風とおやすみ
今晩は部屋全体が冷え切らないように、母さんとサナラと一緒に家にある全ての窓を閉めてから寝に落ちようとしていたが、強風は容赦なくガタガタと音を大きく鳴らしながら家を揺らしていた。
母さんは夜分遅くまでいつもみたいに、機織り以外の仕事を始めていた家計を支えるために母さんは夜遅くまでさまざまな仕事をしている。
僕はそれを邪魔しないように、いつものようにサナラを寝かしつけようと、家の中でサナラを探していた
「おーい、サナラ〜」
僕は家の中で手当たり次第サナラがいそうなところを探してみたが
「あれ、どこにもいない。」
額から汗が垂れた
「まいったな、」
今日のような日に限って僕の妹ちゃんはかくれんぼの技術が上がったらしい
「おーい、サナラさーん」
サナラを探しながら、前にもこんなことあったなと思い出していると
僕は家にある大きめの机に近づいた
ふと目線を下げてみると、机の下で布に包まって丸まっているサナラを見つけた。
サナラは布から顔だけを出して震えていた
僕はサナラと目線を合わすために机の下にしゃがんだ
「みーっけ」ここにいたんだねとサナラの手と体を僕の方に寄せる
サナラは安心したのか
「にいちゃん、大きい音怖いよやだぁ。」
目からたくさん水が溢れる
僕は抱っこしているサナラの背中を優しくポンポン叩く
「サナラ、大丈夫だよ、僕も母さんもいるよ。ほら、怖いものなんてぎゅーすればなくなちゃうよ ね、ぎゅーしよ。」
サナラは泣きじゃくって鼻水をたらしながらも
「するぅ」
と机の下から出てきて、僕とサナラはお互いの体温を確かめるようにぎゅ〜と抱きしめる。
サナラをぎゅーとしてから何分経ったのだろう
サナラは僕の手をぎゅっと握ったまま僕はサナラの手を離さないように
ゆっくりいつも家族全員で寝ている寝室に向かった
「兄ちゃん、あれ 歌って」
ベッドにやっと乗ってくれてもう寝れますよ状態の妹に頼まれた
いつもの明るい元気はどこへ行ったのか
弱々しくお願いと泣きそうな表情で言われたら断ることはできないな
「いいよ。」
僕は優しくサナラを安心させるために歌い始める
サナラはそれを聞いて安心し始めたのか、えへっと笑い、目がうとうとしてきた
僕はいつもサナラが不安になった時に歌う歌がある
サナラのお腹らへんをトントンゆったりとしたリズムを刻みながら
僕たち、二人は兄妹 大丈夫、大丈夫
サナラのことは僕が守る
僕のことはサナラが守ってくれる
僕たち兄妹はずっと、大丈夫。
大丈夫。サナラには僕がついている
僕にはサナラがついてるんだから
その歌を歌っているだけで、サナラは安心したように夢の中にまどろんでしまう。
「おやすみ。サナラ」
僕はサナラに布団を掛け直す暖かくなってきたのか
数分もするとサナラの寝息が聞こえてきた
僕はいつものようにその場から離れようとしていた
だが
ぐいっと
腕が引っ張られた感覚があり、僕の体も寝台に倒れ込んでいた
横では、スヤスヤと寝息を立てているサナラの寝顔が見えて、僕は安心した
「サナラ、いつもありがとう おやすみ」
サナラの少しすこしごわついている栗色の髪毛を撫でて
僕は横になったまま片腕をそのまま天井の方に持ち上げて、怪我したところを左右に捻りながらじっくり観察した。
手を開いたり閉じたりを繰り返しても、一昨日みたいに腕が痺れる感覚はなかったから
今日転んだことで治りが悪くなったというのは考えなくていいだろう
とりあえず、よかった
サナラはまだ僕の腕を離してはくれなくて、寝息がだんだん整っていくのが隣にいるとよくわかった
「おーい、サナラ、おいー、手 離してくれない?」
小声でサナラに話しかけても、サナラは気づかない
そりゃそうだ寝ているんだから
困ったなどうしよう 流石に体を揺らして起こすのは、、、
色々考えていても仕方ないとため息が漏れた
「にいちゃん」
サナラに呼ばれた気がした。
勢いよくサナラの方に顔を向けたサナラが起きたのかなと少し期待していたが寝言だったらしい
安心しきって幸せそうな表情で寝ているサナラを僕の都合で起こすなんて、
したくない
多分もう起きないな
仕方ない。僕も寝よう
「サナラ おやすみ。」
いい夢を
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幸せな夢はいずれ終わりを迎える
幸せはいつも薄氷の上に
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