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経験値は   になる  作者: 杏原 千鶴


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記憶と出会い

思い出そうとしても、体は拒絶するのか


誰かが 怖くて


何かが怖くて


視線 合わせることが

誰 から失望されるのが


怖い



逸せない






閉じれない





あの時  魔獣の怖さを初めて知った


僕のことを守ってくれた人血がたくさん付いた 


月の光も雲に隠れてしまう







明かりはない


目の前に広がるのは

暗闇ただ

それだけ


この真っ暗な世界に僕らは二人だけだと錯覚してしまう。






だけど


あの人は違った。

「……………勘違いするな、俺はお前の味方だ」

淡々と味方だとそう言った。

だけど勘違いするなとも言われた


 

味方って言ってもらえて嬉しかった。


























そう思ってたのに

__________________



「ふざけるな!!!!」




誰かが誰かを怒る声で目が覚めてしまった

起きた時に吐いた息は白く

体は悴んでいた

寒い、寒い。

サナラは

よかった。

大丈夫、サナラは

怪我をしてたから。

頭に綺麗な包帯が巻かれていて



僕の横で、

安心したようにスヤスヤ寝てる


僕はサナラの髪を優しく撫でた。

「サナラ、大丈夫だから」

僕が嫌なことから、サナラを守るから

僕と同じ髪を優しく撫でる


大丈夫


大丈夫

大丈夫






大丈夫…


だから、もう悪いことは起きない

________________________

「ふざけるな!!!」


怒号がまた聞こえて、そっと隣で寝ている

サナラの耳を塞いだ

僕も耳を塞ぎたかったけど

僕がサナラを守らなきゃいけない。

父さんも母さんももう迎えに来れない


もう誰も 僕のことを呼んでくれない。

「父さん、母さん」

ぽつりと呟く

サナラ以外の方向に顔を向けるのが怖くて


目線すら動かせない

ここにいる大人達はみんな鎧を着用してて

顔は見えない


だけどサナラと僕をジロジロ観察するように見ている

ここから早く消え去りたい。

サナラと一緒に逃げてしまいたい

________________

「貴様!正気か!!」

僕たちをラダウンドから助けてくれた人が

黒髪の人の胸ぐらを掴んでなんだか怒ってる。

掴まれている人は

「まぁまぁ落ち着いてください。そんなに怒っては血管が破裂しますよ」

怒られているのにクススク笑っていて、とても不気味だった



怖い、何で揉めてるんだろう

黒髪の人が振り払い

僕たちの方に近づいてきた

「待て!!まだ話は終わってないぞ!」

怒号をあげる僕らを助けてくれた人が誰かに腕を掴まれ

何かを言われたのかこちらを見て固まった




のらりくらりと黒髪の人が僕に近づき


僕の腕を掴んだ


「君、名前は?」

突然掴まれたこと 名前を聞かれたことに僕は固まる

蒼瞳はこちらを見ているようで

どこか 遠い

「名前は?」

「ら、ラルシです。」

なんですか?ともう一度聞き返された

「ラルシ・べガルドです」

名前を伝えた途端 

その蒼瞳が、何か 面白いことを見つけたらしく

表情は変わらないが目元には笑みが(えが)かれた

「ありがとうございます。」

黒髪の人は僕を見ずに


彼の前にいて僕の後ろの人を見た


「捕えなさい」



__________________

「大人しくしろ!!」


突然ガタイのいい兵士二人に

体を地面に押され

僕の体が雪に埋まった


何??何???なに???

兵士の一人が僕の両腕を後ろに引っ張った

痛い 痛い 離して!離して!

喚こうとしても口に雪が入って声が出ない


ギチギチと僕の手首に何かが取り付けられた


何??何 何が起こってるの

体がうまく動かせない

「待ってください!!」

そう言おうとしたら

「黙れ!!」

と怒号が飛んできた





怖い



怖い





怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い



_________________________

「ラルシ・べガルド」

何かを叩く音が

薄暗い部屋に響く

ここはどこだ???


