第18話(最終話)ツインレイの統合
出会いから積み重ねた日々の先に、二人が選んだ答え。
その瞬間は、静かに、そして確かに訪れる――。
「本当に……言うの?」
数日後、彼の部屋で、私はそっと問いかけた。隣には、少しだけ緊張した面持ちのランドリーがいる。
「うん。逃げたくない。もう、隠すほうが苦しいから」
ランドリーは、真っ直ぐに言った。
あの割烹レストランで告白された日から、彼の目に迷いはなかった。
人を好きになるのが怖かった。でも、こんなにも誰かを好きになる自分に驚いている。私も、もう決めていた。怖さはあった。けれど、それ以上にちゃんと信じたいという気持ちのほうが強かった。
配信が始まった。
そこには見慣れたアバターの姿はなく、隣り合う私たちの姿があった。二人とも少し緊張した面持ちで、画面の向こうを見つめている。私の指先は、膝の上で震えていた。
>「え、顔出し!?」
>「二人共、顔面偏差値高すぎ」
>「ツーショット!?なにこれ」
>「距離感が……」
緊張で鼓膜が自分の心臓の音しか拾わないような気がした。ランドリーが口を開いたとき、私は思わず彼の横顔を見た。
「今日は、みなさんにお伝えしたいことがあります」
静かに、でもはっきりと。その声には、彼の揺るぎない決意が宿っていた。
「僕たち、配信者同士として知り合い、友人として活動してきました。でも……いまは、お付き合いしています」
一瞬、コメント欄が固まったように感じた。そして、堰を切ったように文字が溢れ出す。
>「うそ……ほんと!?」
>「でもなんか納得」
>「仲良さそうだったもん」
>「誠実に言ってくれてありがとう」
>「ガチ泣きしてるんだけど」
だが、肯定的な言葉ばかりではなかった。
>「裏切られた気分」
>「もう見ない」
>「嘘だと言って...」
画面の隅に流れる否定的な言葉が、まるで刃物のように突き刺さる。思わず下を向いた私に、ランドリーはそっと手を握ってくれた。その温もりが、再び私を前に向かせた。
「全部を受け止める覚悟はあります。だけど、これからも、誠実に配信していきたい」
ランドリーのその言葉に、私も続いた。
「私も、皆さんがいたからここまで来れました。だからこそ、ちゃんと伝えたかったです。これからも、私たちを見ていてくれたら嬉しいです」
沈黙のあとのコメントには、次第にあたたかな言葉が増えていった。
>「応援するよ」
>「泣いた」
>「顔見せて言うの、すごい勇気」
>「これからも二人で頑張って」
>「ずっと見守るからね」
配信を終えた後の、二人だけの静かな時間。
「……大丈夫だったかな?」
私が呟くと、彼は少し考えて言った。
「大丈夫じゃないことも、きっとある。でも、それでも僕は、今日、言ってよかったと思ってる。
これからは、ふたりでやっていこう。どんな反応も、二人ならきっと受け止められるから」
そっと唇を重ねる。
胸の奥にあった不安も、緊張も、すべてが溶けていくようだった。
「これからも一緒だね」
ランドリーの小さな笑顔と、私の心の高鳴りが、静かに重なった。
そして、新しい配信のスタート。
配信者という職業がすべてを変えた。でも、それは終わりじゃなくて——
「一緒に、次のステージへ」
ツインレイとして運命的に結ばれた二人は、これから本当の人生を歩んでいく。
その道の先に、まだ見ぬ景色を信じながら——。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
また、心に描く物語が芽生えたとき、
新たな挑戦としてお届けできたらと思います。




