表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国転生物語  作者: 高野康木
激突!治安部隊編
22/27

二十一話 それぞれの戦い

豊臣秀吉ーー。

がっしりとした体格は、筋肉しかない。

髪は、オールバックにしており、鋭い目は、邪悪に笑っている。

こいつが、俺の親戚にして、治安部隊のリーダー。


「会うのは、始めてだな」

「できれば、会いたくなかったぜ」


信長ちゃんが、俺の顔を見ている。

俺も、信長ちゃんを見る。

そうか。

信長ちゃんは、俺と秀吉の繋がりを知らないのか。


「あいつは、俺の親族で、治安部隊のリーダーだよ」

「あの豊臣秀吉がーー。武尊君の親族だったんですかーー」

「迷わなくていいよ。あいつは、俺達の敵だよ」


そう言うと、聞こえていたのか、秀吉が笑いだした。


「そうだな。確かに、お前らの敵だ。だが、俺だけに意識を集中すると、痛い目をみるぞ?」


隣に立っていた女が、突然動き出した。

ビルから、垂直に飛び降りてくる。


「武尊君!」

「くるぞ、信長ちゃん!!」


刀を抜くと、信長ちゃんに斬りかかってきた。

あまりの速さと力に、信長ちゃんが数メートル先まで飛ばされた。


「信長ちゃん!?」


剣で、女の後頭部を狙おうとするとーー。


「お前の相手は、俺だろ?」


上から、かかと落としがくる。


「くっ!?」

「女は、女同士。男は、男同士でいこうぜ!!」


信長ちゃんのことが心配だが、こいつが相手だとーー。


「全力でいかないとなーー」



ーーー



「ーーどこよここ!」


ターバンの女を、武尊と追い詰めたと思ったのに!

砂漠ステージに、移動してんじゃない!


「あの女ー!次あったら、切り刻んで黒こげにしてやるんだから!!」


両刀を鞘に戻して、砂漠ステージの出口に向かう。

足下から、嫌な感じがする。


「ふん!!」


ジャンプしてから、思いっきり地面を踏みつける。

ドバーン!

砂が、波紋じょうに広がり砂煙があがる。


「あれれ?おかしいなーー」


砂煙が消えると、女子生徒が立っていた。

紫のツインテールに、両刀使いのようだ。

なぜか、イライラするわね。

どうしてかしら?


「明智光秀って、こんなに感が鋭かったの?情報がちーがーうー!!」

「はぁ?あんな、依存変態女と一緒にしないでくれる」

「じゃ、あなたは誰なの?」

「ーー真田幸村」

「真田幸村!?いやったー!!日の本一の武将だー!!」


ようやくわかったわーー。

こいつ、私とキャラがかぶってんのね!


「よーし!はじめようよ!!」

「何が」

「刀抜いて抜いて!!早く早く!!」

「待ちなさいよ!あんたも名乗りな」

「抜かないの?それとも、素手で刀を止められるの?私は、一回しかとめたことないなー」


ブチ!

この戦闘バカ。

ただでさえ、ターバン女のせいでイライラしてんのに、次はこんな戦闘バカ?

いい加減、切れるわよ?


「あんた、名前は?」


抑えきれず、足が地団駄を踏む。


「私?宮本武蔵みやもとむさしだよ!」


なるほどねー。

どうりで、土のしたに隠れて、攻撃をしてこようとするわけね。


「不意打ちが得意ーー」

「スタート!!」


話してる途中で、いきなり斬りかかってきた。

両刀を抜刀して、受け止める。


「こんの!!人の話をききなさいよ!!」

「アハハ!受け止めた!強い強い!!」

「アァ?殺すわよあんた。ただでさえ、ツインテに、両刀、幼児体型とかぶってんだから」

「そうだね!殺す気できてよ!!」 


ブチーーン!!


「糞ガキー!覚悟しなさいよ!!」


こいつは、確実に殺すわ!



ーーー



「信長様はどこだ?」 


なぜ、私は校舎にいるのだ?

先ほどまで、信長様と一緒にいたのにーー。


「瞬間移動では、ないだろうな。まるで、空間を抜けてきた感じーー」


パリーン!

突然窓ガラスが割れて、壁に弾丸が埋まる。

狙撃!?