わからない


サナラは、無事だろうか。


「喋るな!」

パンッと喋ってもいないのに

僕の頬を叩く乾いた音が

響く 痛い




サナラと離れ離れだ。

_____________________

「ラルシ・べガルド」

君に聞きたいことがある。

そう言って 僕の腕を掴む

黒髪の男

その目はひどく冷えていて

怖い


どうせなら、どうせだったら

この人じゃなくて 僕とサナラのことを助けてくれた人がよかった。



なんて、欲張りすぎだよ。



「それでは、聞かせてください」

そう言って僕ではなく紙に目線をむけ

ただ記述する音が部屋に響く




喋りたくないな……

_____________________

結局 黒髪の人の時はあまり喋らなかった。

喋らなかったら 体に怪我したけど…


もう、

どうでもいいや、

全て、

だって、

もう僕には 何もないんだから

_____________________

別の日 僕がここに来て2日目

村で何があったかを話さなきゃいけなくなった時

またあの人がいた

「時間をかけてでもいいから…私に、話していただけないだろうか?」

淡い紫色の瞳はひどく冷たかったが、綺麗だった

姿も凛としてて、


時間をかけて


僕が村で見た光景を


何があったかを

きちんと


急かさずに聞いてくれた人。








だけど










結局僕は













裁かれた















『主犯ラルシ・べガルド 其方はファランドーレ村に特殊魔獣災害引き起こした事を認めるか?』


異論を唱えたらいけない 

王国に従わなければ

僕じゃなくて


サナラが殺されるから

「はい。」

この裁きが冤罪だと知っているのはここにいる全員だろう






僕が罪人として裁かれた時も


彼はいなかった。いたのは 黒髪の人だけ


王国から魔王討伐《望んでいない事》を命じられた時も


出発の時も、






あの人はいなかった



そういえば、

僕が罪人として 刑務所にいた時には、もういた彼は

獣人の彼は釈放されたのだろうか

彼の片耳の上部が欠けていて

両足両手には鎖がつけられて口には口輪がつけられていた。


だけど彼はニヤニヤしながらこちらに近づいて聞いてきた

「なぁ、お前、モルデットって知ってるか?」

そう獣人の彼はニヤリとほくそ笑んだ





彼の名は ナガル・レイル



別名:残虐のナガル 


90年程前に 最古の国と言われているファラスティ国家を滅ぼした

大犯罪者


そして僕のことを信じてくれた 獣人

_______________________

僕たちは歩みを止めることができない。


兄妹達は北部地方ティフィコール地区で休息を取ることにした。



「サナラ、今日はここで休もう」

私の手を優しく包み込むように市場の中を進む

にいちゃんと私、にいちゃんの手は少し震えていた

「にいちゃ」

私はにいちゃんのことを呼ぼうとしたが


「そこの兄ちゃん!」

市場の売り場から威勢のいいおばちゃんの声がして

私と兄ちゃんはそっちに振り返った

「いい食材があるよ〜」

おばちゃんは私たちと目線を合わせると歯を見せてニコリと私たちに笑って

屋台越しから私たちに少し形が悪いが美味しそうなトナトを渡してくれた

「売れ残りなんだけどさ、捨てるの勿体無いから。もしよかったらどうだい?」

おばちゃんは私たちに目線を合わせて、

私とにいちゃんの手にそれぞれ一つずつトナトをくれた

「わぁ!おばちゃんありがとう!」

私は、おばちゃんにお礼を言ってもらった

トナトを頬張った

「おいしぃ!」

トナトは少し変な形してたけど

甘くてすっごく美味しかった!

おばちゃんはそんな私をみてニコニコしてた!

嬉しいことでもあったのかな?

「おばちゃん!美味しかった!!」

そう言ったら横にいたにいちゃんが

「あ、あの!お支払いします!!」

にいちゃんが慌ててに袋から何かを取り出そうと

して取り出したお金がにいちゃんの手から離れて

チャリンと音を立てて銅貨はコロコロ転がった


「あっ!待って!!」

にいちゃんは慌てたように落っこちたお金を追いかけた!

「あっ!」 「にいちゃん前!」


_______


「あ、あの!お支払いします!」

タダで食材をもらうわけにもいかず皮袋を漁って銅貨を取り出そうとしたところ

掴んだ銅貨は僕の手から滑り落ち

そのまま地面を転がり始めた

「あっ!!」

急いで落ちた銅貨を追いかけるが、地面は少し坂になっていたからか、銅貨はどんどん速度を上げて、坂を転がっていく



「あっ危ない!」

そんな声が後ろから聞こえたが

ドンッ

と僕は誰かとぶつかり後ろに転けた


「ちょっ!?」

わっ!わっ!

ドサドサドサと何かと誰かに僕はぶつかってしまった


その人が抱えていた何かが落ちた音が聞こえて


僕は慌てて顔を上げる

「ご、ごめんなさい!!」

僕はその人に謝り顔を上げると


そこには銀髪の青年がいた

「なんなんですか!!貴方突然私にぶつかってきて!」

そう青年は本を拾いながら喚いた



_________________


これが落ちこぼれの魔術師サリソン・キューラとの出会いだ

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