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戦国転生物語  作者: 高野康木
激突!治安部隊編
15/27

十四話 金ヶ崎の退き口再び!!

信長様が泣いてくれたか、俺のためにーー。

さて、ここからが踏ん張りどころだな。 

剣を正眼に構えて、気配を探る。

かなりの人数だな。


「さてさて、どうすっかなー?」


すると、目の前に忍びが現れた。

こいつだけは、顔を隠していない。


「お前が、親玉さんかい?」

「木下武尊。これ以上邪魔をするなら、お前も同罪になるぞ?」 

「無実の人が、罪になるのかよ」

「今からでも、遅くはない。武器を捨てて投降しろ」


俺は、剣を握りしめて答える。

それを見た男は、腰から刀を抜く。


「私の名前は、風魔小太郎。貴様を切る!」

「ここは、絶対に通さねー」


小太郎の、刀が俺の首を狙う。

その軌道がわかっていたので、受け流しながら、小太郎の右腰にある袋を、奪い取る。


「これだよな?忍びの道具が入ってるの」


袋を、手の中で弾ませながら言う。


「いつのまにーー」


小太郎は、悔しそうな顔で言う。


「瞬神流は、元々江戸時代に出来た田舎剣術なんだよ。田舎の癖に、暗殺術ばかりの技でな。今のは、『鞘滑り』って技で、本来は相手の腰にある刀をすれ違いざまに抜いて、相手を切りつける技なんだ」 


そう説明しつつ、袋を開いて見るとーー。

あらあら、これはすごいな。

手裏剣やら、煙幕玉やらたくさんあるわ。


「それで、私の力を削いだつもりか?」


小太郎が、左手を振る。

うお!?

ギリギリ、マトリックスのように避けたが、まさか手裏剣が飛んでくるとわーー。


「我々忍びは、全身武器なり!」


俺の隙をついて、小太郎が飛び蹴りをしてきた。

見事、腹に命中してしまい、後ろにぶっ飛ぶ。

ドンッ!!

いた、木に背中からぶつかっちゃた。


「どうだ。我々の石をも砕く蹴りわ?」


自信満々に、小太郎が言うがーー。

悪いね。俺、もっと強い力の人に殴られてるんだ。


「お前の蹴りなんて、幸村ちゃんに比べれば、全然痛くもねーよ」


奪った袋から、棒手裏剣を真横に投げる。


「ぐえ!?」


信長ちゃん達を追おうとしていた忍びに、命中した。

ちなみに初めて投げてみたが、棒手裏剣って、普通の車手裏剣に比べて、縦に長いだけなので簡単だな。


「もう一度言うぜ。絶対に通さない」  

「そうか。なら、貴様を殺してから行くことにする」


小太郎が、左手を俺に向けて縦に振る。

気配が二つ。

それがわかったので、即座に右手を地面につけて片手倒立の要領で、左足で襲ってきた忍の腹を蹴り、蹴った勢いで、前に回転受け身をとる。

さっきまで、俺がいたところに、手裏剣がいくつか飛んで、木にあたる。

おおー、こわ!!

でも、光秀ちゃんの精密射撃に比べれば、対したことないない。

手裏剣が、また飛んできそうなので、袋から煙幕玉を取りだし、地面に投げつける。

ボフン!!

煙が、でてきてくれたがーー。

なんか、嫌な予感がする。

腕を顔の前でクロスして、後ろに飛ぶ。

すると、目の前が火に包まれる。

爆発物を、投げてきたな!!


「あでし!!」


地面に、両足を投げ出して倒れる。

そこで、これも勘だが、右手に持っている剣を逆手持ちにして、起き上がりざまに現れた忍の腰を

斬る


「うぐ!」


忍は、その場に倒れた。

やれやれ、刃が出てたら殺してたな。

いや、俺達の制服と同じなら、斬れないか。 


「手こずるな。貴様、覚醒者なのか?」

「いや、知らないよ。てか、俺は誰の生まれ変わりなの?」


どうして、俺だけ他の記憶もあるんだ?

それが、わからない。


「お前は、どうして織田信長を庇う?」

「愚問だな。友達だからだよ」

「本当に、それだけか?」


うん?

どうゆうことだ?


「お前の魂・・・・・・。前世の記憶の力に飲まれて、助けているのではないか?」


・・・・・・。

ま、まさかそんなことーー。

でも、記憶が正しいなら、そんなこともあり得なくないかーー?

いや、そんなことね!!


「そんな訳ないだろ!この気持ちは、俺の気持ちだ!!」


その時、小太郎が勝ち誇った顔をした。

しまった!

俺を油断させるための罠か!

その事に気づいて、後ろを振り返る。

そこには、忍が刀を降り下ろしている姿が写った。

あっ、これは死ぬな。

しかし、いきなり目の前が光に包まれる。

いや、光じゃない!

かすかに、スパークの音がする。


「言葉だけで、油断してんじゃないわよ。このドベ」


白色の、名刀正宗を一振りして、幸村ちゃんが現れた。


「幸村ちゃん!!助けにきてくれたのか!?」

「勘違いしないでよね。私は、信長を助けにきたのよ!あんたが、たまたま偶然通り道にいたから、助けたのよ!!」


わかってるよ。

そう言うと思ってたよ。

でも、助かったのは事実だからな。


「真田幸村かーー。お前も邪魔をするのか?」

「だったら、何よ」

「貴様も、死ぬことになるぞ?」

「はん!」


ツインテールを揺らして、幸村ちゃんが、正宗の剣先を小太郎に向ける。


「私を殺すことなんて、出来ないわね。なんせ、私は神すら殺すことが出来ない女の子だからね」


そして、可愛いらしくウィンクする。

何、あの可愛いらしさ。


「神さえ殺せない奴なぞ、この世におらん!」


その声を合図に、忍が俺らを囲む。


「烏合の衆が。力の差って物を教えてあげるわ!」

「おお!」


幸村ちゃんと、背中合わせになって構える。

すると、幸村ちゃんが小言でーー。


「早く、手を握りなさい」

「はっ?なんでよ」


俺がそう返すと、顔を真っ赤にしながらーー。


「覚醒するために決まってんでしょ!この単細胞!!」


そう大声で言う。

もちろん。敵にも知られただろう。

すると、どうなるかーー。


「畳み掛けろ!覚醒させるな!!」


こうなるわな!!


「このバカ!あんたのせいだからね!!」


でたよ!

俺に責任押し付ける!!

俺と幸村ちゃんは、同時に真横に飛ぶ。


「白雷刀!」


幸村ちゃんが、右側にいた忍を切り捨てる。

俺は、左側の忍を切り捨てる。

しかし、なんと忍の多いことか。


「ちょっと!早くしなさいよ!!」

「わかってるよ。でも、まずは安全の確保だ」


俺と幸村ちゃんに、手裏剣の嵐がくる。

刀や剣で弾いたり、避けたりするだけで、大変だ。


「こっの!めんどくさいのよ!!」


妖刀村正を抜いて、幸村ちゃんがーー。


「黒雷!!」


力任せに、振る。

漆黒の雷が、忍を何人か飲み込む。

俺は、ありったけの煙幕玉を地面に投げる。

これで、敵から見えなくなったが、また爆発物質を投げられるだろう。


「幸村ちゃん!」

「遅いのよ!」


手を握った瞬間、幸村ちゃんが覚醒する。

すると、俺の首を掴みーー。


「飛ぶわよ!」


それだけ言うと、大ジャンプした。

ギャーーー!!

高すぎるだろ!!

