたたたああああああぐうぐぐぐぐんんんんんんんんんんんんんんんn!!い!あ!い!??ああ??あ?ぐぐるるるるるるぐなぐなななななああああああいいいいいあいあいあいあいあいあいあいあいあいあはすたああああああああああああああああああはすはすはすたああああああああああああああああああああああららららいいいいいのれすぱぱしへろろろんだあーすだーす!!ど?どどどどどりいいいいいいいるうううあうううのかるめきりすとれでるきるのだだとりあえずまあくろいこくろいこのろめろすあてんのかるめにああのたりますとぱりをるてのかななにくこけこにんすてをくぉるわがなをこたえよせいなるかみよあざとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすなあざといはるかいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいわかごごごごでれれれれれひじぇりてもりすとかんなぎのあすてーかいてーまいてーさいてーぃぃぃぃぃくるりーるひりひりらいらっくのべすとりあるのまらてるぬそんなことで私は壊れる事はなしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいのおおおおおおおおおおおおおおかるあぴすううううううううううううううううううううううまるまるまるいんよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいやああああああああああかなくろしすのかましますだって何を言っているんだ私はなんなんだこれはガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガヌッルウウウウウウウウウポもものあきしらさとくろいしろいあかいまるいかたいするどいいたいいいあちあたいあたいじさいあくふざけるなどうしてこんな事がおきちゃうんおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおひおおおおおおおおおおおおおおおおおおほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおリリリリリリリリリンと音がする一体何のことなのああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんだああああああああああああああああすたあああああああああああんんんんんんんんんんんどっ
屑をいいかげんに屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だあらばばばばばばいあいあいあいあいあいあいあいあはすはすはすはすくとぅるううううううううううううううううふったぐうううううん屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ何だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だこれは屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だもう屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だわけが屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だ屑だわっかりいいいいいいいいませええええええええええええええええん!!!!!!!!!!!!??????????????????????????????????????????????
「――解析結果です」
「……壊れてしまったか」
「はい。その様ですね、先生」
「教授だ。最近なったからと馬鹿にしているのか、君は」
「いえいえいえ、そんな事は無いんですよ、せ――教授」
「…………まあ、いいだろう。はあ。しかし、少し脳を弄るだけで此処まで人間とは変わるのだな」
「ええ。最後なんて、肉体まで変化しましたよ。腕が六本、足が十二本でしたっけ」
「最後、等と詰まらん話をするな。これは終わらん。脳細胞を癌細胞にしたのだ。これは死ぬまでこのままだ。最後というのは解析可能な状態の終わりを言うのではない。これは死滅だ。人間として終わったのだ」
「はあ~……何が違うんですか??」
「終わりというのは始まりがある。だがこれは始まってすら居ない。始まりが無いのだから終わりが出来るわけが無い。しかしこいつは生まれた。癌細胞の脳細胞を持つ異形としてな」
「……その、異形として始まった、というのは言えないんですか?」
「言う事も可能だが言う価値は無い。何故ならこいつは現段階でもまた違う変化をしている――見ろ。脈拍が三千を超したぞ。体温は四百度を超えている……だがそれに体が瞬時に対応している? ……ほう、これはまた面白い――」
「あのぉ~、教授~? もういいですかぁ~?」
「ふむん、まあいい。しかし、これは一体なんだったのかな、君」
「私に言われたって知りませんよ~」
「だろうな。君のいただけない脳では理解出来まい。……きっと、恐らくだが、こいつは本当の世界を見てしまったのだろうな。
その歪んだ脳みそで」
――――彼は、シャーレの中にいるネズミを見てそう言った。
ネズミは笑って「わがなまえはひげねこなり」と言った。
ぶっちゃけこれ書く前に「狂気太郎」氏の「ずれ」を読んでいた事もあって、考え無しにポンポン気の向くままに書いていたので、作品としての完成度は限りなく低いと自負します。ええ。どうせまねしか出来ませんもの。しかも劣化の。
でも結構頑張って自分なりの世界観を作ってみた感じはするんですよ、一応。