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仮想現実の異能奇譚  作者: 蟬時雨 あさぎ
act.1:prelude
1/72

00:ハジマリのオーヴァーチュア


『眼鏡やコンタクトレンズによって現実世界に仮想世界を重ねて見ることのできる、拡張現実の技術が普及してはや半世紀が経つ。

 最新の技術では、フルフェイスヘルメット型のデバイスを使用することで、仮想世界に入り込むことが可能となった。


 人々が電脳世界と繋がり情報が交錯する中で、拡張現実の技術が音楽界に与えた変化は大きなものだ。


 現実世界でのライブと同時に、仮想世界でのヴァーチャルライブ配信。

 また、現実世界のライブパフォーマンスへの、拡張現実の技術投入。

 再度ライブを楽しむとき、まるでその場に居たかのような感覚で見ることのできるホログラム録画技術。

 リアルタイムでのコメントや、人々の熱狂、感動が視覚的に感じられるといった仕組みは、この技術なしでは成し得なかったことであろう。


 加えて、音楽に携わる者たちの意見の二分化が顕著となった。拡張現実の技術を音楽表現に取り入れるか否か。その観点において、音楽界の賛否がぱっくりと別れたのである。


 仮想世界を通してではなく、その耳で、直に聞いて感じることこそ音楽の醍醐味。


 彼らの主張は保守派と呼ばれ、進歩した技術を取り入れる革命派と未だに平行線を辿っていることは、言わずもがなだろう……』


 ――メッセージを受信しました。


 空間に表示されていたネットニュースを見ていると、割り込むようにしてそんな表示が映る。

 左腕に巻きついた操作用デバイス。それを指でタップすると、カーソルが現れる。

 スライドして、詳細をクリックする。


「あれ、詩織(シオリ)からだ」


 今日は、確か服を買いに行くとかで東京(トーキョー)に行っているはずだ。今頃ショッピングを楽しんでいるところだろう。

 そう思いつつ文面を表示すると、真琴(マコト)は目を見開いた。






『たすけて』






 添付されていたのは、謎の位置情報と一枚の写真。

 その写真には、仮想世界のような不思議な光景が写されていた。



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