手短な教室に入り、二撃目がくるのを待つ。

しかし、二撃目がくる気配がないーー。


「一撃離脱か?それにしては、命中率が高かったがーー」


先ほどの狙撃、私の影を撃ち抜いていた。

しかも、頭部を撃ち抜いていたということは、狙撃手には重要な意味がある。

私は、お前を殺すことができるーー。


「ずいぶん、なめられたものだな。どこの馬の骨かわからんが、代償は高いぞ」

「そうか。明智光秀がきたかーー」


スピーカー混じりの声が、教壇の方からきこえてきた。

ほふく前進しながら、教壇に向かい、トランシーバーを取る。


「予定では、真田幸村がくるはずだったのだがな」

「何者だ?」

「治安部隊の人間ーー、雜賀孫一さいかまごいち

「なるほど、戦国一の種子島の使い手だったか。鈴木重虎」

「その名前で呼ばないでーー。孫一と呼びなさい」


そこは譲れないらしいな。

しかし、一つ気になることがあるーー。


「孫一。学園の人間はどこだ?」

「明智光秀。ゲームをしましょう」

「ゲーム?」

「黒板に貼ってある、ダメージブレスレットをはめて」


言われたとうりに、手首にブレスレットをする。

すると、ブレスレットが紅く光った。


「したぞ」

「ルールは簡単よーー。あなたは、攻撃を受けずに、私を撃退すればいいの」

「攻撃をうけた場合は?」

「学園の人間が、一人づつ幽閉されるわーー」

「外道が!」

「裏切り者のあなたには、いいゲームでしょ?」


裏切り者ーー。

今世のでも、その汚名をきせられるのかーー。


「いいだろう。私に狙撃戦を挑んだこと、後悔させてやる!」



ーーー



「見つけました。チュー助さん」

「お任せよ」


比叡山の奥地にある洞窟。

ここに、あの人がいるはずです。


「当たりましたね。空間が、開いていく」


真っ暗な空間が現れる。

そこに入り、目的の人物を見つめる。


「お前ーー。どうやって、ここがわかった?」


ターバンの女子生徒、私と同い年の天才、黒田官兵衛くろだかんべえ


「あなたが動くなら、そろそろだと思っていました」

「竹中半兵衛!お前は病にふしていたはずだ!!」

「豊臣秀吉さんは、安心がなければ、現れないお方です。ですから、誤報を流させていただきました」


官兵衛さんが、怒りに肩をふるわせています。

おそらく、私に場所がばれたことが悔しいのでしょう。

火に油をそそいでしまいますが、秘密にしても、さらに怒るだけでしょう。


「確かに、秀吉さんは安心を求める人だ。だが、お前が病であろうとなかろうと、上杉がやられたら、戦うというのは、決まっていたことだ」

「そうだろうと思っていました。私が教えた隠れ家が、風魔衆にばれるのが早かったのでーー」


官兵衛さんが、イラッと、した顔をします。

正直恐いですけど、頑張らないとーー。


「ですので私も、一手先を打たせてもらいました」

「一手だと?」

「正確には、二手だがな」

「黙れ式紙!お前には、きいていない」

「やれやれ。短期な小娘だな」


あまり、挑発しないでくださいよ。

無言で、チュー助さんを見ると、ため息をつきながら、口を閉じました。


「一手目は、明智さんと真田さんを、変えさせていただきました」

「なんだと!?」

「あなたの狙いは、遠距離のスペシャリストである孫一さんに、近接が得意な真田さんを戦わせ、逆に遠距離の得意な明智さんを、近接のスペシャリストである、武蔵さんにしたのでしょうけどーー」

「お前が、明智光秀と真田幸村を、いれ交わさせたのか。確かに、その組み合わせじゃ、短期で終わらせることができないな」

「ご名答です」


官兵衛さんが、私達の後ろにある入口を閉めました。

これで、私達は閉じ込められましたねーー。


「お前はやはり、天才ではないな。この官兵衛こそ天才だ」

「ーーどうゆうことでしょう?」  

「これで、お前は閉じ込められたーー。もう、ここから出れねーぞ?」


勝ち誇った顔をして、官兵衛さんが言います。

ですがーー。

「狙い道理ですね」

「なんだと?」

「私の役目は、あなたに邪魔をさせないことです」

「ーーここで、私を止めるってのか?」

「ご名答です」

「正解しても、嬉しくないんだよ!てか、私に勝てるとおもってんのかよ!?」

「私達軍師は、力よりも、頭で勝負するものですよ」


官兵衛さんが、イライラした顔をしています。

どうも、感情が激しい方みたいですね。


「いいさ。それじゃ、勝負といこうぜ」

「どのような勝負ですか?」


嫌な笑みを浮かべて、官兵衛さんがーー。


「私達の仲間が勝った方が、勝ちだ」

「ーーなるほど。簡単なルールでいいですね」




ーーー



武尊君が、剣を振ろうとした時、豊臣秀吉が割り込んできました。

それにしても、この黒服の女性ーー。

なかなかの手練れです。


「どうしたんだ?お前の力はこんなもんかよ」

「ーーまるで、私のことを知っている口調ですね」

「知っているに、決まってんだろ」


黒服を脱ぎ捨てた。


「まさか!?」


彼女は、左目に眼帯をしている。

背丈は、私と同じくらいです。


「この私が、将軍を襲ってやったのにさ。お前が弱いと、私のモチベーションが下がるんだよ」

「そうですかーー。犯人は、あなただったんですね!伊達政宗だてまさむね!!」


私が名前を言うと、邪悪な笑みを浮かべてーー。


「そうだよ、信長。その目付きだ!!」

「あなたを、許しません!」

「それでいい!さぁ、始めようぜ!戦国時代は無理だったが、どちらが魔王にふさわしいか、勝負だ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