同じ画面(図書室編)
この図書室にはいつも貸し出し中の本がある。
返却履歴は残っている。貸し出し記録も。
しかし、図書委員の誰もが、その本を見たことがない。もちろん触ったことも。
でもパソコンにはきちんと記録が残っている。
10年も前から。
今日、僕は本の整理の担当だった。棚の本を、背表紙に貼ったシールの区分通りに整理して回る。
ふと、棚でシールの貼ってない本を発見した。
佐伯さんのだ。
あの人は自分のおすすめの本を勝手に紛れ込ませていく。
僕は佐伯さんの本を手に取り、受付へと持っていく。
珍しく司書の先生が来ていた。
「どうかされたんですか?」
先生は、暗い表情をしていた。
「…ちょっと、探し物だ」
「だったら、そこのパソコンで検索すると早いですよ。棚がわかれば取ってきます」
先生は、パソコンの画面を見つめていた。
「どうやら貸し出し中らしい。いつもタイミングが悪いな…」
「なんの本ですか?」
僕は画面を覗き込んだ。
あの本だ。




