マジカル魔法少女アイスちゃん
わたしの名前は美歩氏。好きな食べ物はアイス。趣味は特になし(あえて言うなら昼寝かな)
いたってどこにでもいる中学生だ。だけどわたしの前に現実には起こりえないことが起こっている。
「みほしちゃん、君に魔法少女になってほしいんだ!」
そういうのは、わたしの顔ぐらいの大きさのちっさな人形。金髪のロングに青い瞳、昔の西洋に住んでた人が着てる感じの服を着ている人形が何故か空を飛びながら訳のわからないことを言っている。
は? 魔法少女……
「メンドイから却下」
わたしは訳のわからない人形を無視してすたこらと通り過ぎようとする。
いや、普通そうするでしょ。アニメやマンガじゃあるまいし。だれがそんなことするかっての。
というか夢でしょこれ。いい年して魔法少女になる夢とか……
うん、この夢はわたしの胸に一生しまいこんでおこう。
「みほしちゃん、なに言ってるの! このままじゃ世界が危ないんだよ!!」
人形は通り過ぎようとするわたしの前に回りこむ。
うっわー 世界規模ときましたか。自分ではあまり意識したことなかったけど沸いてんのかな? わたしの頭
「それに、もう敵は近くまで迫ってきてるんだよ!!」
は?
敵ってなに と聞こうとした瞬間後ろから爆音が聞こえる。それとともにが猛烈な風がこちらに押しよせてき、わたしは思わず吹き飛ばされそうになる。
「な! もう感ずいてきたの」
え、もしかしてアレが敵なの。わたしは人形が敵といったものを見る。
うわーなにあれ
あれはスライムとでもいうのだろうか? 体の大きさはわたしの3倍ぐらい。まぁ思ったよりかは小さいかな そんでもって目が無駄に8つほどついていてナメクジみたいに地面を這いながら道路をぬるぬるの液体で濡らしていく。
気持ち悪い……
「さぁ、みほしちゃん このステッキを振って魔法少女アイスちゃんになるのよ!」
「いや、だから断るって……」
言ってるのに 無理やり人形はわたしにステッキを押し付ける。
この馬鹿人形にちゃんと耳はあるのだろうか?
そもそも振るって……ああ、あの怪物をおもっきり叩けばいいんですね。
まぁどうせ夢だし何とかなるだろう。
「このステッキを上に掲げて、マジカルマジカルアイスク――ってみほしちゃん!?」
「よし……」
わたしは人形の説明をろくに聞かずそのまま一気に突っ込み、怪物の一歩直前で思いっきり地面を蹴って怪物の頭よりさらに高く飛び上がり、ステッキを頭の上に掲げ そして
「てやーーー」
やる気の無い声とともにステッキを怪物の頭めがけて振り下ろした。するとステッキはわたしの声に応えたのか、形が変わりハンマー状の形に変化する。
「あれは、マジカルハンマー!?」
そしてマジカルハンマーとやらは目の前の怪物をそのまま地面に押しつぶした。
スライム状の怪物は液体を周りに撒き散らして跡形もなくなってしまった。
さっすがわたしの夢、ご都合主義にもほどがあるな。
ていうか、体にべとべとが……
「すごいわみほしちゃん! まさか魔法少女にならないであのステッキをあそこまで扱えるなんて。
あなたは10年に一人、いえ100年に――」
これは一度帰って新しいの出さなきゃな。お母さんに怒られるのやだなぁ、わたしぜんぜん悪くないのに……
え? 人形が何か言ってるぞって? 無視ですよあんなもの。
こんなステッキそこらに捨ててわたしはあったかい家に帰りますよ。
「あれ、みほしちゃん、どこいくの? ほらステッキわすれっちゃってるよ。みほしちゃん! みほしちゃんってば~~~!!」
こうしてわたしは魔法少女としての役目を無事果たすことができたのでした。
めでたし、めでたし
え、つづき? あるわけないじゃん
魔法少女アイスちゃん、楽しんでもらえたでしょうか?
楽しんでもらえたのであればわたしもうれしいです。