俺らが飛んだと同時に、爆発音がした。

下を見ると、煙が消し飛ばされていた。


白黒雷神波はくこくらいじんは!!」


幸村ちゃんが、新しい技を放つ。

白色の雷が球体になり、黒色の雷はドリル状になって、白色の雷を放つと同時に、黒色の雷を放つ。

白色の雷が、地面にぶつかりそうになるが、その前に、黒色の雷が白色の雷にぶつかる。

すると、二つの雷が混ざりあって、周囲に波紋のように広がる。

なんと、エグい技だ。

ほとんどの忍が、倒れている。


「やっぱり生き残るのね」


幸村ちゃんの視線の先には、小太郎がいた。

崖のところに降りた幸村ちゃんが、俺を着地させてーー。


「あんたの部下、全員やられたわよ?」

「そうだな。覚醒者には敵わんだろう」


小太郎の態度が、妙に引っ掛かる。

それは、幸村ちゃんも思ったらしく、不思議そうな顔をしている。


「随分余裕なのね。諦めた訳?」


幸村ちゃんが、確かめるように、質問する。


「違うな。諦めたのではなく、勝ち誇ったのだよ」


小太郎が、ライターを見せつけるように持つ。

勝ち誇った?

どうゆうことだ?


「さらばだ。木下武尊、真田幸村。お前らは、足止め役には、立派なやつらだったぞ」


ライターを、手放した。

そこで、やっと気づいた。

俺らを囲むように、粉がまいてあるのだ。


「まずい!幸村ちゃん!!」

「チッ!!」


幸村ちゃんも気づいたらしく、舌打ちをする。

ライターが、地面に落ちた瞬間ーー。

大爆発をおこして、足場が崩れる。

下は崖である。


「武尊!」


幸村ちゃんが、崩れる岩を蹴りながら俺の手を握り、ジャンプしようとしたがーー。


風爆札ふうばくさつ!」


何枚もの札を投げてきた小太郎。

その札から、突風が吹き出す。


「きゃあ!」

「うわ!!」


俺らは、下に吹き飛ばされてしまった。

さっきの攻撃を、俺をかばって受けた幸村ちゃんは、気を失っている。

俺は、幸村ちゃんを抱き締めて。

崖の下は川だったらしく、川の中に落ちた。



ーーー



やはり、風魔衆が少ない。

サルが、足止めしてくれているおかげだろう。


「見えました。あそこです信長様」


光秀が、警戒しながら言う。

目の前に、小さな小屋があった。

その小屋の入口に、男が立っていた。


「あいつは?」

「竹中の使いだろうな」


光秀の疑問に答えながら、小屋に向かう。

最近、余が出てこれるようになった。

恐らく、もうそろそろなのだろうな。

余が消える日も。


「待っていたぞ。おや?小僧がおらんな」

「サルなら、足止め役をしておる」


光秀が、心配そうな顔をする。

わかっておる。

もしかしたら、サルはもうーー。


「そうか。どうやら、生き延びられてるようだな」

「サルの居場所がわかるのか!?」

「落ち着け、真田幸村と共に下の方に向かっている」


真田?

なぜ、幸村の名がでる?

光秀と二人で、疑問顔をしているとーー。


「主が向かわせたのだ。とりあえず、今はゆっくり休むがいい」


言葉に甘えて、小屋に入る。

光秀が、そわそわしだした。

おそらく、サルのことだろう。


「ところで、式紙しきがみ。お前は、武尊は誰の転生者だと思う?」


茶をたてていた式紙の手が、止まる。

それで、確信できたな。


「お前は、知っていたんだな」

「・・・・・・。まぁ、式紙は貴様らとは違うからな。わかってしまうものだ」 

「武尊は、誰の転生者なんだ?」


式紙は、私にお茶をだしーー。


「わからん」


一言そう言った。

わからないだと?

そんなこと、あるわけがない。


「いや、武尊はおそらくーー」

「やめとけ。憶測で判断するのは良くない」


式紙が、鋭い目線をむけてくる。

止まられたか。

余の考えが正しければーー。

お茶を一口飲む。

武尊は、帰蝶の転生者だ!

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